磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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忘れ水物語-----ある被爆者の記憶-----

2008年02月06日 | 読書日記など
『忘れ水物語-ある被爆者の記憶-』
   上原輝男・著/主婦の友社1989年

この和歌から「忘れ水」をとられたのだろうか? 下「」引用。

「別れぬるあしたの原の忘れ水
 行くかたしらぬがこゝろかな
        -夫木和歌抄-」



著者は被爆された方のようです。

目次 

「お国入り  1
黒の水引とんぼ  17
丹波霧  59
お百度詣り  81
蛇の目傘  101
市松人形  123
かぼちゃの少女  141
金気の水  183
名残り  205

追い書き  241」

お百度詣りのことが書かれてあります。下「」引用。

「なぜお百度詣りするのか、それをすれば、どんな効能があるのか、また、どうして、深夜に行わなければならないのか、等々について、母に教えたにちがいない。」

石切神社ではお昼から大勢の人がお百度をふんでおられます。


「かぼちゃの少女」は原爆投下時の広島が舞台になっています。

人間襤褸ということが書かれてありました。下「」引用。

「戦後、“人間襤褸(ぼろ)”と呼んだ作家があったが、肉体が襤褸布(ぼろぎれ)同然であったことを指していたはずである。それが、人を見てそうだと思うだけでなく、我が身自体が同様のとき、もはや驚きとか恐怖よりも、精神の容器としての肉体の崩壊に、目眩む戸惑いを感じてしまうものであった。はて、どうしたらとも思わない。この崩壊した自分の肉体が、既に異物化して見えてくる。そのくせ、まだ、その襤褸布の中にいる自分を見出して、あきれたり、うろたえたりしていた。」

目の見えない子が「蝶々」という。
そして涙する主人公、しかし、本当に白い蝶々が飛んでいたという。

軍医が品定めしているので、主人公は死ぬかと思う。
しかし、軍医は助かる可能性のある者を拾い出していたという。

「金気の水」も原爆に関する作品でした。

『原爆の子』の映画は健康な人が演じているので、嫌悪感をもったという。
丸木夫妻の“原爆の図”は、事実よりも、その事実に遭遇した人々の怨念だと『追いがき』で書かれている……。



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