思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Pezon et Michel Sawyer Nymph 8'10'' (1975年製)

2017-02-26 14:39:42 | Fishing Tackles

また新しい竿がチュニジアにやって来ました。ペゾン・エ・ミシェルのソーヤー・ニンフ8''10'です。
ペゾン・エ・ミシェル(仏語発音はペゾン・エト・ミッチェルではありませんので念のため)の竿は英国で流行し、FarlowsやSharpe'sがブランク供給を受けて英国内製造・販売をするなどしたためか、大陸欧州以外でも英国内で結構出物があるのですが、この竿もその一つ。英国某所で退蔵されていたものを入手したものです。

どう見ても新品にしか思えない竿でフェルールもキツく、竿自体も張りと固さがあり全然使いこなされていないのが感じられます。

ハーディーの60年代前半までの竿と違い、トップリングは瑪瑙等が入っていないもの。1950年代に登場したプラスチックラインの使用を前提に設計された竿である事が判ります。

ペゾンの竿はPPPシリーズがスタッガード(トップとバット・セクションの長さが違う)デザインになっている等特徴がありますが、この竿の特徴はグリップとバット、トップの3セクションに分かれている事です。

グリップ側は雌フェルールになっておりますが、バット側の雄フェルールにはポッチが出ており、グリップ側の切れ込みに合わせれば使用中にズレる事がありません。しかしながらこの竿は未だ新しいからか、奥までフェルールを押し込めないので未だその機能を使えません。

インスクリプションは8'10''、#5/6となっており、AFTM 5〜6番を使うSawyer Nymph Mark IIです。

ここで気づいたのですが、この竿はNymphと書いてあり、仏語のNympheではありません。最初から英国向けの前提で英語のネーミングとなったのでしょうか?

ここで製造番号を見てみます。そこには724581057と9桁の数字が並んでおります。

ペゾンの竿はハーディーの竿の様にきちんと製造年を遡る事の出来る製造番号システムを持っていないのでやっかいですが、1970年代の竿の場合は、最初と最後の数字が製造年を示し(この場合は77:77年製)、左から2番目〜4番目の3桁の数字がモデルコード(この場合は245:これはSawyer Nymph Mark Iのモデルコード)、左から5番目〜7番目の3桁の数字が竿の長さ(この場合は810:8'10'')を示すという情報はあり、この竿の製造番号も大凡それで説明可能なのですが、左から8番目の数字5が一体なにを表すのか(1977年中5番目に作られたSawyer Nymph竿という意味か?)また、本竿はAFTM 5〜6番のライン用のMark II (モデルコードは243)なのに何故Mark Iのモデルコードなのか、判然としません。

(追記)
本記事にコメントを頂いたスナフキン様の情報と他のサイトの情報より、724581057は、製造年:Y、製造月:M、モデルコード:C、竿の長さ:L、とした場合、YCCCLLLYMとなり、1975年7月製造のモデルコード245、竿の長さ8'10''の竿というように理解致します(2017年3月5日)。スナフキン様ありがとうございました。


これは日本で山一マークと呼ばれるもの。これは山ではなくひっくり返してTと読み、仏語のTruiteの頭文字を示し、一というのは只の線で、そこからグリップまでの長さ23cm。つまり当時のフランスに於ける鱒の体長制限を示すものです。

バットリングはハーディーとは違い瑪瑙は入っておらず安価かつシンプルな仕様です。

さて、この竿のリールフットですがこれがちと厄介です。

バットエンドにキャップがあり、それをリングで締めるという特段特徴のないものですが、

手持ちのリールですと、1980年代のパーフェクトしか入らないのです。

それも先っぽが一寸だけ入るという程度。

このSawyer Nymph竿は英国のニンフ釣りの革新者Frank Sawyerの名前を冠したもので、Sawyerスタイルのニンフ釣りのために開発されたような印象を与えておりますが、実際のところはさにあらず、元々ウェットフライ釣り用に開発・販売されていたものをSawyerの名前を使ってリネームし、マーケティングしたというのが真相。そのため、アクションは胴調子。但し、トップセクションのみを振り方により曲げる事も可能で先日ご紹介したHardy Marvel 7'6''の1953年製の竿と似たアクションに感じます。

