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内乱陰謀事件の公判が結審-検察、李石基議員に懲役20年を求刑

2014年02月04日 | 南域内情勢

検察の求刑を糾弾する記者会見(2014.2.3,水原地方検察庁)



2月3日、統合進歩党の李石基議員ら7名に対する内乱陰謀罪事件が結審し、検察は懲役20年~10年(各資格停止10年が付与)という重刑を求刑しました。昨年9月に起訴されたこの事件は、2月17日、審理開始から97日目に一審判決が宣告される予定です。

1981年5月、光州民主化運動に戒厳軍を投入して鎮圧した全斗煥政権は、金大中氏ら民主人士に内乱陰謀罪を適用して死刑や無期懲役を宣告しました。30年近い歳月を経て、その事件は再審で無罪が確定しましたが、当事者たちが受けた苦難は筆舌に尽くしがたいものがあります。

一方、全斗煥・盧泰愚ら新軍部勢力は、金泳三政権期に断罪されることになります。クーデターで政権を奪取した反乱罪などに問われ、重罰を受け収監されました。数年後には赦免で釈放されはしましたが、韓国社会の民主化が進展する過程で、正義は必ず具現されていったのです。今回、統合進歩党に対する内乱陰謀事件も、犯罪を立証出来るだけの明白な証拠は提示されていません。二週間後に、司法部の公正で賢明な判決を期待したいものです。以下に、『オーマイニュース』の関連記事を要訳しました。(JHK)

http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001954200&PAGE_CD=ET000&BLCK_NO=1&CMPT_CD=T0000


内乱陰謀事件の45次公判
 李石基の最終陳述-内乱陰謀はウサギに角を探すようなもの-繰り返し無罪を主張


3日午後4時40分頃、静かだった法廷に突然、ノートパソコンのキーボードを打つ音が響きだした。内乱陰謀事件の45次公判が開かれた水原地方裁判所刑事法廷で、この日の核心場面の一つである李石基・統合進歩党議員の最終陳述が始まったのだ。取材陣が懸命にキーボードをたたく中で、確信にみちた李議員の声が法廷に鳴り響いた。

李議員は「内乱陰謀事件は想像もできないことだった。大韓民国の現職議員が、選挙で選出され出帆して1年目の、しかも国民過半数の支持を受けている現政権を暴力的方法で転覆しようとしたというのだ。果たして説得力のある話だろうか」と問い直した。

彼は自身の内乱陰謀・扇動容疑を「ウサギに角を探すようなもの」と皮肉った。「ないものはないというしかないが、ない事実を証明しろというのだからどうしようもない」と、自身の潔白を強調した。昨年11月12日の初公判で、「一方の理念に偏った生き方をした覚えはない」と述べた李議員は、この日も「30年間、進歩運動に身を置いて来たが、北朝鮮に対しても、ソ連に対しても、絶対視したことはなかった」と陳述した。

李議員は「国家情報院が内乱陰謀事件を捏造したのだ。法務部もこの事件が起きるやいなや、憲法裁判所に違憲政党(統合進歩党を指す:訳注)解散審判を請求している」と主張した。彼は捏造の根拠として、「国家情報院に今回の事件を情報提供した李・某氏さえ、昨年8月28日の押収捜索前までは、この事件が内乱陰謀事件だと知らなかった。国家情報院が裁判所から最後の通信制限措置(盗聴)許可を受けた7月28日付文書にも、‘国家保安法事件’と書かれている」ことなどを上げた。また、「事件が起きた昨年8月は、国家情報院の大統領選挙介入疑惑で国民の怒りが拡大していたし、大統領府の責任を厳しく問うた時期だった」とも指摘した。

彼は「もし陰謀を言うのなら、私の内乱陰謀ではなく、朴槿恵政府の永久執権陰謀があったとするのが事実に符合するだろう。検察がこの裁判を利用して野党の連帯を破綻させ、その執権を阻止しようした。私と統合進歩党は、その狂気の真っただ中で‘犠牲の羊’に仕立てられたのだ」と主張した。

そして「今回の裁判は、私たちの民主主義がどこまで到達したのか示す試金石になるだろう。この裁判がまた、私たちの社会がどこへ向かうべきかを議論する道しるべになることを祈願する」と述べた。最後に彼は、「もはや冬の共和国ではない民主共和国として、新たな春の序曲を知らせる賢明な判決を望む」との期待を表明して陳述を終えた。

弁護人の資格で公判に出席したイ・ジョンヒ統合進歩党代表もまた、「裁判で明らかになった事実関係を合理的に判断するなら、内乱陰謀などは無罪が当然だ。検察の主張は、極端な敵対意識が作り出した想像の中の恐怖に過ぎない」と語った。

被告人の最終陳述に先立ち、約3時間にわたる弁護団の最終弁論があった。検察と国家情報院の主張を一つ一つ反駁するために弁護団が作成した弁論要旨は、約250ページに達した。プレゼンテーションのファイルも126枚だった。

最終弁論を主導したキムチルチュン弁護士は、事件の鍵を握っている情報提供者、李氏を集中的に弾劾した。彼は「李氏が市民や一党員としてではなく、一貫して国家情報院捜査官の補助者として活動した。彼の証言が信頼するに値するのか検討するのが重要だ」と話した。

彼は李氏が法廷で、▲いわゆるRO(Revolutionary Organization:革命組織)の綱領と組織体系、5大義務などに関する陳述を覆した。▲国家情報院の捜査官に録音ファイルを渡すたびに公金で20万~30万ウォンを受け取った。▲最初に国家情報院と接触した当時の2010年陳述調書と、2013年の陳述調書ではROと関連した部分の内容が食い違う、といった点を指摘した。そして「様々な事がらを照合すると、彼の陳述は主張であって証拠ではない」と断定した。

内乱陰謀事件の1審は2月17日、その幕を下ろす。裁判所はこの日午後2時に、判決公判を開くと明らかにした。

検察の求刑の時にも、最終陳述に際しても平常心を保った7人の被告はこの日、裁判が終わるとすぐに微笑を見せた。彼らは弁護団と握手を交わし、家族と支持者に向かって手を振った。傍聴席にいた人々も立ち上がって彼らに手を振り、「りっぱな陳述だったよ! ご苦労さまでした!」と大きな声で激励した。

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1 コメント

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いやはや ! (sangtae)
2014-02-12 18:40:58
どこもかも住みづらくなってきています。
こんなべらぼうな作り話があってはなりません。
韓国も日本も、権力を持った既得権層の「卑しさ」を感ぜずにはいられません。
彼らは一体どこへ行きたいというのでしょう。

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