思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

ウェットフライの釣り(オーストリア釣行)

2017-08-16 17:10:28 | 毛針/Flies

日本が山の日で休みになった3連休、その間隙を縫ってオーストリアはムーラウに行って参りました。
チュニスエアがウィーン直行便を出す木曜日と日曜日を使っての釣行です。しかしながら、行きはチュニスエアらしく遅れるのですが、それも我慢の限界を超える3時間超の遅れ。ただでさえ遅れがなくとも宿に到着出来るのは21時30分以降という予定が台無しになりました。
ウィーン空港をレンタカーで出たのが22時。しかも、寒冷前線通過真っ最中で強烈な雷雨と強風。それがムーラウまで続き、漸く宿に着いたのが朝1時。宿の人は起きて待っていてくれ、大変申し訳ないことをしました。

結局8月10日の雷雨のお陰でMur川は大増水。そこでピンチの時の頼みの綱Etrachseeへ直行です。
宿で釣り券を購入。昔なじみの女主人は「また、運が悪く、天気が悪い時にきちゃったのね」とお出迎え。それと宿の黒い大型犬もスリスリしてきます。午前中は未だ良かったのですが、昼には強烈な雷雨と風で湖のど真ん中で雷撃をくらったらどうしようと、ボートの上で身を屈める羽目になりました。しかしながら、そういう事もあろうと持参したBarbourの油引き綿布で作られたLongshoremanジャケットとヒップブーツのお陰で強烈な風雨でも体は濡れず、強風ではありましたが、午後は釣りになりました。

午前の天気はこの通りです。
こんな状況なので、当然使うのはウェットフライ。今回はこれまであまり使わなかった毛針を準備し試してみました。

まずはRamsbottom's Favourite。このラムズボトム氏のお気に入りという毛針は戦前英国でシートラウト釣りの名手として知られたラムズボトム氏が特に良く使った毛針という事で、A. Courtney Williams氏の名著A Dictionary of Trout Fliesにも、もっと注目すべき毛針として載せられております。日本では沢田賢一郎氏の著書にもレシピが出ておりますが、何故か沢田氏のレシピにはブロンズマラードが抜けております。上の写真は魚を掛けた後のものでマラードが見え難くなっておりますが、下が英国の「A Dictionary of Trout Flies」に載っているレシピです:
Body: Yellow seal's fur, ribbed with gold twist
Tail: Red ibis feather
Hackle: Coch-y-bondhu
Wings: Mixed red, yellow and blue dyed swan feathers mallard over
私の毛針はグースショルダーのred, blue, yellowをマリーし、その上からブロンズマラードを被せて作ったもの。ラムズボトム氏は、ウィングを巻いたら、親指と人差し指でウィングを散けさせて、マリーした各色がチラチラ見える様にしたらより良いとしております。

この毛針を投入したところ、沖を回遊していた虹鱒35cm、39cmが立て続けにヒット。Pezon et MichelのSawyer Nymph竿を曲げ、Perfectリールに逆転音を響かせながらラインをどんどん引き出してファイト。イワナよりも楽しめました。

これは35cmの虹鱒。

次はSilver Doctor。この毛針にも幾つかバリエーションがありますが、赤のヘッドとタッグ、シルバーボディ、トッピングのテイル、ウィングはマラードとトッピング、ハックルはブルーというのが大きな枠。その枠の中でマリードウィングを使ったり、バラエティを付けます。私の使ったウィングは、red, blue, yellowのグースショルダーをマリーしたもの。上のRamsbottom's Favouriteと同じです。

このSilver Doctorも良く釣れる毛針で、ドロッパーとして使うと格別な働きをしてくれます。Etrachseeではドロッパーは付けませんので、単独で使いましたが、まず入れ食い。

湖に流れ込むEtrachbachではドロッパーとして使いましたが、ドロッパーに良く食いつきました。

このイワナはリードフライのGreenwell's Gloryに来たもの。

最後はDunkeld。この毛針はオレンジ色が濁った水でも目立つので、増水を想定して準備したものですが、将に大増水のMur川で効果を発揮してくれました。

Mur川はずっと大増水で釣りになりそうにない状況でしたが、最終日の8月13日午前中だけでもMur川で竿を出そうと、リードフライに結んだのがこれ。ドロッパーにSilver Doctorをつけ、増水でも魚に見つけてもらい易いコンビにしました。

普段は緑の地面の更に下に石の河原があるのですが、それが見えないくらい、60〜70cmは増水しております。

その増水した茶色の濁り水で流れが緩やかなところを選び斜め上流に毛針を投入し、ドラッグがかかり始めたその時、「グッグ、コンコン」とアタリ。すかさず合わせると茶色の水に糸が突き刺さり、竿先がぐいっと持って行かれリールが逆転。初めてから数投でのファイトに気を良くします。魚はジャンプし何度もラインを持って行きましたが、何とかネットで掬ったのは40cmのグレイリング。リードフライのDunkeldをがっちり咥えておりました。

私は写真を撮るのが下手で、この魚もこのようにしか撮れなかったのですが、Dunkeldのオレンジ色が口にかかっているのが見えると思います。
ドライフライが使えない悪条件でも結果を出してくれるウェットフライ。今回はその力に大変助けられた釣行となりました。

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2 コメント

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Unknown (すうちん)
2017-08-28 22:21:54
私も7月末、8月24日に行きましたが写真の様な状態で、増水冷水で駄目でした。この夏休みは雨ばかりで残念でしたね。秋にもう一度行ってみます。
今年はだめですね (budsek)
2017-09-21 16:55:38
すうちん様

週末、今年の最後と思い行って参りましたが、悪天候に祟られ、特に日曜は強雨で散々な目にあいました。ホテルの人は、今年は特に天気が悪いと言ってましたが、何とも残念であります。それでもドライでグレーリング、ニンフで虹鱒が相手をしてくれました。

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