更にこの竿はまだ『新品』という感じで張りと固さがありますので、ドライフライにも十分使用出来そうです。グリップ分離式のお陰でチュニスエアの機内に持ち込める8フィート二本継用のロッドケースに入るので、ノルマンディーのRisle(リール川)、それと勿論オーストリアの川でこれからドライ、ウェット、ニンフと万能に使えそうで、とても楽しみです。
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Hardy Palakona Fairy 9' E41354 (1937年製)

2017-02-05 18:59:57 | Hardy Palakona
鱒釣りとは遠く離れたチュニジア。ですが、竿はだんだんと増えていきます。
Hardy Fairy 9'を落札する気が殆どないにも拘らず、適当な金額で入札だけしてみたら、落札してしまいました。チュニジアに直送は、問題の多い当地税関で確実にストップされて、その後どうなるか分からないので、確実な第三国に送付してもらい、そこに立ち寄った際に持ち帰るというちょっと面倒なステップを経て、この竿は昨年当地にやって参りました。
Fairyはあの「老人と海」でカジキマグロと老人の死闘を描いたアーネスト・ヘミングウェイの愛竿だった事でも有名な竿。ヘミングウェイは元々フライフィッシャーで、ロンドンに立ち寄った際、ハーディーでFairyを買い求め、それでアメリカを釣り歩いたのですが、以前読んだ話では、愛竿等一式を列車で送ったところ紛失してしまい、それでフライフィッシングを一切止めてしまったとありました。
ところが、この記事を書くに当たりネットを見回してみたところ、フライフィッシングを止めてしまった後、息子とアイダホで一回フライフィッシングをしたそうで、その際にFairyとJ.J.Hardyを使ったと息子が言っているとありました。
ヘミングウェイはFairyにウェットフライを三本付けた仕掛けて釣りを楽しんだそうです。

さて、そのFairy。三本継でトップセクションは二本。曲がりも反りもなく、今年で80歳になるとは思えない状態です。

緑の段巻きが施され、グリップは戦前の竿の特徴である先細り。

トップとバットのリングにはシルクライン使用を前提に瑪瑙が填められております。

光の関係で見えないですが、製造番号E41354がプリンスオブウェールズの紋章の横に刻印されております。

ちょっと長めのリールフットをもった1912年チェックのPerfect 3 3/8リールもちゃんと装着出来る設計です。

銘は戦前の手書きです。

上にFairyと書いてあるのが判ります。

先端部です。

トップのリングの瑪瑙のアップです。

その他のリングはフルオープンブリッジ。ザラザラのシルクラインが竹竿に触れないように設計されたものです。

フェルールは低コストのサクションジョイントです。

こちらは雄ジョイント。

リールフットはグリップ下のハウジングと二つのパーツより構成される可変式のリールホルダーで固定します。
同じ9'でも、手持ちのCC de Franceよりも強い竿ですので、強風が吹くノルマンディーで使うのに良いかも知れません。また、オーストリアの河川でも活躍する事でしょう。

これは、Frank Elder氏のハックル。1月で父君の残されたオールドイングリッシュゲームコック(OEG)のハックルの販売を止めるので興味があるなら発注して欲しいと娘さんからメイルを頂き、ダン系を中心に最後の発注をしたものです。これまでのコレクションと合わせこれで一生OEGのハックルに困る事は無いでしょうが、残念な事であります。
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Hardy Marvel 7'6'' (E87715 1953年製)

2017-01-15 12:51:30 | Hardy Palakona
チュニスの拙宅に新しいHardy Marvel 7'6''が加わりました。
製造番号E87715、1953年製のMarvelです。

