磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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戦争のある暮らし

2008年09月14日 | 読書日記など
『戦争のある暮らし』
   乾淑子・編/水声社2008年

日常にも戦争はわりこんできますね……。
--戦争愛国美談もその一つでしょうし……。
また、国策映画についても書かれてありました……。



帯に書かれてあります。下「」引用。

「戦争だらけの日常生活!?
子ども茶碗、木像、幻燈、ひな人形、映画、満州国の年画、中国の連環画、美術、そして着物……。
生活雑貨やメディアにふれる戦争のイメージを、豊富な図版とともに検証し、日々の暮らしの視点から戦争を捉え直す。ジャンルを超えた気鋭の論客による、新たな近代史の試み。【掲載図版200点】」

生活雑貨にも戦争の影響が……。下「」引用。

「同じ時代の中にいて、同じ熱に浮かされた人々が作る生活雑貨には、紛れも無く戦争への意志が、賞賛が、埋め込まれ、香り立つ。その数々のものを後押しした戦争への流れに飲み込まれてみれば、権力者とは比べ物にはならないほどの悲惨と苦悩に追い込まれてしまうのにも関わらず、自らの暮らしを戦時色で飾った私達の先輩の作った雑貨や工芸の美しいこと、楽しいこと。」

司馬遼太郎は『坂の上の雲』の映像化“英雄像を描き、戦争を美化するもの”にしたくなかった。
--本書もまた戦争を描いて戦争賛美に陥られないつもりであるという。

子どもの茶碗にも、戦争を教育するマインド・ウイルスが……。下「」引用。

「軍国調の「子ども茶碗」とは、戦争関連アイテム(軍旗、将兵、兵器他)や戦争場面、軍歌、軍国歌謡、戦争漫画、戦争玩具、戦時標語など、戦争と軍国主義思想の直接・間接的に結びつくモノや事象を題材とする文様(以下「戦争柄」)を施文した「子ども茶碗」のことである。軍国調の「子ども茶碗」が生産されたのは、日清・日露戦争の頃からアジア・太平洋戦争終結までの約五十年間(1890's-1940's)であり、それは日本が軍国主義思想に覆われていた時期と重なる。」

そして、進駐軍がきたときには、子ども茶碗は……。下「」引用。

「図27 ジープに乗った進駐軍兵士」


--『海の兵隊』について
手塚治虫批判が書かれてある。下「」引用。

「手塚治虫は「反戦的じゃないですか」との応答を返しているが、しかし、戦死の表現については留意が必要であろう。戦死者や戦死自体をいかに描写するかは、この時期の国策映画において極めて微妙な問題を提起していると思われるからである。」

そして手塚治虫・批判が続く。下「」引用。

「国策映画である以上、それは自軍の勝利や宣伝を、ただ闇雲かつ声高に唱えた粗雑なものに違いないという先入観は、実際に個々の作品に向き合った際にもろくも崩れ去る。
 戦時期日本の国策映画に顕著な献身と労苦、犠牲の表現は、近代天皇制と靖国神社に代表される、死を美化し称掲するイデオロギーに直結するものである。しかし鑑賞者は、極めて緻密に構成された作品の内容を目にするに辺り、まず自らの先入観が崩壊していく意外性を覚える。そして、特にそこに表される死のイメージの暗示に、むしろ悲劇性を見出し、さらにそれを「反戦的」なものとさえみなす倒錯へと至るのである。
 加えてこの種の「誤解」は、手塚の感想に顕著なように、本作品が描いている軍事的、植民地主義的な状況を完全に見失っている。本作品で動物たちが一見楽しげに戯れているシーンは、軍事教練や南島での基地建設と皇民科教育を描いているものであるし、またそもそもそうしたレクリエーション的性格をもつシーンが、他の国策映画に存在しないわけでは、全くない。このような意味で、手塚が言うような本作の「平和」性は、あくまで当時の日本人が軍事膨張主義の観点から示した「平和」に他ならない。」

ボクには納得できるものである……。

この本から離れるが……。

■原発のある暮らし・平和の内の戦争■

鉄腕アトムがアメリカで映画化されるとか?
--もう「原子力が夢のエネルギー」というのはやめていただけないか?
これも国策の原子力に対する、国策映画のようなものではないか?
宗主国アメリカの国策映画……。

また、アメリカで原発がつくられるというのと同時期ではないか……。

チェルノブイリ事故をおこせば、戦争以上のものであった……。
--せめて、原子力ではなく、他のエネルギーにしてもらいたい。
夢のエネルギー、ドリームパワーとか……。

手塚自身がトリトンだったのだろうが、ラストで太陽にアトムが突入させて終りにはできなかったようだ……。

非科学的な漫画! 鉄腕アトムは、汚染をまきちらすロボット。
助けられた人もすべて放射能で死んでいる……。
--こういう批難をする人たちもいる……。







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