二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

スポーツ鍼治療法・アメリカメジャーリーグ トレーナーセミナー参加しました!

2023年12月29日 | 鍼灸

 お久しぶりのブログ更新となってしまいました。

 令和5年も年末となりましたが、皆様、ココロやカラダの調子はいかがでしょうか

 今年は、様々な活動をさせていただき、ブログ更新のネタは多くあるのですが、一つずつ今年を遡っていく感じでブログを書いていきたいと思っています。

 

 さて、皆様、クリスマス&イブはどのようにお過ごしでしたでしょうか

 いろんな形があっていいと思います。

 私のクリスマス・イブは、自分へのクリスマスプレゼントと自分の今後の活動に発破をかけるため、「スポーツ鍼治療法] 入門編 のセミナーへ参加してきました。

 単なるスポーツ鍼の講義だけでなく、アメリカメジャーリーグタンパペイ・レイズでトレーナーをされています福田 紳一郎トレーナーの話を聴講できるということでワクワクしながら学びを得ることができました。

 

(一社)日本スポーツ鍼灸師協会の早川 和浩 先生が主催しての開催です。

 早川先生は私の中和鍼灸専門学校(現 中和医療専門学校)の同級生です。

 早川先生は、木田 優夫 投手(元プロ野球選手)がデトロイト・タイガースと契約してプレーした時、彼の専属トレーナーとして鍼灸師としては初めてメジャーリーグの球団とトレーナー契約された先生です。

 その先生のお誘いもあり、今回、このセミナーに参加させていただきました。

写真(右) 早川 和浩 先生

 セミナーは午前10時~12時30分、午後13時30分~16時30分の二部構成。

 実は前日(いや当日)、望年会で午前2時くらいまで飲んで歌っていたので、やや睡眠不足だったのですが、まったく眠くならず、目をキラキラ、ギラギラさせてセミナーに参加できました。

 

午前の部「スポーツ鍼治療法」入門編

 先生が今まで経験、学んできたスポーツ鍼治療法のエッセンスの導入部をお話いただきました。

 治療を体系化してまとめて、そして、その基礎や応用を後進に伝えていくことは大事なことですし、私も自分の治療方法や考えをまとめていかなければならないと、このような面でも学びになりました。

 まずスポーツ鍼の定義を「スポーツによる怪我や痛みを鍼で治療し可能な限り早期にかつ安全に競技復帰させることができる鍼治療を”スポーツ鍼”」として話が進みました。

 選手の障害や不調の状態を正確に評価し、その必要な鍼治療を行なうことができる鍼灸師を「スポーツ鍼灸師」と定義されていました。

 

 選手にとって、怪我の状態や予後をある程度把握すること、そこから回復して競技復帰するためにはどれだけかかるのか、ここが最も必要な情報です。そのためにはスポーツ医学や病理、生理、解剖などの知識も必要ですし、自分の鍼治療を知り、さらには限界を知ることも大切になってきます。

 一定の定義づけを行ない話をすすめていくことで、すごくスムーズに内容に入っていけました。

 

 スポーツ鍼の歴史では、1970年代から2000年代に入ってからの歴史の流れの説明がありました。

 現在は、NATA-ATCやアメリカ・日本の鍼灸の免許などトリプルライセンスを取得し、自己でマーケットバリューを示していく話にワクワクしました。学ぶことはたくさんあります。

 

 スポーツ鍼の効果とはでは、これはプライマリケアとして、痛み、腫れ、炎症を早期にとりながら血流促進していいくことの大切さの話があり、ところどころ出てくる臨床のポイントに「なるほど~」と気づきが多くありました。

 このプライマリケアをきっちり行なうことで、パフォーマンスの維持、早期回復・早期競技復帰に繋げていくことに鍼治療をどう活かしていくか、選手にどう説明していくかということです。

 

 スポーツ鍼の基本とは(早川式)では、先生が考えるスポーツ鍼についての段階、治癒過程、それでも痛みが残った場合はどうするか?!などの考え方が説明され、シンプルなのですが深さを感じ、自分の臨床を想像しながら聴かせていただきました。

