磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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もう一つのヒロシマ

2008年09月04日 | 読書日記など
『もう一つのヒロシマ』
   御田重宝・著/中国新聞社・編/中国新聞社1985年

『現代教養文庫1209 もうひとつのヒロシマ
   -ドキュメント・中国新聞社被爆-』
     御田重宝・著/社会思想社1987年

いろいろなことが書かれた分厚い本です。
今も戦時体制のままといわれている新聞社……。
「平和!」などと訴えるが……。
民主主義的なシステムにかわることを願いたい。


文庫本の表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「「中国新聞社壊滅セリ」想像を絶する世界が広島市民の頭上に降りかかった日、中国新聞社は社員の大半を失い、印刷機能を喪失した。本書は、あの日が何が起こったを、言論報道をになう一つの組織の壊滅と再生を通して描き出す。弾頭一発が、この物語の一○○倍、一○○○倍として数えられる「核時代」にあって、ヒロシマの意味はくり返し問い直されなければならない。」

使命感をもっておられたという。下「」引用。

「業界では「再生不能」をいわれたが、しかし生き残った社員たちは市民とともに廃虚の熱い灰の中から立ち上がり、ほとんど言論報道の灯を消すことなく復興を達成した。その苦闘を支えたのは“被爆者」としての核兵器廃絶、世界平和確立への強い願いと、ヒロシマに本拠をもつ新聞社として、「ヒロシマを再び繰り返すな」と国の内外へ絶えず訴えなければならないとの義務感であり、使命感であった。」

今でも、このような内容豊富なことを語ることができる記者がいるのでしょうか?

軍部が「原爆」と認めたのは戦後だったという。

最初、海軍は「硫酸爆弾」という……。下「」引用。

「一つの集団をそっくり記憶喪失させたという原子爆弾の“魔力”はやはり想像を超えている。
 海軍調査団だった。神津幸直少佐(当時三四歳、現中国化薬社長)の回想によれば、広島入りした直後、第二総軍の兵器部長から、「硫酸爆弾に間違いない」と聞かされ、反論するのに手間がかかったという。
 原爆を米国が保持しているという事実は、確実に日本の敗北を意味する以上、軍部は、動かぬ証拠をつきつけられるまで、認めたがらなかったのである。」

少年科学雑誌にはすでに、原爆のことは書かれており、「連鎖反応」という用語も使用されていたという……。

惨憺たるヒロシマの街を、取材する……。
というよりも、生きようと努力されている感じがする……。

--同盟中村記者が“原爆第一報”を岡山経由で東京へ(NHK職員目撃)。
岡山の速記者が中村記者へ。原爆の第一報告を疑った軍部。下「」引用。

「大阪と名古屋の軍のヤツに大バカヤロウと言ってくれ。これから第二報を送るから、じっくり読め、と言ってくれ」とこれまで見てきた通りのことを電話で吹きこんだ。これが二報。」

第三報は、「広島の陸軍、壊滅す!」。

そして、トルーマンの声明をきいても、認めなかった軍部。下「」引用。

「「広島に投下した爆弾である」とのトルーマン声明が、リスボン発同盟電として日本の新聞に掲載されたのは、終戦翌日の十六日の紙面である。これも政府の「正式発表」ではない。広島・長崎に原爆が投下され、膨大な人的損害を受けながらも、ついに軍部(政府)は正式発表しなかった。国民が原子爆弾と知ったのは戦後である。「戦争指導の上から困る」ただこれだけの理由で、国民は何も知らされることはなく、新聞記者の“取材”によって知ることができたのだ。」

「70年(あるいは75年)不毛説」はアメリカの学者からだという。
--それは放送で語られたようである。日本抗議。下「」引用。

「浅田博士は「日本の抗議で米国は七十五年説を否定したが、その取り消しがどの程度正しいものか知らない。この点から到して広島市内に壕(ごう)舎などを造って生活する人があるであろうが、私には懸念にたえない」と不安をかき立てるような発言をしている。」


今も、原子力発電に関することは危険と指摘されているのに、それを続ける日本。

--それに対して、お茶を濁すような記事しか掲載しない新聞。

むかしよりも、新聞記者は質が落ちているような感じもボクはします……。

世界各国が開発をやめた高速増殖炉さえ日本は続けている……。

チェルノブイリ原発事故では、ヒロシマより放射能汚染はひどく、人間が安全にすめない地区になって、悲しい物語が伝わっていることも本当に理解されているのでしょうか?

今では戦争責任ということさえもわからない記者もいそうです……。

原発に関するメディアの責任は……。









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