みなさま、お待たせしました。
本日(3月19日)より、幕末明治の浮世絵・探訪展の後半がスタートします!
と、いうわけで作品紹介をつづけます。
のっけからなんですが、
姉さん、蛇です、大蛇です。
でっかい蛇が巨大な目玉と口をカッと開いて、不気味な胴体をくねらせています。
画面中央に巨大な蛇の顔があるものだから、迫力満点、目が離せません。
その蛇を囲むように3人の武者が刀を振るい、一人は蛇に刀をぶっさしています。
義仲ノ四天王木曽奥山ニ是ヲ退治
歌川芳員 弘化年間(1847~1847)
よしなかしてんのうきそおくやまにこれをたいじ うたがわよしかず です。
芳員も、かの奇想の人、国芳の弟子。 武者絵などのほか文明開化の横浜を描いた絵で知られています。
ところでタイトルの「是」は、「これ」でいいんですかね。(タイトルは絵の中に書いてあるのです)絵を見たら分かるだろう!・・・と?
(「是」の字で、うわばみとか、みずちとか、おろちとか読むのか調べてみましたがそんな例はないようなので、やはり絵を見ろってことかな)
う~ん、やっぱり国芳の弟子だ。
さて、絵は題名の通り、義仲四天王(画中には5人おりますが。しかも義仲ではない)による蛇退治の図。
もう退治している図というよりは、みどころを全部蛇にもっていかれています。
先にも書きましたが、巨大な目玉、口、鱗の不気味なこと・・・
夢に出てきそうです。
周囲は切り立った断崖、わずかな松が張り付き、滝のごとく水も流れ緊迫感ある場所。
この後、武者さんたちは頑張って蛇をしとめるのでしょうけど、もうそれはどうでもいい!
蛇を描かせろ!という声が聞こえてきそう・・・
・・・話をそらして、この四天王の主、木曽義仲(きそよしなか)は、
倶利伽羅峠(くりからとうげ 富山県と石川県の境にある)で、火牛の計により
多数の平家の軍勢を打ち破りました。なのでここ富山や石川では有名人。
征夷大将軍にものぼりつめました。(朝日将軍とよばれました)
四天王のほかにも巴御前(ともえごぜん)という魅力的な女性も登場しますね。
今、木曽義仲を大河ドラマの主人公に! という運動もあるとか。
義仲のエピソードを読むと、従来の義仲像(悪人とか間抜けとか・・・)では説明できない
魅力的な部分がたくさんあるので、もし実現するなら、ぜひこれまでの義仲像と違う、
快活な一代の風雲児として描いてほしいですね!
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幕末明治の浮世絵・探訪展
~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~
期 間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)
時 間 9時~17時30分(入館は17時まで)
休館日 毎週火曜日
入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料
会 場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール
富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000