磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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南京・広島・アウシュヴィッツ

2008年10月05日 | 読書日記など
『南京・広島・アウシュヴィッツ』
   黒田秀俊・著/太平出版社1974年

『シリーズ・戦争の証言12 南京・広島・アウシュヴィッツ-戦争と殺戮-』
   黒田秀俊著/太平出版社1974年、1979年3刷

いろいろな本からの引用があります。

中国の人たちの「うらみ」……。下「」引用。

「日本の中国侵略、とくにそのなかでの南京事件が、いかに中国人民のうらみをかったか、おもい半ばにすぎるものがある。」

実数について著者がとりあげているもの。下「」引用。

「南京地方法院の報告は、被殺者確数三四万人と言っている。「改造日報」が被虐殺者総数を四三万人としているのは、ちょっと信用できかねるが、三○万人、三四万人という数字は、実数にちかいものとみてよかろうと思う(『近代戦史の謎』)。」

このような論理を展開しているのも、無気味なものだと思います。

本多勝一の文章も引用されていました。
「本多勝一記者は、南京事件と「三光作戦」について、つぎのような注目すべき論評をくだしている。
 南京大虐殺は、確かに大量の南京市民や武装解除捕虜を無差別に殺した。一度に殺した量としては、日中戦争の中で最大の事件だった。-略-
 「作戦」としての皆殺し、「政策」としての計画的虐殺が本格化するのは、八路軍(注 中国国民革命第八路軍の略称)の活躍が目立ちはじめる一九四○年ごろからである。住民と密着し、その強い支援で活躍する共産軍ゲリラに対して、日本軍はドイツ・ナチがやった報復虐殺と同様女子供を含む全住民の
皆殺しをもって応じた(「中国の旅」)。」

だからといって、日本軍に責任がないわけではないし、軍法会議にかけなかったのも大きな問題であると書いている人も他の本ではありますね。

紅十字さえ攻撃したという。下「」引用。

「もう一つ、アグネス・スメドレーのつぎの報告は、この論理を完全にくつがえしてあますところがない。
 私はボーシック博士に、南京にあった大きな紅(赤)十字病院はどうなったんです、ときいた。博士ははしばらくしてのあいだ白壁をじっと見つめていたが、やがて静かに「跡形もなくなりました」と、言った。中国人も外国人も、まだ日本軍が国際法とジュネーブの赤十字条約だけは尊重するだろうと信じていたので、ひきあげることのできない何百人という重傷者を、中国人の医師と看護婦にまかして、南京に残してきた。ところが、日本軍は南京を占領すると、彼らはおそいかかって、戦傷兵、医者、看護婦などを虐殺した(高杉一郎訳『中国の歌ごえ』)。」

広島にも赤十字病院がありましたね……。
--そこは戦後、原爆病院と呼ばれるようにになりましたね……。
ヒロシマは日本の残虐行為に対する報復という外国人もいますね。
しかし、どちらも戦争犯罪ですね。
どちらの身勝手な論理も許すべきではないと思う。
--戦争の結果が決まっていた時の原爆は戦争ですらなかったという人もいる……。

石川達三の小説について。下「」引用。

「島田氏はまた、石川氏の小説にまで非難めいた口吻をもらしているが、これはヤブにらみの議論である。石川氏は、従軍作家としての体験を小説にまとめたにすぎない。底に流れているものは、作家としてのヒューマニズムである。極東国際軍事裁判がひらかれ、南京事件が裁かれる日にそなえて、そのための証言を書いたのではない。」

石川達三の「生きてゐる兵隊」の残虐行為の個所が引用されていた。

野戦郵便旗』について。下「」引用。

「佐々木氏の『野戦郵便旗』は、戦後の風潮のなかで書かれたものではない。実際に従軍した軍属のドキュメントとして戦時下に公刊されているところに、わたしは、証言としての重さを見出すのである。」

「新聞記事は創作だったか」という小タイトル。
--「百人斬り」のことが書かれてあった。

同盟通信の人が書いたヒロシマ。下「」引用。

「広島原爆の「第一報」
 同盟通信広島支局の中村敏次長は、爆発の瞬間、宮島にある友人宅で朝の食卓についていた。
 一杯めが終わって二杯めのおかわりをだそうとしたとき、強烈な、実に強烈なマグネシウムの光のような、閃光を感じ、顔とからだがぽっとほてった。-略-(中村敏『広島、その日』)」

ワルシャワで。下「」引用。

「わたしが、ワルシャワで、
「アウシュヴィッツはひどい」
 というと、ワルシャワの人びとは、ほとんど例外なく、
「ヒロシマ、ナガサキとおなじだ」
 と答えた。たしかに、この二つは、人類と理性の叡知を否定し、文明に反逆した悪魔的所業として永く忘れることはできない。」








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