 ここでも選手への説明の仕方、臨床効果を出すポイントなどの話も鏤められていました。

 

 スポーツ鍼の基本手技とはでは、鍼を刺す方法、施術ポイントの話がありました。基本的な刺す方法を身につけることの大切さ、身につけるということは、基礎のある所にイマジネーション(想像・創作)がうまく重なると治療効果も上がるという話には「なるほど~」と勉強になりました。

 ここでも早川先生自身が行なっている組織を緩める、締める刺激方法の話があり納得しました。

 

 スポーツ鍼の施術アプローチでは、では選手の身体に対して、どのような思考と方法でアプローチを行なうのかというお話でした。

 筋膜から骨膜まで、どのような施術方法を行なうのか。この施術をどのようなプランで行なうのか。このプランをどう説明することによって選手との信頼関係を築くのかという点が説明され、こちらでも「なるほど~」と学びの嵐でした。

 ここは施術上だけではなく経営上の必要な考え方なのでした。

 

 スポーツ鍼の治療道具では、今回、学生さんや鍼灸師以外の皆様の参加もありましたので、トレーナー活動や鍼治療で使う鍼やパイネクスなどの円皮鍼、微弱電気治療器の紹介や使い方の説明がありました。

 私がトレーナー活動で使用したことのあるものもあり、また購入意欲が 湧いてきました。笑

 

  スポーツ鍼の施術上の注意点では、鍼を打つ前の準備について「押し手」「前揉」の細かい話や、整形外科・眼科・歯科など他科との連携の話があり、ここは石川県スポーツトレーナー連絡協議会に入っているため大事であることは分っている話でしたが、再認識いたしました。

 

 スポーツ鍼に必要な鍼先感覚トレーニングでは、スポーツ鍼ではなくても大事なことです。健康な状態の身体に鍼を入れた時の状態を皮膚から骨膜にいたるまで、どのような状態か鍼先で感じるトレーニングを行なうこと。

 「鍼を打つのだから当たり前じゃ~ん」と思われますが、これを感覚や脳の記憶として落とし込むことは、繰り返しのトレーニングが必要です。スポーツの技能獲得も同じことですよね。基本中の基本ですので、疎かにしてはいけません。

 ここから鍼を身体の中に入れていく途中で、いつもと違う部分(硬結・炎症)を感じることができます。

 これを踏まえて、同じベッドで横に座った参加者と下腿やアキレス腱に実際に鍼を刺入して感じるトレーニングを行ないました。

 私の隣は東京から来ている学生さんで、鍼灸師とATを取得の勉強をされている男子でした。学生さんということで、私が鍼を打たせてもらいました。

 私は師匠について勉強していたのが癖となり、鍼の切皮、刺入の練習と感覚を磨くことは今でも行なっています。

 

写真(右)タンパペイ・レイズ 福田 紳一郎トレーナー

 

午後の部「アメリカメジャーリーグでのトレーナーの実際」

 福田先生は、今回会場となった専門学校の卒業生であり、ここで早川先生と出会ったのがきっかけとなり、それに触発されアメリカにわたりトレーナーの道を歩みました。師弟による初コラボセミナーだとか。

 どのようにしてタンパペイ・レイズのトレーナーを掴んだのか、その道のりの中の喜びや苦悩、そして、早川先生との対談へと話が進んでいきました。かなりエキサイティングな話でした。
 年齢で言うと、人生半ばまできましたが胸がワクワクする話はいつ聴いても気持ち良いものです。

 

 また、福田先生がメジャー選手(とくに投手)に対して行なっている施術の一部をデモンストレーションという形で披露していただきました。

 鍼治療では何を目的に行なうのかという点では、早川先生の午前の部の講義と考え合わせ、スポーツ選手にはここがポイントだな、こうしてパフォーマンスを上げていく方法がいいな!と個人的には得るものが多かったです。

