夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
ネタ控えです

お金の成る木が欲しい2

2023-08-04 | 創作
「なんだ、お願いするだけかよ。詐欺みたいなものだな」
「失礼な、お願いするだけじゃないですよ。ちゃんと願い事は百パーセント叶えているのですから」
「百は凄いね。何件請け負ったのかな」
「一件です」
「一件受けて一件成就ですか、それは凄い」
「あっ、馬鹿にしてますね。私のしたことは今も芝居とかになっているのですから、有名なんですよ」
「何したの ?」
「400年ほど前に、大石という方に吉良という方をお会いさせたのですよ」
「それって、もしかしたら忠臣蔵」
「そうそう、忠臣蔵というお芝居になってますね」
「それだと、人殺しの手伝いじゃないの」
「会わせただけ」
「殺人の幇助罪になると思うけど、いいの妖精が犯罪して」
「私は会わせただけ、会った後のことまでは知りませんよ」
「なんか、都合の良い話」
「待って下さいね、今、電話してお金の成る木を作れる方にお願いしますから」と言って携帯電話みたいな物で話しているのです。
時々聞こえる声が「お願いしますよ」と言っているようです。
そのうち時々、おじさんの前でピカッと光るのです。
よく見ていると、見慣れたというか期待した妖精の姿をした女の子が、時々現れるのです。
これこれ、これが妖精ですよね。
可愛い女の子の妖精が現れて、おじさんと何か一言二言話して、また消えちゃうのです。
「なんだよ、断られてばかりじゃないか」
「仕方ないですよ。そんなに簡単に作れるものじゃないですから」
「今の女の子の妖精と一晩過ごすというのに、お願い代えても良いのだけど」
「お願いは一度だけで、変更はありません」と言われてしまいました。
何度か、ピカッと光っていたら、ちょっと太めの妖精が現れました。
ポッチャリタイプで服がヒョウ柄、おばさんタイプ。
何やら話していましたが、おじさんが土下座したのです。
手を合わせて拝むような仕草もしていました。
「分かったわ」と言う声が聞こえました。
最敬礼して、おばさん妖精を見送っていました。
「できます。やっと作ってくれる人見つけました」
「お金の成る木、作れそうなのか」
「はい、なんとか作ってくれるそうです」
「あのおばさん妖精、大丈夫なの」
「大妖精様ですよ。私だからお願いできるのですから、他の方だと無理ですよ」
「他にも一杯いたじゃないか、可愛いのが、あっちはダメなの」
「あんな小娘では、私の魅力が分からないのですよ」
「魅力で要請してるの」
「そうですよ、妖精は我々の要請を受けてしか願い事作れないのですから」
「そんな物なの」
「ですから、人間から直接要請を受けるのは違反です」
「ところでいつ頃できるの」
「1ヵ月ほどで、できると思います。大妖精様に期限までは付けられなくて」
「そうなの、妖精なんだから、はようせい」と言ってやりました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お金のなる木が欲しい1 | トップ | お金の成る木が欲しい3 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

創作」カテゴリの最新記事