saeのブログ

いろいろと書いていきます。

大相撲の新番付とクオータ制

2011-05-25 | 世の中の出来事いろいろ
今日(5/25)、大相撲の新番付が発表されました。

八百長問題で、関取が17人も減ったそうですが、この17人分をすべて埋めるのではなく、
今回、十両に昇進したのは13人。
中には、この5月場所(技量審査場所)で「負け越した」力士も昇進したとか・・。

普通は、場所での成績が良好な力士が昇進するのですよね?。
「負け越し」での昇進は、戦後初。極めて異例のことだそうです。

●「負け越しても関取昇進…戦後初の珍番付 (YOMIURI ONLINE(読売新聞))
●「新十両力士一覧」(goo大相撲)

「無理やり昇進させた」ような感があって、「昇進枠」の割り当て、というイメージから、
「クオータ制」を思い出しました。

昇進が決まった個々の力士について、どうこう言うつもりは全くありません。
昇進を決めたのは、力士自身ではなく「番付編成会議」ですから。

しかし、成績の優れない力士を十両に昇進させることが、果たして本人のため、
大相撲のためになるのか・・。
力士自身は、もちろん今後も稽古に励むでしょうけど(それは力士として当たり前のこと)、
本来の「十両」の質を維持できるのか・・。

クオータ制も、一方の性別の「枠」を設けて人選をするわけですね。
先日書いた、九州大入試「女性枠」などもそのような感じですが、
単に「性別」というキーだけで選んでも、何も有益性はないでしょう。
成績なら成績で選ぶ。実績や能力、適性で選ぶ。
その結果、一方の性別割合が多くなっても、それは構わないでしょう。

クオータ制は、ノルウェーで始まった取り組みだそうです。
ちなみに、「男性は、助産師にはなれません」という記事で書いた、
「性別に関係なく助産師資格を取得できる国」の1つが、このノルウェーです。
「クオータ制を!」、「ノルウェーにならって!」と、盛んに推奨する方は、
助産師を「女性のみの資格」としている日本の状況を、どのようにお考えなのでしょうか。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

入試「女性枠」を取り止め・・九州大

2011-05-19 | 世の中の出来事いろいろ
昨日の記事の続報です。

●「九大、「女性枠」を撤回…法の下の平等抵触恐れ (YOMIURI ONLINE(読売新聞))

弁護士などにも相談した結果だそうですが、専門家でなくても十分わかることだと思いますが・・。

いたずらに「特定の性別だけを増やす」という発想が、果たしてどうなのか、
この入試の件に限らず、再考するのが賢明だと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

九州大学、入試「女性枠」見直しへ

2011-05-18 | 世の中の出来事いろいろ
九州大学理学部数学科が来年度の後期入試で設ける「女性枠」が、見直されるようです。

●「九大入試「女性枠」見直し 「男子差別だ」苦情相次ぎ 来年度導入(毎日jp)

●「平成24年度入学者選抜方法について-予告-(PDFファイル)
●「理学部数学科における女性枠入学者選抜について(2010年3月29日、九州大プレスリリース、PDFファイル)

「女性枠」に対して、「男子差別だ」「法の下の平等に反する」などの苦情のメールや
電話が相次いで寄せられた、ということで、「女性枠」の中身を再検討することになったそうです。

九州大での女性教員が少ない(学内全体で8.7%)のが背景にあったとか。
中でも数理学研究院(数学科の教員が所属)の教員では、66人中、女性は2人(2009年5月)。

しかし、いくら「女性の研究者を増やしたい」といっても、「両性の平等」を
ないがしろにしてはなりません。
また、「男女共同参画社会」にも、逆行するものでしかありません。
この策が愚策であることぐらい、教育の素人でもわかりそうなものです。
性別に関係なく優秀な人材を確保する、ということが大切なのであって、
性別が問題なのではありません。

九州大は、「「女性枠」の中身を再検討する」とは言っていますが、
「「女性枠」を廃止する」とは言っていないようです。

女性の割合の少なさを問題にするのなら、先日書いた記事
「男性は助産師にはなれない」ということの方が、はるかに問題でしょう。
何せ、男性助産師の割合は0%ですから。
助産師の資格を取れなければ、助産師を養成する指導者の立場(先生)にもなれないのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

男性は、助産師にはなれません

2011-05-03 | 世の中の出来事いろいろ
今日、5月3日は憲法記念日です。

第14条
「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」

第22条
「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」


今の男女平等社会で、性別によって「就けない職業・職種」というのは、基本的には無いはずですね。
「女性は、●●という職業には、就けない」
「男性は、▲▲という職業には、就けない」
ということは、無いはずなのですが・・。

医療関係で国家資格が必要な職業というと、医師、歯科医師、看護師、保健師、薬剤師・・などがあります。
これらは、国家試験に合格すれば、性別に関係なく、誰でもなれます。
(もちろん、一定の能力は必要)

では、助産師は?、というと、「保健師助産師看護師法」の第3条に、
「この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。」
という規定があるため、男性は助産師にはなれません。

外国では、男性の助産師がいる国(性別要件がない国)もあります。
(日本のように、男性助産師がいない国もあります)

男性が助産師になれない、ということは、助産師を養成する学校の指導者の立場(先生)にも、
男性は就けない、ということです。

助産師のサービス・業務の受益者は、基本的に女性だけです。
「出産をするのは女性だけだから、女性の人権や尊厳、プライバシーへの配慮が大切。
その女性たちから「男性助産師は(感覚的に)ちょっとイヤ・・」という声が多ければ、男性への資格開放は見送るべき」
とか、
「妊婦が、助産師の性別を選択できることを条件に・・(男性助産師も認める)」
という声もあるようです。

そのように、「受益者の声」に重きをおくのなら、サービスの受益者が男性である場合、
その男性から「女性の担当者はイヤ」というような声があったら、
(少なくとも、その時の)女性担当者には、業務から、はずれていただかなければならない、
ということになってしまいます。

現行の制度や法律が、すべてこのままで妥当なわけではありません。
昨年11月の記事でも書きましたが、身体の障害等級認定では、性別による格差を無くす方向になりました。
「児童扶養手当」は、現在では母子家庭でも父子家庭でも受給できますが、
2010年7月までは、母子家庭のみが受給でき、父子家庭は受給できませんでした。

このように、少しずつではありますが、「不平等」は解消されてきてはいますが、
制度や法律の中には、なぜか、まだまだ「性別による不平等」がある部分もあります。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする