岩のりトッピングの醤油ラーメン。エシャロット入り昔ながら風豚骨醤油ラーメン！
千葉市若葉区の中でも大きな住宅街の一つでもある「みつわ台」。モノレールの駅が中心にあり、多くの人がここで生活している。また、16歳のときからの友だちもここに住んでいて、とても馴染みのある町でもある。
ラーメンでみつわ台といえば、やはり「千葉家」になるんだろうけど、「千葉家」と負けずと劣らないいいお店がある。それが「吉ちょう」だ。吉ちょうは、千葉家をさらに北東に進み、みつわ台五丁目の交差点を左に曲がると左手にある。このお店は、僕的にはとても絶賛のお店なのだ。
この吉ちょうは、いわゆる町の中華屋さん。もちろん看板メニューはラーメンなのだが、かなり多くのメニューを用意している。だから、フリーク的には「Out of 眼中」なお店にされやすい。また、店内にいろいろと「ウンチク」が掲げられていて、ちょっと妖しさも感じられる。だが、ここのラーメンは、実はとても個性的で、よく研究されたラーメンでもあるのだ。
こちらのラーメンは、基本的には、豚骨ベースの醤油ラーメンということになる。タンメンや味噌ラーメンもあるが、看板メニューは「醤油ラーメン」だ。こちらの醤油ラーメンは、豚骨スープの醤油ラーメンなので、色は茶色く澱んでいる。色的には近所の「千葉家」に似ている。だが、その味はかなり独特で、特徴的だ。
スープの味は、基本的には、昔ながらの中華そば風。目を閉じてスープだけを飲むと、町中の中華屋さんのラーメンの味がする。しかし、そのスープは豚骨ベースとなっているので、豚骨特有のコクも合わせて感じられる。そもそも豚骨スープには味がないので、カエシの味が「昔ながら」、ということになる。また、おじちゃんが作っているせいか、それほど油ギッシュでもない。ちょっとパンチが足りないようにも感じられるが、これだけ味があれば問題はないし、油にまみれた現代人にはちょうどいい油加減なのかもしれない。
と、ここまで書くと、いわゆるライトな豚骨醤油ラーメン、ということになるんだろうけど、さらにもう一工夫なされている。それは、スープの表面に浮かぶエシャロットだ。前の記事でも書いたが、このお店は、エシャロットを加えることで、ニューウェイブ系のテイストもかもし出しているのだ。昔ながらの中華そば＋コクを出す豚骨スープ＋ニューウェイブ系のエシャロット。これこそ、吉ちょうの不思議且つ絶妙なラーメンの特徴なのだ。
麺は中太で、けっこうもっちりしている。家系の酒井麺ほどのインパクトはないが、がっちりスープにからむし、のど越しも良い。麺とスープの相性もしっかり計算されているように思えた。また、チャーシューはかなりハイレベルだ。いかにも「自家製です！」という手作り感抜群のチャーシューは、味もしっかり沁みているし、なんか突飛なことをやっているわけではないが、その存在感はたっぷり。
あと、今回「岩のり」をトッピングで頼んだが、これがまた当たり！！ スープの濃さは変わらずに、よりあっさりと食べることができる。また、ほのかな磯の香りが、また豚骨醤油にぴったりと合っていた。岩のりフェチとしてはたまらない♪
このラーメンを都会で普通の若い店主がやっていたら、それほど感動しないかもしれない。しかし、郊外の普通の中華屋さんでこういうラーメンを提供しているところが嬉しいじゃないか。しかも、普通のおじちゃんだ。おじちゃんが知恵を出し、若い世代の人にも受け入れられるようなラーメン、それでいて近所のあらゆる年代の人に合わせたラーメン、そんなラーメンを作っているのが吉ちょうなのだ。夫婦二人三脚で頑張っているお姿もすごく共感できる。店は結構広めだが、それでも結構混んでいる。まだ未食の千葉の人は是非足を運んでもらいたいと切に願う。
＊ちなみに、「吉ちょう」という名前の由来は、「響きがいいから」という理由らしい（笑）。お店を出す時に、色んな名前を考えたのだが、ふと思いついたのが和食屋さんによくある「吉兆」という言葉だったらしい。「吉（幸福）の兆し」、響も然ることながら、素敵な名前じゃないか？！
＊現在、かなりヴィジュアル系なざるラーメンも提供している。これもまたとても美味しそうだ。（参考ブログはこちら）