3ピース、2トップ。グリップはオールコルクがMarvelの仕様。

コルクは洗ったのか汚れが付いておりません。

導入当時からMarvelには段巻きはありません。1960年代半ばまで段巻きされたタイプがHardyの竿の主流でした。

製造番号はリールを固定するリングに刻印されております。

雄フェルールは接着されただけ。ピンで固定されておりません。

トップとバットのリングには瑪瑙があしらわれております。ザラザラのシルクラインを使う前提での仕様。

グリップ上の銘はRegd Trade Mark Palakona The 'Marvel' と50年代までのチマチマした字体で記入されております。

これで、チュニスの拙宅のMarvelは3本になりました。上から夫々、E49054、1938年製、E87715、1953年製、E/S、1967年5月製の竿になります。計測機器がないのであくまで感覚的な比較ですが、3本の中で1938年製が一番軽く、1953年製、1967年製は重さに差を感じません。
アクションは、全てがミドルセクションから曲がる胴調子ですが、1953年製の竿は振り方によりトップを他の2竿よりも曲げる事が可能で、繊細なティップを持っているように見受けます。日本の渓流で近距離に毛針を早いテンポで打ち込むような釣りにも合っているかも知れません。
また、1938年製、1953年製の竿ではミドルセクションがどうも他セクションに比較し固くて重い感じがします。胴調子で一番負荷がかかるミドルセクションに特別密度の高い竹を使ったのでしょうか。私は所有しておりませんが、昔読んだ話でHardy White Wickam Fairchild (8' 3pcs、1925年〜1939年製造)のミドルセクションにはスチールセンターが入っているとありました。Marvelも同じ1925年に導入されておりますが、胴調子の竿で一番負荷がかかるミドルセクションを強くするための方策がWhite Wickam Fairchildのスチールセンターであり、Marvelは密度の高い竹の使用だったのかも知れません。

グリップ側の写真。よく見て頂けるとお判りになると思いますが、1953年製と1967年製の竿ではリングの位置がほぼ同一であるのに対し、1938年製のものはリングの位置が違っております。それもその筈、1938年製のMarvelのリング数が8に対し、1953年製、1967年製の竿は9つのリングとなっております。1920〜1930年代のHardyの竹竿はリングの数が後年の竿よりも全般に少なくなっておりますが、Marvelでも同様のデザインの違いが見られます。

トップ側の写真。

1938年製のミドルセクションの雄フェルールを見て頂くと、フェルールにピンが打ち込まれているのが見て取れます。戦前の接着剤の性能は限られていたため、フェルールを接着した後、ピンを打ち込んで抜けなくしてあるのです。

1953年製のものにはピンは既に打ち込まれておりません。

1967年製のものも同様。接着剤の性能に対する信頼・自信の現れです。但し、戦後の竿であってもフェルールが外れたりする事がありますので、何事も過信は禁物と言ったところでしょうか。

30年代、50年代、60年代夫々のMarvelの勇姿。オーストリア・ドイツの山岳渓流の釣りが可能になる6月が楽しみです。
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英国の古い毛針用鈎

2016-11-20 15:03:09 | 毛針/Flies
2016年の毛針釣りシーズンも欧州では既に終わり、それでも釣りをしようと思ったら、フランスの管理釣り場に行くくらいしかありません。そこで釣行とは関係ない話を一つ取り上げることになりますが、先日、英国から古い毛針用の鈎のコレクションを入手致しました。
売り手の話では、ひいお爺さんの集めた鈎というもので、古い鈎は100年以上という説明でした。

この古い紙箱の中に、

如何にも昔風な紙の包装に包まれたアップアイ鈎、ダウンアイ鈎がギッシリ入っております。

私の好きなアップアイ鈎を数点ピックアップしてもこの通り。各紙包装の中には50本からの鈎が入っております。

ここで、伝統的な毛針鈎の形状について、確認です。今日本及び世界で作られている鈎の形と伝統的な鈎の形は多少違っております。上のラウンド、スプロートは今でも多く作られ、広く入手可能な鈎ですが、リマリックはサワダあたりで入手可能な程度、また、スネックは世界中で今作っているメーカーはもう無いだろう、という感じと思います。ところが、伝統的な英国の毛針にはスネックに巻かれたもの(例えばスキューズニンフ)、スネッキー・リマリックに巻かれたもの、等があり、どうでも良いかも知れませんが、伝統を再現しようとするとどうしても古い鈎を世界中から探し出さなければならないのです。

これは今回入手の鈎の中でも希少性では格上のスネックのアップアイ鈎の0番です。この0番は今の規格では15番程度と言われておりますが、どうもそれよりも小さく16番程度と思います。

