『おや、翁さん、大工の弘さんが出たり入ったり?、流し台の工事を?、何だい、家の中の片付けだと思ったら、流し台の入れ替えもかね、ハハハハ。キャビネットが汚れてゴキブリの巣、金具も壊れて引き出しが空かない。生活で最も使う場所だから、10年も使えば汚れたり傷んだりするわ。そうした気持が生きるための原点、専業主夫の職場がリニューアルでは90迄は間違いなく生きるよ、ファハハハ』
『おや、勘さん、どこに出かけるね?、民の竈を見回りにかい?。ギャハハハ。流し台の工事の予定は25日だったが、棟梁が建前がズレたので今日やらせてくれって。どこで知るのか、棟梁の日本建築の腕前を聞いて、仕事が忙しいようだよ。今日もそうだが、棟梁の奧さんがいっぱしの仕事師で、棟梁が顔負けだよ。柱などの切り込みは、奧さんが殆どやってしまうから、ハハハハ。もう取り付けが終わりそうだよ』
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『そこに放り出したのが以前の流し台?、いや汚れて傷んでいるよ、納得だわ、ファハハハ。・・・・天気は晴れても、気温が低く素足では冷たいわ、まさかこれで冬に向かうことはなかろうが、早々と衣替えだよ。・・・・俺の家は100年以上は経っているが、とうとう立て替えをしないで頑張ったわ。家の中に広い土間が、雨でも孫は遊べるし、竈は薪だ。倅も気にしないで住んでいるから、ハハハハ』
『俺の長男は、東京都下三鷹のマンションに住んでいるが、年に数回しか出かけてこない、盆も彼岸にもだよ、長子の認識がどこまであるのか、ファハハハ。家の中を整理しても、婆さんと二人が消えれば、暫くは、そのまま空き家かもだな。俺は祖父や父の背中を見て育ったつもりだが、倅は足下さえ見ないよ。・・・・湯治は長野の鹿教湯温泉に決まったようだね、三夫婦では楽しいわ、ハハハハ』
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あとがき==“空っ茶会”の3軒は良き時代の農家住宅に、そこで例会が開かれるが良い雰囲気だよ、ガハハハ==放念の翁