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マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』

2012年08月11日 21時15分20秒 | 文学
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)を読んだ。
新聞のオリンピックの記事なんかに「おめでとう」とかそれに類する言葉が出ていると、なんだかこれはよくないのではないかと思うようなことがある。新聞のような場所に勝った負けたの試合の勝った方を、自分に近いからというだけの理由で嬉しがるというのはなんか良くないんじゃないかという気がする。
これはよく感じることで、外国で事故があったときに「なお日本人の犠牲者はいません」とか言うのを聞くと、同じようなことを感じる。いや、いまはあまりそんなことも感じなくなったので正確には、感じていたことがあった。
プロ野球が好きではないのも、テレビ中継でどちらかを贔屓にしていることが露骨に出ていることが多く、「解説者じゃなくて応援団じゃないか」と感じることがあったからかもしれない。
何が言いたいかというと、正義というのは中立を守ることであると、私が長く感じてきたということが言いたい。
『これからの「正義」の話をしよう』では、正義が中立を守ることであるということに疑問を呈していてとも興味深く読んだ。
宗教から距離を置いて考えることが正しいとされ、どんな考えも自由とされ、判断は中立的なほうが良いとされるが、果たしてそれで出てきた結論は正義なのだろうか、ということが語られる。
おもしろかった。
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