磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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暴力と戦争 ジェンダー史叢書 5

2010年05月20日 | 読書日記など
『暴力と戦争 ジェンダー史叢書 5』
   加藤千香子、細谷実・編著/明石書店2009年

同じ根から出た問題ですね……。下「」引用。

「換言すれば、ジェンダーと人種や民族、暴力、階級や社会、経済的格差の諸問題は、個別に検討することはできないと言える。人種差別だけを、暴力だけを、貧困と格差だけを、性差別だけを、ゲイ・レズビアン差別だけを、取り出して解決することはできない。すべては同時に考察・討究され、同時に取り組まなければならない。アメリカ史におけるジェンダーと暴力と人種の相互関係のあり方は、そのことを如実に示している。そしてそれは、アメリカ社会のみの課題ではなく、日本その他の社会においても、あてはまることであろう。」



「日本中世社会秩序の暴力……--武士団とジェンダー」黒田弘子・著。下「」引用。

「鎌倉幕府は、日本史上初めて成立した軍事政権である。」

自警団組織=暴力の連鎖、ヨーロッパ。下「」引用。

「軍事コンパニーアは、それぞれの時代の支配体制に仕え、その政治秩序を維持し、平和を実現するための自警組織であったが、しかし現実には、平和や秩序をもたらすどころか、暴力の連鎖を引き起こす温床となった。」

レイプ罪……。下「」引用。

「女性への犯罪のなかで、レイプは際立って法律がうまく機能しない。近代になってもそうした面はあるが、中世においては、身分と性の権利を不均衡が如実に反映していた。身分の高い男が身分の低い女を餌食にするのは、いともたやすいのであり、同身分であれ、法的・社会的に、常に男が女の上に立っていたゆえに、男性の言い分が女性のそれより信用されたのである。」

「第3章 アメリカ史の中のジェンダーと暴力……」兼子歩・著。下「」引用。

「アメリカの歴史は暴力にまみれていると、しばしば史的される。暴力の研究でしられる歴史学者R・M・ブラウンは「暴力はアメリカン・ライフの形態と内実の決定因子であった」と述べ、フロンティアの自警団主義(vigilantism)から決闘・暗殺・対インディアンの戦争から都市暴動にいたるまで、暴力とアメリカ史が密接不可分に展開してきたことを強調している[Brown 1975]。我が国では鈴木透氏が、「性と暴力の特異国」という観点からアメリカ史を概観している[鈴木二○○六]。-略-」

ハルモニたちの証言から。下「」引用。

「日本軍によって性奴隷とされたハルモニたちの証言には、そのきっかけとしてしばしば工場労働へのリクルートが登場する。ここには、植民地の女性労働者がおかれた常態化された暴力の連鎖と構造の存在が見え隠れする。昭和戦前期を中心としたヴィクティム像の再検討をはじめ、労働者保護法としての工場法がもつジェンダー・バイアスへの介入的視線は、構造的暴力の負荷がより加わる位置から検討される段階にあるだろう。」

「中国における女性兵士……」秋山洋子・著。
「第3章 前線の姉妹兵……--イラン女性の回想録から」山岸智子・著。
「第4章 ラテン・アメリカにおける対抗暴力」柴田修子・著。

明治政府……。下「」引用。

「-略-このように、男らしさ・男性性の形象と観念、また武士形象と武士観念(武士道)とは、時代状況と目的とに応じて巧みに選択されて接合されて、民権的ナショナリズムが大勢とならなかった大日本帝国において、闘う国民軍をつくり出し作動させるために機能した。」

「第2章 ドイツにおける戦争とネイション・「人権」……--「黒い恥辱」を起点に考える」弓削尚子・著。下「」引用。

「第一次世界大戦後の「黒い恥辱」においては、ドイツは「野獣のような」「非理知的な」黒人兵の犠牲となる女性としてて表象され、フランス/アフリカとドイツにおける関係は、レイプの加害者という直截的な性暴力の次元に還元される。-略-」

「第4章 日本人「慰安婦」をめぐる記憶と言説……--沈黙が意味するもの」山下英愛・著。下「」引用。

「これまで日本人「慰安婦」は、運動の枠外におかれてきた。城田さんが金学順さんよりも前に名乗り出ていたにもかかわらず、その訴えを支持し、日本人サバイバーを支える運動が形成されなかった。藤目ゆきは、「性奴隷化された女性の歴史的体験をめぐって、私たち日本人女性は『同じ女』としてのアジアの高齢女性たちの傷の深さを直感する反面、『同じ女』でしかも『同じ日本人』である日本の公娼たち・日本人『慰安婦』たちに共感する回路を寸断されているのである」[藤目二○○一 : 二一○~二一一]と指摘する。」

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「退役兵士のホームレス化のPTSD」 下「」引用。

「軍隊に占める女性兵士の比率の増大とも並行して、現在ではホームレスとなったベテランの総人口に占める女性ベテランの割合は三~四%というはっきりと目に見える数値を示すようになった。」

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