磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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永井隆全集I

2006年06月16日 | 読書日記など
『永井隆全集I』
       サン パウロ2003年

わりと新しい本です。
今までの永井隆の本とはちがって、
現代的な文章なので読みやすくなった感じがします。
何冊もの本が掲載されたもののようです。

・この子を残して
・花咲く丘
・平和塔
・生命の河
・原子爆弾救護報告
・原子雲の下に生きて



長崎市永井隆記念館(旧・長崎市立永井記念館)が
あるそうですが、館長はお孫さんのようです。


今のカトリック教徒とはイメージが
何となく違います。
遠藤周作とも違うように思えます。

孤児院のことが書かれてあります。
永井隆は衛生顧問として働かれても
おられたようです。

その孤児院はフランガン神父がたてた
「少年の町」であり、働いていたのは、
ポーランドの修士だったそうです。
その一人にゼノ修道士がいました。

弱者へのまなざしがやさしすぎます。
こんなこと現代の人は語られないのでは? 下「」引用。

「少年に悪人はいない。……このフラナガン神父の言葉はまず正しいものと認めていただきたい。
 ある程度の経験を積んだ職員は、いやそうじゃない。近ごろの孤児はなかなかすれているから、うっかりすると大人がだまされて、ひどい目にあう、と言うかもしれない。
 しかし、それは大人が悪くて、素直な孤児を悪くしてしまったのだ。孤児をだましたから、孤児も真似をして人をだますことを覚えたのである。-略-」

「少年の町」は成功しているといわれていた
そうですが、それは信仰心があったからだようです。

【映画】少年の町

原子学は古過ぎるという表現があります。同。
「原子学は、でに若い人のもつにふさわしい夢というには、古すぎるように思われる。」

八月十五日には、浦上では「聖母の被昇天」を祝い、
大きなふくれまんじゅうを作り、親類や近所に配る習慣があるという。
子どもたちは、「ふくれまんじゅうの祝日」といって、一年中で一番大きな楽しみにしていると書かれてありました。

こんなに信仰を堅くもっている永井隆でも、
地藏さんについてこう書いています。同。

「だれにもきがねせず、安心して大声で、ぐちをこぼし、うらみを言い、怒りを爆発させ、独りたんかを切ることができるのは、夜の野っぱらの地蔵に限る。しかも地蔵さんは、いやな顔一つせず、いつもにこにこと聞いてくれるのである。」


「生命の河」では、レントゲンなどの
放射線被害のことがたくさん症例をあげて
書かれてありました。

レントゲン部隊のキュリー夫人というのは、
なかなか興味深いものでした。

原爆症についてかかれてあり、
いろいろな病気もあわせ持つものだと、
たくさんの疾病があるのに、驚きました。
そりゃ、そうだと思いつつ……。

「原子爆弾救護報告」では、
混乱した現場がえがかれてありました。



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