形状が四角四面なので、シャンクが長く見えますが、ノーマルフックでしょう。

アップアイ・スネックには2番(13番)もあります。

並べてみるとこの通り。ベントは上から見て左側に鈎先が曲がっており、カーブド・ベントです。

左は1番のスネッキー・リマリック・アップアイ鈎。右のスネック鈎と比べると形状の違いが良くわかります。

15番のワイドゲイプ鈎。これはアルバート・パートリッヂ・ワイドゲイプ鈎と同じ形状です。

さて、この古いハッチンソン鈎。これは今ではとても稀少な鈎ですが、昔の英国の老舗の鈎です。0番となっておりますが、17番程度ではないかと思われる程小さい鈎。スネックで英国の伝統的なドレッシングを施すととても似合いそうです。

上記鈎のズームアップです。

今回入手した鈎はアップアイだけではありません。ダウンアイも沢山あります。

これはダウンアイのスネッキー・リマリック鈎。

ダウンアイのスネック鈎もあります。これは12番のもの。

太軸のブロンズで、丈夫そうなスネック鈎が多数入っております。

ズームアップするとこの通り。

ダウンアイ・トラウトとのみ書いてある鈎は、

今でも入手出来る鈎と殆ど変わりませんが、ブロンズで軸が太めなのが違いでしょうか。

今回入手の鈎にオールド・イングリッシュ・ゲームのハックル、ゴッサマー・シルク、スターリングのプライマリークイルを巻き込んで(出来映えはともかく)スタイルのある鈎を巻くことが出来ると思うとまた一つ心が豊かになります。でも、これから来春迄の長い間、鈎を巻く時間は十二分にあると思っていると、あっという間に来シーズンに突入するので、老眼に鞭打って気合いを入れて毛針を巻かなければ、と決意を新たに致しました。
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ドライフライでのグレイリング釣り(9月11日Mur川)

2016-09-21 13:43:53 | 釣行記/Fishing Trips

ラマダン明けの休日を使って行った7月初めのMur川釣行では、16番のパートリッジのアップアイドライフライ鈎に結んだドライフライにグレイリングがライズしてくれました。グレイリングのドライフライ釣りはフィーディングレーンを外さずに毛針を流す事、毛針先行で先糸を魚に見せない様に流す事と、鱒を釣るよりも気を使う点が多いのですが、流れが緩やかな川で深い川底からグレイリングが水面にスーっと上昇して来て毛針を咥えた瞬間の達成感は中々に心を引きつけて放さないものがあります。グレイリングは必ず水底に定位しているのでこういう光景になるのですが、シャルル・リッツが鱒よりもグレイリング釣りの方が好きだったというのも、一度体験すれば良くわかる気が致します。

9月11日(日)の朝は多少の靄はありますが、晴れ。まずまずの釣り日和です。

ホテルに隣接するMurauer Bier (ムーラウアー・ビアー)の工場建物。ビールを貯蔵するタンクが見えます。

昨日は60歳なのに未だ固さの取れないPerfection 8'で小型毛針にかかったグレイリングを結構釣り落としたので、1938年製のHardy Marvel 7'6''を使います。これは胴調子の竿で大きな魚がかかっても竿全体が曲がって魚の力を吸収してしまうため、バラシが殆ど無い竿です。それに昨日使ったSt. George JuniorとKaizerシルクラインの2番(AFTM 4-5)を合わせます。

いつも入っているのは、Bodendorf漁区の最上流のWandritsch橋(バンドリッチュ・ブリュッケ)の下流100m以内のところですが、そこから数百メートル下流に石の州があり、淵もありましたので、今日はそちらに行ってみました。上の写真は上流のWandritsch橋の方を見たもの。川幅は70m程度に広がり後ろを全く気にせずに毛針を投げられます。

そして、緑の淵の上流には早瀬があります。まずはそこに毛針を流してみます。

すると、第一投から早瀬を流れるOrange Quill 16番に魚がライズ。アワセをくれるとちゃんとのりました。7'6''のMarvelの穂先はグイーんと曲がりミドルセクションも曲がりますが、お陰で例外無くジャンプするここMur川のグレイリングの抵抗も軽くいなしてSharpeのタモに最初のグレイリングが収まりました。最初から30cm超の尺越えサイズです。

その後も尺越えサイズのグレイリングが16番の毛針を次々に攻撃し、78歳のお爺さん(お婆さん?)のMarvelの粘り腰の前に屈服しテレスコピック・タモに誘導されて行きます。