 あとは鍼だけではなくストレッチやカッサ、吸い玉なども利用しながら選手をよりベストの状態に近づけ、他のチームのトレーナーと協力しながら、ケガを予防しパフーフォーマンス向上に繋げる=チームの勝利に貢献するという部分で、自分の施術について考えさせられる部分が多くあり刺激になりました。
 ストレッチ方法や身体の触れ方など勉強になりました。

 メジャーでは「痛みがある時点で試合は出場はNG」ということでトレーナーの使命も大きいものがあります。

 他のトレーナーと協力はするが、自分の施術と選手との信頼には絶対の自信を持ってトレーナー活動を行なう姿勢にも、私は背筋がピシッとなりました。

 

 積極的な行動、という点では、これくらいやらないと実力社会の、そして外国人として入って一定の評価を得るためには必要なのだということを感じました。全球団に自分が何をできるかなど履歴書を送付し、メジャーリーグのトレーナー以外の道の誘いは全て断った姿勢は、本当に脱帽でした。私ならどうしたか・・・

 

 人との出会いを大切に、という点では、就労ビザについてや、球団が地元の鍼灸学校の入学費用すべてを支払ってくれてのトレーナー契約の話について、やはり自信を持って、積極的行動と自分を磨く努力を怠らない姿勢、そして夢や信念を貫くぞ!という気力、このようなものが相手に好かれる要因となり、道が開けてくるのだな~と感じました。

 

 その他、最近、メジャーリーグでは鍼治療を受ける選手が多くなっていることや、最近のトレンドなどの話は勉強になりました。治療についてもだいたい10年ほど経過して日本に伝わってくることも多く、現状を知れたことは、今後の自分の行動にも活かされます。
 アメリカでのドライニードルなどの実際や現状の話もインプット

 

 レイズのチームトレーナー体制や、どのような形で選手がケアに訪れるのか、その環境を踏まえてどのようなコミュニケーションを取りながら具体的に施術していくのかなどもワクワクして話を聴かせていただきました。

 

 そして、早川先生、福田先生に共通してでききた話は「信頼」の構築です。

 選手とどうコミュケーションをとって一緒に歩むのか、そして、選手が良いパフォーマンス状態で試合に臨み、チームがより良い成績を出していくために、自分のスキルをどう活かすかなどなど、やはり「ケガをせずにシーズンを終了すること」「より良い成績でシーズンを終えること」にどう関わっていけるか、これを選手と一緒に歩んで行く姿は、スゲ~な~、という気持ちで聴いていました。

 

 昨今も、大谷 翔平 選手や山本 由伸 投手がドジャースに入団した話題が世間を賑わせました。
 お二人とも、やはりワールドシリーズ優勝のできるチームへ入団したわけです。

 タンパペイ・レイズは5年連続プレーオフに進出しているチームです。

 そして、メジャーリングの日本人トレーナーというのはこれまでも存在しましたし、現在も福田先生以外にも活躍されています。

 その日本人トレーナーの中に、ワールドシリーズを優勝するともらえる「チャンピオンリング」を3つ持っている方がいるそうです。

 これからの夢は何ですか という問いに・・・

 

 「チャンピオンリング」を4つとれるようにがんばります

 

 という話があり、熱い熱いセミナーは終了となりました。

 早川先生と福田先生には、素晴らしいクリスマスプレゼントをいただき感謝しております。

 

 学生参加者の中に、石川県出身の女子がいて、鍼灸師とATの免許を取得していずれは石川県へ帰りたいという出会いもあり、最高でした

 

 会場が千種区今池であったため、セミナー終了後、私が修行時代にお世話になった東洋医学研究所へお邪魔虫してきました。

 現、東洋医学研究所所長の橋本先生とも話ができて良かったです。

 

 それにしても名古屋は天気が良くて気持ちいい空気だったな~
 この空気感、第二の故郷なのですごく好きです。

 

 やはり長文になってしまいました。
 最後までもお読みいただき、ありがとうございます

 

二葉鍼灸療院(金沢)

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田中良和 note

東洋医学研究所

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コメント (4)
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