とある日曜日。とある商業施設のトイレの個室に入っていると、「パパ?」と幼い女の子の声がしました。
本物のパパが返事をするかもしれないので、しばらく黙っていましたが、「パパ?」と幼女が繰り返しても
答える者がいません。どうもこの男子トイレ、ぼくと女の子しかいないようです。
「パパ?」どうしてそう思ったのでしょうか、「パパ?」幼女は迷いなくサカタの個室の前に立って「パパ?」
「パパ?」と呼びかけます。本物のパパどこ行ったんでしょう。偽物のパパはそろそろ用が済んでトイレを
出ようかと思いましたが、しかし個室のドアを開けて出てきたのがパパじゃなくて知らないおじさんだったら
この子びっくりしそう。あきらめてどこか行かないかなと思いました。
「パパ?」
「パパ?」
「パパ?」
しかし一向にあきらめる様子がなく、中にパパがいるのに無視されてると思い始めて声が大きくなってきた
ので、誤解を解かないと泣いてしまうと思って、こう言いました。
「違います」
できるだけ穏やかに、なるべくショックが少ないように伝えたつもりでしたけど、向こう側で息を飲む気配が
して、1秒か2秒たってから
「わかりました」
案外しっかりした声で返事があって、女の子はどこかへパパを探しに行きました。
来週のできごとは「銀座3丁目から」です。
本物のパパが返事をするかもしれないので、しばらく黙っていましたが、「パパ?」と幼女が繰り返しても
答える者がいません。どうもこの男子トイレ、ぼくと女の子しかいないようです。
「パパ?」どうしてそう思ったのでしょうか、「パパ?」幼女は迷いなくサカタの個室の前に立って「パパ?」
「パパ?」と呼びかけます。本物のパパどこ行ったんでしょう。偽物のパパはそろそろ用が済んでトイレを
出ようかと思いましたが、しかし個室のドアを開けて出てきたのがパパじゃなくて知らないおじさんだったら
この子びっくりしそう。あきらめてどこか行かないかなと思いました。
「パパ?」
「パパ?」
「パパ?」
しかし一向にあきらめる様子がなく、中にパパがいるのに無視されてると思い始めて声が大きくなってきた
ので、誤解を解かないと泣いてしまうと思って、こう言いました。
「違います」
できるだけ穏やかに、なるべくショックが少ないように伝えたつもりでしたけど、向こう側で息を飲む気配が
して、1秒か2秒たってから
「わかりました」
案外しっかりした声で返事があって、女の子はどこかへパパを探しに行きました。
来週のできごとは「銀座3丁目から」です。