上は本日最大のグレイリング、38cmのものです。他の獲物が早瀬から出たのに対し、この魚は毛針が早瀬を流れきるところで、淵から浮かび上がり毛針を咥えたもの。毛針を咥える前に魚の姿が見えるので興奮しました。

下流の早瀬で尺以上を11匹釣りもうお腹いっぱい。そこで、より流れが緩やかで水深もある橋の近くの区間に戻り水底に潜むグレイリングと対戦する事にしました。後ろのスペースが限定されるので、7'6''のMarvelでは多少厳しいものがありますが、16番の鈎に魚を掛けた後の事を考えると弾力のあるMarvelが一番信頼出来る竿でした。

そこで何投か、川の中心部に小さな毛針を送り込みます。私の下手な腕前ではなかなかグレイリングのお気に召すように毛針を流す事が出来なかったのですが、偶々それがうまく行ったのでしょうか、水底からグレイリングがスーっと上昇してきて毛針を咥えました。その光景による興奮を抑えつつ、アワセをくれるとMarvelの穂先はギュイーンと曲がりバットセクションまで曲がりシルクラインがジーっっと引き出されます。これがこの釣りの醍醐味。グレイリングのジャンプをMarvelの穂先はいなし、決して糸のテンションがなくなる事はありません。さすがの好敵手も徐々に疲れをみせ、何回か抵抗したものの、最後はテレスコピック・タモに収まったのでした。35cmの奇麗なグレイリングでした。

疲れたグレイリングを水中で休ませ、自力で泳げる様になるまで支えてやります。水に入ると陸では銀ピカ魚が茶緑紫の表現しにくい色に変わるのが本当に不思議です。
日本でもグレイリングがいると面白いかもとは思いますが、やはり生態系を考えると無理な話です。せいぜい楽しめる限りオーストリアで楽しみましょう。

グレイリング釣りの後は作り立ての美味しいビール。Murauer Bierは黒ビール(Dunkles)も醸造しております。スッキリしたピルスナータイプとは違ったコシと旨味のある味。

そして、豚肉に餓えた北アフリカ在住者は豚肉料理を頼んだのでした。釣りに疲れたオジサンに豚肉の滋味が染み通ります。
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Hardy Perfection 8' (H8361 1956年製)

2016-09-17 14:53:11 | Hardy Palakona
竹竿はもう要らないのですが、先日また入手してしまいました。
英国出張時、ホテルに届いたそれはHardy Perfection 8', 製造番号H8361、1956年製のパラコナ竿です。

PerfectionはHardyの竹竿の代表選手。2本継の竿で11フィートまでラインアップされておりましたが、8フィートはその中で一番短いモデルとなります。入手した竿はアルミ製のスピアが仕込まれた特注品です。ところが、このスピア、60年の年のせいか、固まってしまっており抜けません。

トップリング含めたリングの総数は8個。

比較のため、製造番号H16943、1958年製のPerfection 9'と並べてみます。

9'のものは2年若いのですが、良く使い込まれているので、グリップも8'に比較し痩せて色がついており、アクションも8'よりもしなやかな感じがします。逆に言えば8'は未だ未だ使い込まれていない発展途上の竿のように感じます。

9'は1フィート長いだけですが、リングの数は10個と8'に比べ2個も多くなっております。トップセクションのリングは9'が7個に対し、8'は6個、バットセクションが9'は3個に対し8'は2個。所謂ストリッピングガイドとグリップの間隔は9'が33.7cmに対し8'は45.6cmもあり、ホールをかけてシュートするような投げ方により適しております。

8'の調子はやはりPerfectionシリーズの調子。太いトップですが、7・3調子という感じでトップが粘り強さを感じさせつつも(もったり感?)曲がり、更に力を加えると徐々に胴の方まで曲がってくるものの、Gold Medal程には胴調子ではないアクションです。
9'は長年使い込んできた竿で投げるに良し、魚もブラウントラウト、虹鱒、グレイリング、アルプスイワナ、山女魚、岩魚、その他の魚とこれまでどんな魚でも安心して取り込んできた竿ですので、8'もそういうものと思ってました。



それで、イスラム教の宗教祭日犠牲祭の連休を使ってオーストリアのMur川にドライフライでのグレイリング釣りに行った際、一番最初に使う事にしました。車はオペルのコルサ。

