5月23日夕方、いつもお世話になっている、アートブロガー「弐代目・青い日記帳」Takさんの紹介で、練馬区下石神井にある、ちひろ美術館で行われた、ドキュメンタリー映画「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」の完成発表記者会見に行ってきました。
日本を代表する絵本画家、いわさきちひろ(1918年生まれ) の知られざる”生き様”を、彼女の孫世代に近い1971年生まれの海南友子監督が、いわさきちひろのの関係者に長年取材して製作した96分のドキュメンタリー映画です。
日本人が製作したドキュメンタリー映画が一般の劇場で全国公開されるのは珍しいのでは?
予告編を見る限り、いままで知られてない、いわさきちひろの姿を知ることが出来る内容のようです。
是非、映画館の大きなスクリーンで視てみたいと思っています。
予告編 http://chihiro-eiga.jp/yokoku.html
ドキュメンタリー映画 「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」
7月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国順次公開
配給:クレストインターナショナル
(C)CHIHIRO ART MUSEUM
記者会見の写真。左より、いわさきちひろの息子 松本猛さん、夫の松本善明さん、黒柳徹子さん、中原ひとみさん、海南友子監督です。
こういう取材の場に立ち会うのは数十年ぶりでしたが、ちょっとビックリしたのが、若い記者が自分の所属、名前を言わないで質問することでした。昔なら考えられないことです。マァ、フリーランスで色々なメディアで記事を書き分けている記者も多い時代ですし、BLOGやTwitterもメデイアとして認知される時代ということもあるかもしれません。勿論、ある程度、年齢をいった記者の方はちゃんと、所属、名前を言っておられましたが。
さて、小生のお目当て、
ちひろ美術館で、5月23日から始まった特別展「 ドキュメンタリー映画公開記念展 ちひろ 27歳の旅立ち (~8月26日)」です。
この展覧会では、私たちが慣れ親しんでいる、明るい、淡い色彩のパステルや水彩の、いわさきちひろの絵だけでなく、その基となった、デッサンを多く視ることができます。特にーバツイチ、家なし、職もなしーの27歳の頃、描いた「自画像(写真右)」や「顔をおおう自画像」は、いわさきちひろという画家の”原風景”を視る思いでした。
また展示されていた彼女の日記に書かれた、写経の文字にも惹かれました。
そして別コーナーでは、明るい淡い色彩に癒されます。
この色彩の中に、いわさきちひろの「鉄棒を真綿で包んだような心」が潜んでいるのでしょうか?
いわさきちひろのはじめての絵本、「ひとりでできるよ(福音館書店)」の原画が並んでいます。
息子の松山猛さんをモデルにして描かれた原画です。
この本が出版されたのは1956年。小生の通っていた小学校でも、外地からの引き上げ家族の子弟と、席を並べて学ぶのが日常だったことを覚えている、団塊世代の小生にとって、このような明るい色彩は、当時の現実にはない、夢の世界の色彩だったと思います。
何気ない赤いポストですが、”赤”という色に強烈に惹かれます。
ご子息、猛さんへの愛情が溢れているデッサンです。
猛さんがおっしゃていた、「母、ちひろは自由な人だった」という言葉が印象に残ります。
いわさきちひろは、存命していれば今年94歳だそうですが、団塊世代の小生の母も同世代、太平洋戦争中、戦後の大きな時代のうねりの中で、子供を育ててきた母の”生き様”に思いを重ねながら、絵を視ていきました。
小生の子供たち世代である、団塊ジュニア、さらに若い世代にも、日本を代表する絵本画家の素晴らしい、癒される絵というだけでなく、いわさきちろの知られざる”生き様”を知って、是非、祖母世代の”生き様”にも思いを寄せる、展覧会としても視てもらいたいと思いました。
ドキュメンタリー映画公開記念展 ちひろ 27歳の旅立ち
期 間 : 5月23日(水)~8月26日(日)
会場:ちひろ美術館 東京
ドキュメンタリー映画「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」
予告編 http://chihiro-eiga.jp/yokoku.html
7月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国順次公開
配給:クレストインターナショナル
(C)CHIHIRO ART MUSEUM
(注)このブログに掲載した写真は許可を得て掲載しています。