螟蛉 漢検1級

漢字検定一級に関する情報

語選択書き取り-重複率

2006年07月08日 16時43分05秒 | 分析総論
久しぶりのブログです。 前回に引き続き語選択書き取りについてです。
過去問題との重複についてですが、とりわけ過去の読み問題との重複が高いということを言いましたが、それでは実際はどのくらい重複しているのか、大雑把に調べてみました。 結果は思ったほど高くありません。あくまで大雑把、参考程度のデータということで。

14-3
 ・奥深くて物静か      幽邃(ゆうすい)  9-3読み
 ・動きが素早く荒々しい   剽悍(ひょうかん) 9-1読み(剽軽)
 ・人の仲が悪くなる     軋轢(あつれき)  4-1,6-3読み
 ・失敗して行き詰る     蹉跌(さてつ)   4-1読み
 ・よくかみくだく      咀嚼(そしゃく)  11-2同音同訓異字書き取り

15-1
 ・書画を筆で書く      揮毫(きごう)   5-1.5-2読み
 ・旗などが風にひるがえる  翩翻(へんぽん)
 ・性質が残忍で荒々しい   獰猛(どうもう)
 ・遠まわしにそれとなく表現する 婉曲(えんきょく)
 ・罪を償う           贖罪(しょくざい)

15-2
 ・横あいから口をだす     容喙(ようかい)  9-2読み 
 ・ふみにじる         蹂躙(じゅうりん) 8-3,12-1文章題 書取り
 ・他人を陥れるために偽って申し出る 誣告(ぶこく)
 ・高く険しい         峭峻(しょうしゅん)
 ・自分の才能・地位などを包み隠す 韜晦(とうかい) 13-3同音同訓異字書取り

15-3
 ・きらびやかでうつくしい   絢爛(けんらん)  4-1文章題書取り
 ・思いがけない出会い     邂逅(かいこう)  8-1書取り
 ・ちぢめてひきしめる     収斂(しゅうれん) 5-1,6-1読み
 ・あとにのこったかす     残滓(ざんし)   
 ・いたましくみじめ      惨憺、惨澹(さんたん)

16-1
 ・品位、体面         沽券(こけん)   12-1書取り
 ・広く知れ渡る        膾炙(かいしゃ)  12-3書取り
 ・欠点、きず         瑕瑾、瑕釁(かきん)
 ・ぬれぎぬ          冤罪(えんざい)  12-2書取り
 ・片意地なこと        狷介(けんかい)  15-1文章題書取り

16-2
 ・相手の立場を十分に考える  斟酌(しんしゃく) 5-2読み
 ・飾り気がなく話し下手    朴訥(ぼくとつ)
 ・主義主張を公然と示す    標榜(ひょうぼう) 9-1,11-1文章題書取り
 ・困っている人を助け、恵む  救恤(きゅうじゅつ)14-1読み
 ・からかうこと        揶揄(やゆ)

16-3
 ・あかぬけている       瀟洒(しょうしゃ) 8-2,15-1読み
 ・とらえる          拿捕(だほ)
 ・むせびなく         嗚咽(おえつ)
 ・にらみつけること      睥睨(へいげい)
 ・打ちこらしめる       膺懲(ようちょう)

17-1
 ・ありもしないことを言ってそしる 讒謗(ざんぼう)8-2読み
 ・考えが古く、かたくな      固陋(ころう)
 ・楽器の音が冴え渡って響く    嚠喨(りゅうりょう)
 ・獣がほえたける         咆哮(ほうこう)
 ・滑稽味のあることば       諧謔(かいぎゃく)

17-2
 ・助けとなり役立つ        裨益(ひえき)
 ・驚いて目をみはる        瞠若(どうじゃく)
 ・よく注意してみる        刮目(かつもく)  4-1読み
 ・哀れむべき境遇になりさがる   沈淪(ちんりん)
 ・物事の道理や意義をはっきりさせる 闡明(せんめい) 4-1,9-2読み

17-3
 ・広く知れ渡る          膾炙(かいしゃ)  <16-1>
 ・うらみなげくこと        惆悵(ちゅうちょう) 6-2,16-1読み   
 ・横合いから口をだす       容喙(ようかい)  <15-2>9-2読み
 ・けしかける           指嗾(しそう)   9-2,14-3読み
 ・のけものにする         擯斥(ひんせき)

18-1
 ・奥深く物静か          幽邃(ゆうすい)  <14-3>9-3読み
 ・うやまいつつしむ        敬虔(けいけん)
 ・果てしなくひろい        縹渺(ひょうびょう)8-1,14-3読み
 ・学識をひけらかしたがる気持ち  衒気(げんき)
 ・学徳・経験のそなわった老人   耆宿(きしゅく)  7-1読み 耆

注)< >で囲まれたものは同じ語選択書取り内での重複を示す。

読み問題との重複は19/55個 34.5%、その他全ての問題を含めた重複率は30/55 54.5%でした。かなり強引なところもありますが、ここでも過去に出題されたことのある言葉が問題の形を変えて問われることがわかります。 やはり過去問題を知悉することは受験対策上必須でしょう。

全て手作業でやっておりますので抜けがあったり間違いがあるかもしれませんが、その辺はご容赦を。 

2 コメント

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「辞典」の見出し熟語重視派 (白魚一寸)
2006-07-08 21:25:46
>読み問題との重複は19/55個 34.5%



詳細な分析大変参考になります。語選択書き取り問題の内、約3分の1は、過去に読み問題で出ているというのは可成り確率は高いですよね。音読み熟語の読み問題は、書き取りで出る可能性があると言えると思います。特に高得点を狙うには、書けるようにすることは必須でしょう。



一点付け加えれば、14-3以降の語選択書き取り問題の熟語は、殆ど、漢検漢字辞典の見出し熟語(意味も書いてある)として載っているものです。全部チェックしてみましたが、見出し熟語になっていないのは、15-2の峭峻だけです。これも、逆の峻峭は、見出し熟語です。従って、書き取りでは、見出し熟語以外は出題される可能性が低いと考えています。



私は、1級はとりあえず合格点ギリギリで合格すればいいという立場ですので、この観点からは、音読み熟語の読み問題の内、漢検漢字辞典の見出し熟語に載っていないものは、書けなくてもいいのではないか、たとえば、6月の音読み問題の内、雲鬢は、見出し熟語に載っていませんので、書けなくてもいいのではないかと思っております。



漢検漢字辞典の見出し熟語を全部書けるようにすることも、私には到底不可能だから、見出し熟語として載っていないものまで書けるようにすることは尚のこと不可能です。憶えるべき内容の優先順位を付けないといけないと考えています。



あおむし様は、高得点連続合格を狙っておられるような気がするから、水を差すような話に聞こえましたらすいません。
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有難う御座います (あおむし)
2006-07-08 21:34:33
白魚一寸様、早速のコメント深謝申し上げます。 おっしゃる通り、辞典の見出し語で意味の載っているものは最も重視しなければいけないと考えております。 高得点連続合格は出来ればいいかと思いますが、実はあまりこだわっていません。 私も、白魚一寸様のように何れは辞典をゆっくり紐解き、一つ一つの言葉を遊び心で学習したいのです。しかしそれはまだ10年程先の話です。
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