Kaizerの2番(AFTM 5程度)をSt. George Juniorに巻き込んでPerfection 8'を使い、Mur川の流れが多少緩く水深がある川の中心部に16番のドライフライOrange Quillを浮かべると、グレイリングが水底からスーっと上がってきて毛針をゆっくりと咥えます。
やった!と合わせて、St. George Juniorの逆転音を聞き、Perfectionの竿先がギュギュと曲げられるのを楽しんだのですが、グレイリングのジャンプとノシで、途中で毛針が外れてしまいました。
それを合計4回も繰り返してしまい、ちょっとこのPerfectionは愛用の9'に比べて固いなと思わされてしまいました。
写真は漸く取り込めたドライフライでかけた5匹目のグレイリング。60歳でも未だ未だ若いPerfectionをこれからもっと使い込んで固さをほぐしてやりましょう。
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Sharpe's of Aberdeen Telescopic Folding Net

2016-09-04 18:03:51 | Fishing Tackles
これまで、数知れずこのブログに登場してきながら、愛用のテレスコピックタモを全く紹介しておりませんでした。
Sharpe's of Aberdeen製のtelescopic folding net ''Seaforth''です。

これはViscount Grey 10'6''で釣ったブラウントラウト46cm。相棒のネットは伸ばされております。

このネット、ネット部分を広げずに畳んだままですと54cmの長さ。

ネット部分は金属製のアーム2つとそのアームの間に取り付けられた太い合成繊維製のロープ、そして網よりなります。

金属製のアームを広げるアームとロープが三角形を作り、ネットとして使える様になります。

肝心の金属製アームを広げてかつ固定する機構はシンプル。

アームを向かって上方に起こしていって、

斜めに切り込まれたところまでアームを起こしてあげるとそれ以上は動きません。

そこをバネ仕掛けのキャップで覆えばしっかり固定されます。

また、取手にはフックがついているので、釣りバックの金属リングにフックをかけると、右肩から左腰に斜めに釣りバックをしょいながらネットも同時に持ち運び可能です。日本の渓流溯行には向きませんが、忍野のように川岸が高い川、英仏のチョークストリームでは重宝します。

上の写真は2005年にEtrachseeで尺上のアルプスイワナをKiller Bugで釣った際のもので、曲がっているのは1967年製のPalakona Perfection 9'です。これで見て取れる様に竹竿で魚を上げる際、ティップ部分を労るためにはテニスラケット型よりもテレスコピックが有利なのは明らかでしょう。
このSeaforthは伸ばさなければ88cmのネットとして使えますし、最大限に伸ばせば129cmのネットになります。私が買ったのは1997年。John Norrisの通販でした。来年で20年選手となりますが、多少くたびれてはいてもこれからも全然問題なく使えると思います。
但し、Sharpe'sはこのFoldingバージョンの生産を止めてしまったようで、今の製品ラインアップにはもう入っておりません。私の愛用品は何故か製造中止になってしまう確率が高いようで残念です。
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ハックルカラーの分類について

2016-08-21 17:44:20 | ハックル/Hackles


今の日本ではハックルの色の呼び方にルールが無いようです。日本の釣り雑誌を読まなくなったのは前世紀ですが、偶々最近日本の釣り雑誌を見る機会があったところ、米国のジェネティックハックルメーカーの商品名の付け方をそのまま使ってハックルの色としていたり、茶色を「ブラウン」と呼んで解説しているのに出会いました。
色の呼び方などはどうでも良い些細なものなのでしょうが、問題は先人が残したレシピの通りに毛針を巻こうと思う時。例えばTup's indispensable(タップス・インディスペンサブル)のハックルは金色がまばらに乗ったblue dunとなってます。じゃあblue dunって何色なのか?これが明確に定義され釣り人に共有されていないと先人が意図した毛針の姿が判らない訳です。今の日本では夫々の釣り人が自分の「スペシャル」を巻いているようですので、70年代辺りまで蓄積されて来た先人達の毛針への関心がないのかも知れません。それでその昔作り上げられたハックルの色の定義と分類にも関心が向かないのでしょう。。。また、日本で入手出来るのは、昔のメッツ、キーオ、ホフマンから始まって今のホワイティングに至る米国ハックルとチャイニーズ、インディアンのハックルまでですので、英国を発祥とするハックルの色を見る機会がないこともハックルの色の定義・分類が普及するための障害になっているのかも知れません。

