思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

英国の古い毛針用鈎

2016-11-20 15:03:09 | 毛針/Flies
2016年の毛針釣りシーズンも欧州では既に終わり、それでも釣りをしようと思ったら、フランスの管理釣り場に行くくらいしかありません。そこで釣行とは関係ない話を一つ取り上げることになりますが、先日、英国から古い毛針用の鈎のコレクションを入手致しました。
売り手の話では、ひいお爺さんの集めた鈎というもので、古い鈎は100年以上という説明でした。

この古い紙箱の中に、

如何にも昔風な紙の包装に包まれたアップアイ鈎、ダウンアイ鈎がギッシリ入っております。

私の好きなアップアイ鈎を数点ピックアップしてもこの通り。各紙包装の中には50本からの鈎が入っております。

ここで、伝統的な毛針鈎の形状について、確認です。今日本及び世界で作られている鈎の形と伝統的な鈎の形は多少違っております。上のラウンド、スプロートは今でも多く作られ、広く入手可能な鈎ですが、リマリックはサワダあたりで入手可能な程度、また、スネックは世界中で今作っているメーカーはもう無いだろう、という感じと思います。ところが、伝統的な英国の毛針にはスネックに巻かれたもの(例えばスキューズニンフ)、スネッキー・リマリックに巻かれたもの、等があり、どうでも良いかも知れませんが、伝統を再現しようとするとどうしても古い鈎を世界中から探し出さなければならないのです。

これは今回入手の鈎の中でも希少性では格上のスネックのアップアイ鈎の0番です。この0番は今の規格では15番程度と言われておりますが、どうもそれよりも小さく16番程度と思います。

形状が四角四面なので、シャンクが長く見えますが、ノーマルフックでしょう。

アップアイ・スネックには2番(13番)もあります。

並べてみるとこの通り。ベントは上から見て左側に鈎先が曲がっており、カーブド・ベントです。

左は1番のスネッキー・リマリック・アップアイ鈎。右のスネック鈎と比べると形状の違いが良くわかります。

15番のワイドゲイプ鈎。これはアルバート・パートリッヂ・ワイドゲイプ鈎と同じ形状です。

さて、この古いハッチンソン鈎。これは今ではとても稀少な鈎ですが、昔の英国の老舗の鈎です。0番となっておりますが、17番程度ではないかと思われる程小さい鈎。スネックで英国の伝統的なドレッシングを施すととても似合いそうです。

上記鈎のズームアップです。

今回入手した鈎はアップアイだけではありません。ダウンアイも沢山あります。

これはダウンアイのスネッキー・リマリック鈎。

ダウンアイのスネック鈎もあります。これは12番のもの。

太軸のブロンズで、丈夫そうなスネック鈎が多数入っております。

ズームアップするとこの通り。

ダウンアイ・トラウトとのみ書いてある鈎は、

今でも入手出来る鈎と殆ど変わりませんが、ブロンズで軸が太めなのが違いでしょうか。

今回入手の鈎にオールド・イングリッシュ・ゲームのハックル、ゴッサマー・シルク、スターリングのプライマリークイルを巻き込んで(出来映えはともかく)スタイルのある鈎を巻くことが出来ると思うとまた一つ心が豊かになります。でも、これから来春迄の長い間、鈎を巻く時間は十二分にあると思っていると、あっという間に来シーズンに突入するので、老眼に鞭打って気合いを入れて毛針を巻かなければ、と決意を新たに致しました。
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