職場近所にありながら、ずっと「宿題店」だったお店がこちらの「一龍」です。いかにも「昭和レトロ」なお店で、若い人が入ることはまずなさそうなお店です。千葉競輪場のすぐ近くとあって、競輪ファンの人のための「食堂」というイメージもあります。僕自身、何度もこのお店の前を通りながらも、ずっとスルーしていました。
が、今日、ここのラーメンを食べて、そんな自分が本当に嫌になりました。このお店、れっきとしたラーメン専門店。しかも、創業44年の超老舗店。店主さんは昭和11年生まれ。おじいちゃんですよね。76歳、現役の店主さんでした。奥様も僕の父より年上。今の若い学生たちのおじいちゃんおばあちゃん世代でしょう。ずっとお二人で現役としてラーメン屋さんをやっているお店だったのです。
聞けば、店主さんは若い頃、世田谷のラーメン屋さんで修業されたんだそうです。その味を今も出し続けている、とのことでした。つまりは、40年以上前の都内のラーメンの味が、このお店で再現されているんです。残念ながら、そのお店の名前は聞けませんでしたが、ラーメン店であることは間違いないそうです。
メニューをみると、本当にラーメンが中心で、チャーハン等もありますが、立派なラーメン専門店でした。まずはデフォのラーメンを食べないわけにはいかないでしょう。野菜と玉子の入った一龍ラーメンも気になります。
さて、ラーメン。これまた、一目見ただけで、このラーメンが「ホンモノ」だということに気づかされます。美しいんです。これぞ、かつての東京ラーメン!といいたくなるヴィジュアルのラーメンでした。
スープは、甘味の強いあっさりとした醤油ラーメン。生姜の味もややしますが、近所のい志い食堂ほどではありませんでした。鶏と豚のスープで、シンプルながらも、深みのある味わいで、思わずうっとり。化学調味料も結構入っていると思います。そういうラーメンでした。「昔ながらのコンセプト」というよりは、昔のラーメンそのものという感じでしたかね。しかも、それが「美味しい」んですから、もう参ります。
チャーシューはちっちゃいです。わかめが入っていて、それがまたこのスープに合っていました。メンマもオーソドックスなもの。シンプルであり、でも、これぞ「ラーメン」といえるようなトッピングでした。
麺は、こちらのお客さんに合わせて、柔らかいものでした。今のラーメン好きの人には柔らかすぎるかな。でも、これもまたかつての固さだと思えば、これで食べたいものです。
多分、ラーメン通の人や普通のラーメン好きの人からしたら、「なんじゃこりゃ!?」ってなるかと思います。が、僕は、このラーメンこそ、今食べるべき一杯なんじゃないかなって心底思います。ラーメンの原風景というかなんというか。ただのレトロフリークという意味ではなくて、これが「昔のジャンクなラーメン」なんだ、という意味で。何千杯ものラーメンを食べてきて、ようやく「わかるようになった」といってもいいかもしれない。だから、普通の人には、「なんじゃこりゃ?」、でいいとも思います。でも、食べてもらいたい。これが、44年の歴史を背負ったラーメンなんだ、と。
だいたい44年も続くラーメン屋さんが、この界隈にどれだけあるでしょうか?! 続いたということだけでも、凄いことです。こういうお店に出会うたびに、自分はまだまだ何もわかっていない、と思わされるんです。そこがまた、とても大きな喜びになるのです。
是非、「今」、食べてほしい千葉市内のラーメンです! というのも、店主さんご夫婦は高齢のため、もうそろそろ…、とおっしゃっていたからです。跡継ぎもおられないようです。なので、是非「今」、食べておきたい老舗ラーメン店なのです。学生にもプッシュします。記憶のどこかに、こういうラーメンの味が残ることには意味があると僕は思います。強く。
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http://blog.goo.ne.jp/qqq10000/e/89baa24258ca0525ad18ac044dcb1662?fm=rss
このはがれそうな「中華」という文字がなんとも心に響きます。
本当の本当に「ラーメン専門店」なんです!
中華一龍のラーメン、今こそ、食べてもらいたいです!