悲しいので下記のハックル色の分類を載せさせて頂きます。



上記分類中、米国のジェネティックハックルで残念ながら未だ目にかかった事のない色にブルー・ダンがあります。



上の左はホワイティングのMedium Dun (ミディアム・ダン)という色のハックル。このハックルはファイバーが金色に光りフェザントテイルをボディに巻いたドライフライに良く合いそうですが、右のOld English Game Cock (オールド・イングリッシュ・ゲーム・コック:英国で19世紀まで盛んに飼育された闘鶏)のブルー・ダンが持つ青色は有りません。

但し、この青色はOEGでもかなり珍しい色であり、ここ迄青色が濃いハックルはそうはありません。そこで鋼鉄を感じさせるメタリックな色のものもブルー・ダンとして分類されております。



上のハックルのリスト部分を見て頂けるとメタリックな色が見てとれると思います。



上の右側は、相模大野のバートンさんに入荷したチャイニーズケープの写真を見て、ハニー・ダンの可能性があると思い購入したものですが、リストの色が左のOEGの色と多少違っているのがお判りでしょうか。



これがチャイニーズケープのハックル。リストの色はメタリック色というよりも薄い茶色かかったブラックとでも言う様な色です。





チャイニーズケープのリストの色に対し、OEGのハックルは茶色・黒の影が入らない色になっております。このハックルのリストはpale blue dunですので、このハックル自体はpale honey dunという分類となります。



上の写真の左側はブルーが強くハックルファイバーはレッド(茶色)と言えるMedium honey dun with dark honey tipのハックルのケープ。右はホワイティングのジェネティッックケープでリストがクリーム色のもの。これもhoney dunにならないかと思って購入したものですが、どうしてもジェネティックハックルでブルーあるいはメタリックな色のリストを持つものがなく、honey dunとして使うのは無理と諦めたものです。

日本の毛針釣り雑誌も商売でやっているので、ハックル色の定義などは無意味、あるいは、米国ハックルの独自表記との関係で商売上有害なのかも知れませんが、少なくても毛針釣りの先人が作り上げて来た文化の一つですので、今後に期待したいところです。
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スペインの毛針(Mosca Ahogata)を求めて

2016-07-15 18:54:02 | 毛針/Flies
ラマダン中の6月末、スペインはカタルーニャのバルセロナへ行ってまいりました。
チュニスから実質飛行時間1時間ちょっととお手軽に行けるのです。

バルセロナ観光の定番、ガウディのサクラダ・ファミリア、

旧港のコロンブス記念塔、等観光スポットも回りましたが、今から19年前に来た際、買い求めたスペインの毛針をもう一度買いたいと思い釣具店を探しました。

どちらも海から直ぐの場所でしたが、フライフィッシングの専門店と一般の釣具店を見つけ、スペインならではの品物を購入しました。

これはMosca Ahogata。スペインの毛針です。レオン鶏の背中の羽を毟ったハックルを薄く巻いた毛針。

基本はボディの色の違いでアクセントを付けているようです。この毛針はハックルもレオン鶏のものではありませんが。

色とりどりのボディに糸で縞模様を付けております。

この毛針、透明な浮きを錘に複数個を付けてスピニングで釣るのがスペイン流のようです。Youtubeにその模様がありますのでご覧下さい:
https://www.youtube.com/watch?v=1U8MG6bSvNo
フライフィッシング専門店の方には車で3時間程度で行けるピレネー山脈を中心にした鱒釣りガイドのパンフレットが置いてありました。バルセロナからの釣り旅も面白そうです。

また、フライフィッシング専門店ではレオン鶏の羽を購入致しました。

これがフライフィッシング専門店。店内にはハーディーの古いパラコナが展示されておりました。

このお店がMosca Ahogataを購入した一般の釣具店。お店のご主人はMosca Ahogataはカタルーニャの毛針ではなくて、スペインの毛針だと力説されておりました。それでもお店には沢山Mosca Ahogataが置いてあったので、カタルーニャでもこれを使って釣りをする方が多いのでしょう。
今から19年前にどのお店でMosca Ahogataを購入したのか全く覚えておりません。ひょっとしたら、上のお店かも知れませんが、どうも違う気が致します。
尚、Mosca Ahogataは先々週のMur川でも使ってみましたが、川のコンディションが悪かったせいか何も釣る事が出来ませんでした。
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Mur川釣行(2016年7月7日)

