前進の 円転重ね 年輪に 大樹となるか 人とて同じ
サラサラと 淀まず流れ 賀茂川の 行きつく先は 海から空へ
行く道に 妨げあれば 知恵絞り たとえ苦労も 悩むことなく
前進の 円転重ね 年輪に 大樹となるか 人とて同じ
サラサラと 淀まず流れ 賀茂川の 行きつく先は 海から空へ
行く道に 妨げあれば 知恵絞り たとえ苦労も 悩むことなく
官能の 記憶を覚まし 金木犀 灯りを消した 部屋に漂い
茹であがり 赤に染まった 渡り蟹 盛られた白磁 輝き競い
一匹の トンボが飛ぶは うら悲し どこからどこへ 水辺もなしに
われさえに 掴めぬわれを 他の人が 決めつけるとは 勝手なものよ
包み込む こころ広さに 愛深く 波は立つとも 底は穏やか
私心ない 至心の詩心 詩神よび 死生清めて 死神を掃い
見ることは 頭のあたり 感じるは 胸か腹にか 移したところ
肉親の 遺体見るさえ 死は遠く 幽明かぎる みぞの深さよ
尊崇の 純な気持ちに 接すれば 尊ぶものの 香気は移り
あるままに 真っすぐ映す 自覚かな われを鏡に 見るがごとくに
進退の 谷まり気づく わが真面目 破産に牢屋 大病をして
目の向きを 外から内へ 向き変えて 豊か開ける 知足の世界