鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

【21-1】以前に過去問で出題された1級漢字について、別の形で出題された問題

2009年10月11日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

 昨日の記事で、過去問で155点とれる、そして過去問で既に出題された1級漢字について、過去問とは別の形で出題された「辞典」の見出し語または見出し語から推知可能な読み問題が19点分あると書きました。昨日の記事の表のCの部分です。過去問155点と合わせて、174点になり、十分合格点に達します。

 一方、今回、新出1級漢字は6字(9点分)でしたから、新出よりも、過去問に出題された漢字の別出題の方がずっと多かったものです。21-1だけで即断できないでしょうが、過去問に出題されていない新出漢字よりも、過去問に出た1級漢字を更に学習する方が大事のように思います。

 SIMO様のmixiの分析でも、過去問出題漢字をしっかり学習すれば、16-1~20-3(20-1は除く)で、183点~150点取れるとありました。過去問出題漢字を学習しても合格点に達しないのは、18-2の153点、19-1の150点、19-3の154点の3回だけで、残り10回は合格点に達するとのことです。

 そこで、過去問に出題された1級漢字の別出題(「狭義の三点セット」に含まれるものに限ります)について、学習しやすいと思う順番に、書いてみます。尚、気付いた範囲で「征服」の頁数も摘記します。

A 読み問題 5点

1, 音読みが出題されており、今回訓読みが出題されたもの 4点

(一)鞏(かた)からざる←鞏固(きょうこ)15-1Y 征24頁

(七)
嗾(そそのか)す←使嗾(しそう)15-2K 17-3K 征91頁=指嗾(しそう)9-2Y 14-3Y 15-2K 17-3K 征91頁

綢(まと)う←綢繆(ちゅうびゅう)15-3Y 18-1Y、ちゅうみつ(綢密15-2K 18-3K 征91頁

覲(まみ)える←朝覲(ちょうきん)18-1Y

 今回、(七)の音訓読みの音読み5問は、全て過去問からの再出題でした。過去問で音読みが出題されたものについて、「辞典」に訓読みの見出し語がある場合は、それも憶えるといいと思います。


2, 訓読みの書き取りが出題されており、今回音読みが出題されたもの 1点

(十)肥瘠(ひせき)←や(瘠)せる7-2K

 7-2の標準解答には、準一級の痩せるも載っています。痩せる=瘠せるですから、「やせる」の書き取りは、痩せるだけ書ければいいでしょうが、瘠せるも「辞典」の見出し語にありますから、読めた方がいいでしょう。

 そして、「辞典」には、 【瘠地(せきち)】 、「四字熟語」には、【荒瘠斥鹵(こうせきせきろ)】という見出し語がありますから、瘠の音読みも読めた方がいいでしょう。ただ、脊の音符字は、全てセキと読みますから、これは、山勘でも解ける問題かもしれません。

 音読みが出題されたら訓読みも学習する、訓読みが出題されたら音読みも学習するというのは、音訓相補の観点から、漢字学習の基本だと思います。 


B 書き取り問題 14点

1, 読み問題が、書き取り問題に転化 4点

(四)てんゆ(諂諛15-3Y 19-1Y

 語選択書き取り問題について、読み問題に出題されたものが、書き取りで出題されるということについては、夙にあおむし様がご指摘のところです。

(八)へきすう(僻陬16-1Y⇔都邑16-1K

 過去問の読み問題について、標準解答を見て、書き取り問題として解くことは大事だと思うのですが、私は途中で止めてしまいました。

2, 別の訓の書き取り 2点

(三) たけひご(竹籤)←とみくじ(富籤)17-2K

 以前、送り仮名のない異義の訓読みが、複数ある1級漢字一覧を纏めました。

3, 過去に出題された音熟語書き取りとは、別の音熟語書き取り 4点

(四)
ゆうけい(雄勁)←けいそう(勁草)9-1K 14-2K 16-1Y 19-1K

ひはい(疲憊)←こんぱい(困憊)17-1K

4,熟字訓の読み問題から、音熟語の書き取りに転化 2点

(十)でいねい(泥濘)←泥濘(ぬかるみ)5-1Y

5,四字熟語に含まれている1級漢字を含む別熟語の書き取り 2点

(九)りりょう(驪竜頷下の珠←牝牡りこう(驪黄)8-3K

 この故事諺は、「問題と解説」44頁に出ています。また、「四字熟語」には りりょうのたま(驪竜之珠があります。過去問に出題された1級漢字を含む四字熟語を学習するのも、語彙を拡げる一方法でしょう。



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