磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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真実を聞いてくれ-俺は劣化ウランを見てしまった-

2009年08月14日 | 読書日記など
『真実を聞いてくれ-俺は劣化ウランを見てしまった-』
   デニス・カイン(著)/阿部純子(訳)/日本評論社2006年

原書名『Support the truth』
湾岸戦争に従軍した著者……。



妄想と寝ていた軍隊生活。下「」引用。

「最初、俺は軍に入ると思うだけで胸がいっぱいになった。憲法を擁護し、アメリカ市民の生活と自由と幸福の追及を妨げる国内外の障害から彼らを守る。名誉ある行為の遂行。困窮にある人ひどの擁護。名誉ある死。文明社会では既に死滅したすばらしい言葉だ。俺はこれを一五年もやって、やっと自分が妄想と寝ていたことに気がついた。-略-」

祖父がくれた走り書き。下「」引用。

「-略-祖父が俺にくれた走り書きを忘れることができない。
「政府は戦争のためにサンフランシスコの市民を利用するだけ利用して、結局戦争は原爆が決着をつけた。そのあともずっと彼らは、サンフランシスコと周辺の人たちの頭上に有害な核のごみをぶっちらかしてきたんだ。」」

これはウソですね。「原爆神話」です。
人々の働きで勝利したなんてしたら、支配者はいばれないか?

パナマ侵攻、マジックテープと自殺。下「」引用。

「パナマで腕にマジックテープをつけなかったアメリカの小隊がいくつか、薮から出たところで銃撃された。マジックテープというのは夜でも味方を識別できるように巻く発光テープのことだ。この兵士たちは小隊リーダーが命令の意味を理解していなかったばかりに、テープを巻いていなかったのだった。応援に来た友軍のヘリコプターが彼らを銃撃し、殺した。まったく、その第三レンジャー大隊が死亡者数を兵舎内での自殺者数と合わせて武器の手入れ中の事故なんかではなかったのだ。若者たちが自殺するようになったのは、上官が「友だちが友だちに撃たれて死ぬのを見た恐怖について、精神科医にも話さないように」と口止めしたからだった。」

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敗北つづける米国……。下「」引用。

「アメリカが戦争に負けることもあるんだ。速報どころか、ベトナム戦争の敗北は開戦のときからわかっていた。「ペンタゴン・ペーパー」が言うとおりだ。アメリカは十年間、ずっと負けつづけたのだ。グレナダも、パナマも、戦争というより中央アメリカを支配しようという帝国主義の侵略行為だった。そうやってアメリカは国際社会に多くの敵をつくってきた。-略-」

宇宙的環境破壊は犯罪そのもの……。下「」引用。

「実質面では、俺たちがしでかした宇宙的環境破壊は犯罪そのものだ。油田に火をつけたのが米軍だということも、劣化ウラン弾を落としたのが米軍だということもみんなわかっている。劣化ウランは半減期が四十五億年という放射性物質だ。アメリカ軍は砂漠の生き物ならどんなおそろしい動物でも死ぬという殺虫剤も使った。
 イラクで重い障害をもった赤ん坊が生まれていることも知っている。
 広島や長崎の被爆者に生まれたような赤ん坊が、アメリカの兵士に生まれていることも知っている。
 アメリカが核廃棄物を利用して軍備拡張計画を推進していることも知っている。
 なにもかも全部アメリカの責任で、それもジュネーブ条約違反だということも知っている。
 結果的にアメリカは全人類の生活条件の質を破壊した。アメリカのせいで生態系はみんな油まみれ、薬品まみれの台無しだ。今までどうにか切り抜けて来られたといっても、アメリカ人は大いにこれを恥じるべきだ。」

ホームレスと憲法。下「」引用。

「五十万人もの兵士を貧民街に見捨てるなんてなんという恥知らずだ。脳みそが大量虐殺の死体で埋まったときにはどうする? だれに電話する? それもこんな醜悪な、真っ黒こげでむちゃくちゃの大虐殺だ。酷すぎて映画のセットにもならないくらいのだ。だれに電話する? 国のためだからと言って若者たちを大量に集めておいて、用がすんだら食糧も水も宿もなしに道端に放りっぱなしか? 憲法を守って欲しいと彼らに言っておいて、その昔のお堅い憲法様が保障した最低限の住宅の支給もないなんていう法はないだろう? 一体どう弁解するっていうんだ?」

セックスの後で……。下「」引用。

「湾岸戦争帰りの夫をもつ妻は、セックスの後で女性器が焼けるように熱くなり、性感がなくなったと訴えている。-略-」

「世界ウラニウム兵器会議二○○三報告」デニス・カイン。

裏表紙からはじまる文章がある。
「残虐な兵器 劣化ウラン弾はなにをもたらすか」弁護士・伊藤和子(著)









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