磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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ピノチェト将軍の信じがたく終わりなき裁判-もうひとつの9・11を凝視する-

2010年10月31日 | 読書日記など
『ピノチェト将軍の信じがたく終わりなき裁判-もうひとつの9・11を凝視する-』
   アリエル・ドルフマン・著/
     宮下嶺夫・訳/現代企画室2006年

原書名 Exorcising terror
あのチリでの事件ですね。



帯に書かれてあります。下「」引用。

「「9・11」テロルの悲劇は、米国の独占物ではない。
その凶暴さにおいて比類なきチリ軍事クーデターは1973年9月11日に実行された。米国の支援を受けて--
それから25年後、ロンドンでジェノサイドの容疑でスコットランドヤードに逮捕された軍事政権の中心人物、ピノチェト将軍の裁判をめぐるサスペンス・ドキュメント。」
「チリの元大統領が、スペインの判事からの求めによって、病気治療で滞在したイギリス・ロンドンで逮捕される。「国家権力の合法性」を身にまとった最悪のテロリストを包囲した「グローバル化した司法」の現在の姿を浮かび上がらせる力作。」

「記憶の壁」……。下「」引用。

「チリ、サンティアゴのセメンテリオ・ヘネラル〔総合墓地〕の一角に、大きな横長の御影石でできた記念碑がある。この国に民主主義が戻って数年後の一九九四年二月に建てられた「記憶の壁」である。多くの--四千以上の--名前がその表面に刻まれている。すべては一九七三年九月十一日から一九九○年三月十一日まで続いたアウグスト・ピノチェト将軍の独裁体制下で軍・警察による弾圧の犠牲となった人々の名である。このうち一○○二名の男女の名前のあとには死亡の日付が彫られていない。これらの人々は「デサパレシードス」、行方不明者である。遺族はまだこの人々を埋葬できないでいる。-略-」

恐怖のため語れない……。下「」引用。

「老人たちは、独裁時代に虐待された人々の多くについて報告する気はないと言っていた。いつの日か軍人が帰ってきて仕返しするのではないかと恐れているのだった。-略-」

語っている人たちはすごいですね……。

【訳者あとがき】「テロは世界を変えたか」 下「」引用。

「二○○一年九月十一日の同時多発テロ事件の数週間後、本書の著者アリエル・ドルフマンは、「テロは世界を変えたか」と題するインタビューの中で日本人記者に答えて次のように述べている。
「チリのアジェンダ政権に対するクーデターが起きたのが二十八年前の同じ日、同じ火曜日だった。軍事政権によって愛する人を失い、行方知らずにされ、数十万人が拷問されたことを知るものは忘れない。しかしあの日は世界を変えはしなかった」「ニューヨークで、行方不明になったままの家族の写真を胸を掲げて歩く人々がいた。チリで、軍事政権に連れ去られたままの家族の写真を掲げて歩く女性たちと同じ光景だった。米国ではそんなことが起こるはずがなかつた。いま米国の悲しみに世界は同情し、共感している。だからこそ、他にも数多くの九月十一日が存在していること、世界には他にも多くの悲劇があることをわかってほしいのだ」」

悪い方に変えたと思うが……。









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