磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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核のボタンに手をかけた男たち The gift of time

2008年08月19日 | 読書日記など
『核のボタンに手をかけた男たち The gift of time』
   ジョナサン・シェル(著)/川上洸(訳)/大月書店1998年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「冷戦の当事者たちは痛切に訴える
“核兵器を廃絶せよ!”」



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「ベトナム戦争時の米国防省マクナマラ、最後の戦略空軍司令官バトラー、湾岸戦争多国籍空軍司令官ホーナー。これら冷戦時に核戦略を陣頭指揮してきたそうそうたる高官たちが、「核兵器を廃絶せよ」と真剣に訴えはじめている。なぜか。核戦争の瀬戸際に立たされたキューバ危機などでの恐るべき事態。核戦争を防ぐためには全人類を《人質》にとって核戦争を準備せよという抑止理論=脅迫理論の耐えがたい矛盾と不道徳。そして核保有国が核兵器に固執するかぎり、核の拡散=増殖は避けられないという動かしがたい見通し。-略-米ソ冷戦体制が崩壊した今こそ、これに失敗すれば、核のとめどない拡散=激増と、核戦争の危険の増大が待ちかまえているのである。」

冷戦が終わり、核廃絶の絶好のチャンスだったのに、クリントンの二重人格的な政治手法が書かれてありました。

1994年7月、湾岸戦争の多国籍空軍司令官、チャールズ・ホーナーは、「核兵器なんて時代遅れだ。あんなものは全部捨ててしまいたい」と宣言して、ワシントンの公式筋をびっくりさせたという。
退役後、スティムソン・センターの『大量破壊兵器除去プロジェクト』の運営委員。


ロートブラットは、ビジネスとしての戦争を考えていたのかもしれない。下「」引用。

「西側諸国が核兵器保有を正当化する理由としてきたソ連の脅威が消滅した今日、西側全体がみずからに問わねばならないのは、一九四四年にロートブラットが提起したのと同じ問題なのである。核兵器を持つ理由が消滅したとき、この兵器のために働くのをやめるか、それとも続行するための何か新しい理由を捜すのか?」

ジョゼフ・ロートブラットはオッペンハイマーを例に、戦争の恐るべき影響を語る。
--戦争は、精神さえも破壊するものであるという。

フレッド・チャールズ・イクレはこんなことを語る。下「」引用。

「遠い将来のいつの日にか、廃絶が実現されるかもしれない。でも、べつの問題がまず出てくるだろう。世界は何かグローバルな機関、かなりさしでがましく、要求のきびしい機関の管理下に入らなければならないが、そのような強力な機関はややもすれば専制的な世界政府に転化しかねない。この危険は、おそらく核兵器の危険と同じくらいおそるべきものとなる。そればかりか、政府も国民も、きわめて強烈な感情が彼らをその方向につき動かさないかぎり、現実的な大きな措置を講じることを真剣に考えようとしないだろう。」

北朝鮮やイラクなどに対しては、ずいぶんさしでがましいのではないか?
二重スタンダードこそ問題であるとボクは思う……。
核を持ち欲望充足システムをつくっている人たちには、核兵器廃絶は欲望を充足させられないことなるとも言えるのではないか?

廃絶不可能論のまちがいを、ジョージ・リー・バトラー元将軍が語っている。

核抑止論は破産していると書かれてあった……。
--破産はしておらず、核兵器に関係する人たちは、市場原理の働かない、そして秘密主義でもいられて、大儲けしている。核抑止論は破綻しているが……。








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