Wind Quest 風の旅

風になり自然や村や街、今や、昔を、不易流行のヒントを求め探訪します。風雅、風土、風韻、風格、風流、風光、風景、風狂・・・

熱田逍遥

2017-05-21 12:33:52 | 芭蕉ゆかりの地を訪ねて

 五月のある日、熱田文化小劇場でのコンサートのチケットを、友人からもらったので出かけました。

コンサートは、名フィルトランペット奏者四人の演奏会で、久しぶりに華やかなブラスの音色を堪能。

少年時代、ブラスバンドに熱中した頃のことを思い出しました。

また、トランペット、少しずつ練習しようかなあ。

 コンサートが、終わって、名鉄熱田駅前。名物「きよめ餅」を、買ってと・・・・。

 駅口から、熱田神宮参道へ。途中に「信長塀」が、あります。桶狭間合戦の戦勝御礼だそうです。

 熱田さん本宮・・・・。

今日はここから一礼して、本参道を南に左折します。途中に、「宮きしめん」の茶屋。

 樹齢一千年以上といわれ、弘法大師、お手植えと伝えられるクスノキの大木。

 本参道を出たところにある、「ひつまぶし」で有名な蓬莱軒。今日も、お客さんが並んでいます。

 蓬莱軒と並んで、すぐ右、南側に、桐葉亭の跡があります。

ここは、芭蕉の有力弟子の「林桐葉」の邸宅址。

芭蕉は、この地で、貞享二年(1685年)三月に、熱田三歌仙を巻き、そこに、叩端、桐葉との三吟歌仙を納めている。

その発句として・・・。

 白鳥山

何とはなしに なにやら床し 菫草   芭蕉 皺筥物語

 土芳の三冊子には・・・。

何となく なにやら床し 菫草   芭蕉 (三冊子)

があるが、後の有名な句の「初出」とみられている。

(これは、嵐山光三郎氏説によれば、林桐葉が、先に愛娘を亡くしており、それを悼みながらの挨拶句としている。)

 大津に出る道、山路をこえて

山路来て 何やらゆかし すみれ草  芭蕉 (甲子吟行)

ちなみに、同じく芭蕉の有力弟子の、鳴海の「知足」・下里(郷)知足は、この林桐葉が芭蕉に引き合わせたそうだ。

(本ブログ、東海道鳴海宿、参照)



 赤陣屋址?・・・・。

 七里の渡し、船着場跡。

 戻って、旧東海道、熱田宿内へ・・・道標。

 今回、なじみがありながら、なかなか歩けなかった熱田神宮、熱田宿、七里の渡し船着場跡、などさらっと(まだまだ熱田はディープ)歩いてみて、戦災や、その後の都市計画で、素晴らしい近代的な片側三~四車線の道路に、ずたずたになった熱田の町が、痛々しかったです。

 今後、熱田をより魅力的な街にするには、この徒歩での「回遊性」の回復が鍵になると思った次第です。

*なお、6月10日、6月17日(2017年)のNHKTV・ブラタモリで、名古屋城、熱田界隈をやるそうですので、興味のある方は、そちらも参考にしてください。

 


笠森観音 四方懸造

2017-05-10 11:26:02 | 芭蕉ゆかりの地を訪ねて

笠森観音

 家族が、千葉県の笠森観音の行ってきた。日本で唯一の「四方懸造」のお堂。

この観音堂は、長元元年(1028年)に建立され、国指定重要文化財。

いつか訪ねてみたいお寺です。

 二代安藤広重 浮世絵にも

 芭蕉は、ここでこんな句を詠んでます。

五月雨に この笠森を さしもぐさ   芭蕉

 「懸造」は、有名な京都「清水寺」、洛北の「峰定寺」、鳥取の「投げ入れ堂」でも見られます。