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低線量内部被曝の脅威-原子炉周辺の健康破壊と疫学的立証の記録-

2011年12月07日 | 読書日記など
『低線量内部被曝の脅威-原子炉周辺の健康破壊と疫学的立証の記録-』
  ジェイ・マーティン・グールド(著)/
    肥田舜太郎、斎藤紀、戸田清、竹野内真理・共訳/
      緑風出版2011年

原書名 The enemy within
「内部の敵」(双信舎 1999年刊)の改題改訳



帯に書かれてあります。下「」引用。

「原子炉周辺や核実験場の異常な乳がん発生率の増加を証明した衝撃の書!
本書は、1950年以来の公式資料を使って、全米3000余の郡のうち、核施設に誓い約1300郡に住む女性の乳がん死亡リスクが極めて高いことを立証して、レイチェル・カーソンの予見を裏付ける。」

著者の専攻。下「」引用。

「大学で私は数学を専攻していたが、1930年代後半、コロンビア大学院では、経済統計学に専攻を変えた。真にカリスマを持つウェズリー・クレア・ミッチェル教授に触発されてことだった。-略-」

1965年からIBM勤務。

ニューヨーク市と乳癌。下「」引用。

「人口10万以上の郡のなかで全国一の高い年齢調整乳癌死亡率を持つのはニューヨーク市と、ウエストチェスターとロングアイランドの裕福な郊外の郡である。これらの郡の白人女性は、国全体のわずか3.9%であるのに、乳癌死亡者数では5.4%と、全国で死亡数が最も集中していることを示している。飲料水は地上の貯水池に依存しているニューヨークのような大都市は、ここでは大気圏内核実験による被曝の悪影響を真っ先に経験したものとして示されている。
 統計的に有意な全国最大の乳癌死亡率の増加は、1943年から50年にかけて操業を始めた、エネルギー省管轄の国内で最も古い原子炉がある14の郡で、そこに住む女性たちに見られたものである。この女性たちの間では年齢調整死亡率が1950~54年から1985~89年までに37%も上昇している。これに対応する全米の上昇はわずか1%であった。これらの14の郡の死亡数は35年の間に371人から1926人と5倍にもなっているが、こんなに大きな増加が偶然で起こる確率は数百万分の一に過ぎない。」

「モルモット」にされたアメリカ人。下「」引用。

「何百万のアメリカ人、実際には1945年以後に生きてきたすべてのアメリカ人が潜在的には致死性の大量の核分裂生成物により被曝してきたこと、そしてこれらの人々が知らず知らずのうちに、政府の実験台、言わば「人間モルモット」にされたことである。-略-」

実験場の技術者たち。下「」引用。

「このことはラスベガス近郊に家を建てていた実験場の技術者たちを大いに狼狽にされたに違いない。そして彼らは、風がラスベガスに向いて吹く時は実験を行なわないよう奔走したことであろう。というのは、それほど激しい白人低出生体重児の増加は二度と起こらなかったのであるから。-略-」

「老朽化したDOE原子炉周辺が最も危険」 下「」引用。

「調査の結果、核時代スタート後、最初の10年に建設されたエネルギー省(以下DOE)の最も古い軍用原子炉の周辺に住む女性たちの長期間にわたる乳癌死亡率の増加は、国内すべての郡グループの中でも、ずば抜けて高いことが分かっている。従ってオークリッジ原子炉周辺のり乳癌を分析した我々の結果は、原子炉を操業してきたDOEのすべての古い核施設にあてはめることができる。-略-」

脅迫……。下「」引用。

「ローズはまた、恐ろしいことに、BNLの役人が私立探偵を使ってローズの過去30年間の仕事仲間に近づき、税務調査をするといって脅迫して、ローズが寄託金と偽証したと申告させようとしていたことを知った。ローズは特にBNL(*ブルックヘブン国立研究所)がローズの経済的資産に難癖をつけるため、何年も以前に亡くなっている彼の両親の遺言書まで公聴会に持ち出したことに激怒した。」

「自分のことは--」 下「」引用。

「こうして、急速に増えつつある乳癌の女性、そして、実際に風下住民である我々へのメッセージは、「自分のことは自分で守らねばならない」というものであった。」

「付録A 原子炉周辺の乳癌死亡率の計算」









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