じゃがブログ ~さいとう小児科~

じゃが院長のつれづれ日誌をメインに、趣味(合唱・囲碁・絵)や道楽(温泉・ラーメン・酒)にまつわるエッセーを掲載。

「なな段」か、「しち段」か?

2009年04月14日 | ◎囲碁の道
李沂修(リ・イシュウ)棋士が、7段に飛び昇段しました。平成16年夏季試験で入段、以後も、18年二段・19年三段・20年四段・21年五段とトントン拍子に昇段を果たし、同年に(つまり今年)棋聖戦リーグ入りを成し遂げて、晴れて七段になったのです。

これで、師匠・潘善琪七段と段位の上では並びました。師匠といってもまだ独身の若い潘七段ですが、こちらも竜星戦で快進撃を続けていて、一層の活躍が期待されています。

潘七段とは、彼が入段前からの知り合い・・・平たく言えば指導碁を教わった関係なのですが、もうかれこれ十数年のお付き合いであります。対局が忙しくなってから(イコール戦績が良くなってから)は、なかなかお会いできる機会がないのですが、それでも昨年は2度ほど長岡まで指導に来てくれました。

プロなら当たり前なのかも知れませんが、深いヨミと華麗な手筋に、こちらはタジタジとなるばかり。。。指導を受ける側が戦いの最中に感心していては勝てるはずがありません。恍惚としながら大蛇に呑み込まれる子羊(豚?)となってしまうのでした。

あ、今回の話題はそのことではありません。

プロ棋士の称号は、タイトル保持者は名前の後にそのタイトル名を続けています(名誉称号を含む)。「羽根本因坊」といった具合です。それ以外の棋士は段位をつけて呼ばれます。数字が大きい方がランクが上ですが、今のシステムでは、現時点での実力と段位とは必ずしもパラレルではありません。このあたりは、いずれランキング制のようなものが導入されることで、より実際的なものに変わっていくことでしょう。

「1」~「9」の段位を、「初段」~「九段」で表します。「二段・三段」は「にだん・さんだん」で特に問題はないのですが、「四段・七段・九段」には複数の読み方があって迷います。

「四段」は、「よだん」なのか、「よんだん」なのか。
「七段」は、「しちだん」なのか、「ななだん」なのか。
「九段」は、「くだん」なのか、「きゅうだん」なのか。

私見ですが、「四段」は「よだん」、「九段」は「くだん」と、短く言うのではないかと。一番迷うのは、「七段」。これは「しちだん」も「ななだん」もアリな気がします。でも、どちらかと言えば、私は「しちだん」派。理由は、「ななだ」まで「あ段」が並びすぎるから。

将棋では、9×9の盤上のマス目を表現するのに、「7六歩」のように、横方向は左から右に算用数字で、縦方向は上から下へ漢数字で表します。そこへ移動した駒を続けて言います(この場合、「歩」がそれにあたります)。

このとき、棋譜読み上げでは、たいてい「ななろく・ふ」と言うようです。「しちろく・ふ」とは余り聞かない。
ところが、「7七角成り」のときは、「しちしち・かくなり」のほうが、「なななな・かくなり」より多いように思います。おそらくは、「なななな」がつながり過ぎて言いにくい(聞きづらい)からなんじゃないかと。「にわにはにわにわとりが・・・」の「にわ」みたいなモンです。

で、「ななだん」よりは「しちだん」のほうが言いやすい、聞きやすい、ということに・・・なりませんか?

これは、前にも書いたことがあると思いますが、日本人の標準的な数字読み上げの特徴とも関係するのかも知れません。

< 一・二・三・四・五・六・七・八・九・十 >

これを読むときに、下からは、

「いち・に・さん・シ・ご・ろく・シチ・はち・きゅう・じゅう」

なのに、上からだと、

「じゅう・きゅう・はち・ナナ・ろく・ご・ヨン・さん・に・いち」

と読みませんか?

私は間違いなく、このように読みます。

「いち・に・さん・ヨン・ご・ろく・ナナ・はち・きゅう・じゅう」

や、

「じゅう・きゅう・はち・シチ・ろく・ご・シ・さん・に・いち」

とは読みません。その読みのとろこで、なにやら<坐り>の悪さを感じてしまいます。
このへんのところは、正しい・間違いの問題ではなく、むしろ感覚的なものなのでしょうけどね。

回りくどくなってしまいましたが、そういうことで(どういうこと?)、私は、「李沂修七段」を「リ・イシュウ・しちだん」と読むことにしています。いつかはご本人ともお会いしてみたいものです。「ハン・しちだん」、よろしくお願いします。
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