恥を知れ

サディスティック・サディーの生かさず殺さず日記

4/2

2017-04-02 10:13:38 | oni

途中から見た再放送が興味深かった
異形探訪
鬼という字を見てそこからチャンネル変えられるわけない
青森の神社の鳥居にあんなに鬼がいたとは
かつて飢饉や凶作で厳しい人生を強いられた人々が多かったという
地元の方の言葉にしみじみ納得
過酷な環境で苦しい生活を余儀なくされた人々の怒りや悲しみ
それでもなにくそと思いながら生き抜いてきた思い
といったものをかたちにすると
やっぱりきれいな神様よりモンスターの方がしっくりくるだろう
いずれも異形の力にすがりたいことに変わりはないが
鬼の持つ反骨心や生命力をよりどころとしたかった切実さは
短い映像からも痛いほど伝わる

水不足の村にやってきて知恵を授けた鬼というのは
見慣れぬ風体をした流れ者かなにかであったのだろうと想像するが
なんか蟲師にもこんな話あったよね
外国人かあるいは
水の知識があったということだから山に住む人だったかもしれない
それを鬼と呼んでお祀りし伝え残してきたという事実が
私はたまらなく好きだ
きっとこんなふうに地域の人々に慕われている鬼が日本各地にいるのだろう
ことさらに騒がれることもなく淡々と連綿と
それを想像するだけで胸が熱くなってキュンキュンする
おかしな反応だとは自分でも思うがなってしまうものは仕方ない
ほんとなんなんだろうねこれ
恋?萌え?歴史ロマン?

異形の神仏もすごかったね
山!やっぱり山か!
さすが火山列島日本この手の話と山は切り離せない
と俄然興奮
御沢仏
修験道や土着の信仰と仏教が融合して独自の文化に
なんてこれまた全国各地にありそうだが
そんなことよりシンプルに造形がカッコイイ
剣に竜が巻きついてるとか
火炎とか水流とか背負ってるのも
中二心くすぐられまくり
いい意味で垢抜けてない感じがたまらない

異形となった観音像がまた
なんていうんだろう
テレビ越しでも言葉を失うような威厳があって圧倒された
焼けてほぼ炭となった立像
今はなだらかな造形を残すのみ
見た瞬間はビックリしたし真っ黒でちょっと怖くもあったけど
一周回ってありがたい
なによりこうなった御本尊を見捨てずここまで守り崇めてきた人々の心が美しい
やっぱり神様や仏様って人々に信仰されて力を得るのだな

井浦新がもうさすがすぎて
火に焼かれたというより
火を(御身に)取り入れたような
すごいこと言うなあこの人
でも悪いものもちゃんとお祀りすれば神様になって恵みをもたらしてくれるって
日本古来の考え方好き
いにしえの人々が厳しい自然環境で暮らしていく中で培われた精神
それに通ずるものがあるような
鬼を選んで頼ることも
鬼と呼んで尊ぶことも
そういう手段が必要とされた時代
その暮らしに思いを馳せて気が遠くなって
でも現代も大差ないのではと思ってはっとしたりして

異形に恐ろしさだけでなくユーモアを見出すのとかもさすが
辛いからこそクスッとできる瞬間が必要
まことユーモアと人間性が根源を同じくしているというのは興味深いことであるよ

美術番組だからビジュアルが中心になるのは当然なんだけど
異形はそれ自体だけでなく
それにまつわる歴史や背景や人々の心も含めての美だよね
鬼に共鳴する人がいるかぎり
鬼はまだまだ滅びないと思えて嬉しくてついこんなに書いた
少し反省している


 

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