2016-07-08 20:15:45 | 釣行記/Fishing Trips
渓流のグランドスラムの翌日7月7日は今回釣行の最終日。どんなに遅くとも14:00にはMurauを出発しなければなりません。
前日雨が降らなかったので、ドライフライ釣りに期待し、再度Mur川に向かいました。
川は水量が相変わらず多いものの、昨日に比べ濁りは大分無くなり期待が高まります。
時は朝10時頃。すると下流の方から汽車の音が聞こえてきました。





昨年秋にも遭遇した観光汽車です。小さなものですが、客車を引っ張り結構軽快に走っていきます。

昨日と同じ緩やかな場所で早速ドライフライを試してみますが、最初に虹鱒らしき魚がライズしたのを掛けそこねた後が全く続きません。時間も限られているため、また金玉ハーズイヤーを結び、流れの緩い場所より上流側で岸近くの流れに投入しました。上の写真の一番上流の岸近くの石の側あたりです。
すると。。。暫くしてリーダーがツッと水中に引き込まれ、反射的に合わせると竿先がグッと曲がり重い手応えが返ってきました。一瞬根がかりかとも思いましたが、その根は動き出します。今日の竿は1960年代のHardy Marvel 7'6''。30cm未満の鱒でもミドルから満月になる竿ですが、その竿がバットまで曲がり満月になります。
流石にMur川の重い流れに入り込まれたらこの魚では取り込み不能かと思い、兎に角魚を流れの緩やかなところに留めるように誘導し急いで糸をリールに巻きリールを使ってやり取りする体勢に入りました。
幸いにも魚はジャンプは余りせず水中での引っ張りっこに注力しておりました。ジャップした際に見えたのは茶色の魚。ブラウントラウトです。虹鱒と違いファイトは多少楽。そこでMarvelに余分な負荷をかけないように気を使いながら慎重にやり取りし、持参のSharpe'sのテレスコピックタモに何とか誘導し取り込みました。

魚はまるまる太って重いブラウントラウト。毛針を外し体長を計ると、豈図らんや、39cmと40cmには届きませんでした。

それでも最終日に大きな魚を釣ることが出来て幸せです。
魚を緩やかな部分で水に戻してやると、暫く姿が見えてましたが、スッと深い水底に帰って行きました。

これで昨日に続いて釣った場所から下流に移動します。そこは小砂利の川底で昨年グレイリングをドライフライで釣った場所。水量は多いのですが、濁りが取れて来ていたのでドライに期待し、16番のオレンジクイルを結びました。ハックルはハニー・ダン、ボディはグレイリングが好きそうな色という基準で決めたものです。

こちら側の岸の上には高い草と木が生えておりますので、川の半分近くまでMarvelで毛針を運ぶのは容易ではありません。しかし何とかかんとか川の真ん中までは届きませんでしたが15ヤード超くらいを投げて毛針を流すと魚が水中から浮き上がり毛針を咥えました。
グレイリング!しっかり鈎にかけやり取りします。糸をすっかり巻き込み、リールでやり取りしながら、満月のMarvelを撮影しようとカメラに手を伸ばしたところ。。。急にフッと竿先が上がり、軽くなってしまいました。痛恨のバラシ。カメラなんぞと邪心を抱いた結果です。

その後暫く時間をおき、オレンジ・クイルを新しく結び直し、再度川に毛針を置くと、また水中から魚が舞い上がり毛針を咥えました。
グレイリングです。ジャンプしますが、今回は慎重に糸の張りを失わないようにしながら、テレスコピックタモで魚を確保しました。

グレイリングは水中から出して撮影すると銀色にしか見えないのですが、水中に入れるとなんとも言えない地味ながらもちらっと極彩色も見えるという不思議な色をしております。魚を流れに戻した後はグレイリングの残り香、胡瓜或はスイカとでもいうような匂いが手に残りました。
実釣一日半でしたが、楽しめた釣りになりました。Murauにいつもながら感謝です。
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