『忘れ水物語-ある被爆者の記憶-』
上原輝男・著/主婦の友社1989年
この和歌から「忘れ水」をとられたのだろうか? 下「」引用。
「別れぬるあしたの原の忘れ水
行くかたしらぬがこゝろかな
-夫木和歌抄-」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/3d/d79e40d808b66a1a44605d3efdf7729c.jpg)
著者は被爆された方のようです。
目次
「お国入り 1
黒の水引とんぼ 17
丹波霧 59
お百度詣り 81
蛇の目傘 101
市松人形 123
かぼちゃの少女 141
金気の水 183
名残り 205
追い書き 241」
お百度詣りのことが書かれてあります。下「」引用。
「なぜお百度詣りするのか、それをすれば、どんな効能があるのか、また、どうして、深夜に行わなければならないのか、等々について、母に教えたにちがいない。」
石切神社ではお昼から大勢の人がお百度をふんでおられます。
「かぼちゃの少女」は原爆投下時の広島が舞台になっています。
人間襤褸ということが書かれてありました。下「」引用。
「戦後、“人間襤褸(ぼろ)”と呼んだ作家があったが、肉体が襤褸布(ぼろぎれ)同然であったことを指していたはずである。それが、人を見てそうだと思うだけでなく、我が身自体が同様のとき、もはや驚きとか恐怖よりも、精神の容器としての肉体の崩壊に、目眩む戸惑いを感じてしまうものであった。はて、どうしたらとも思わない。この崩壊した自分の肉体が、既に異物化して見えてくる。そのくせ、まだ、その襤褸布の中にいる自分を見出して、あきれたり、うろたえたりしていた。」
目の見えない子が「蝶々」という。
そして涙する主人公、しかし、本当に白い蝶々が飛んでいたという。
軍医が品定めしているので、主人公は死ぬかと思う。
しかし、軍医は助かる可能性のある者を拾い出していたという。
「金気の水」も原爆に関する作品でした。
『原爆の子』の映画は健康な人が演じているので、嫌悪感をもったという。
丸木夫妻の“原爆の図”は、事実よりも、その事実に遭遇した人々の怨念だと『追いがき』で書かれている……。
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この和歌から「忘れ水」をとられたのだろうか? 下「」引用。
「別れぬるあしたの原の忘れ水
行くかたしらぬがこゝろかな
-夫木和歌抄-」
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著者は被爆された方のようです。
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「お国入り 1
黒の水引とんぼ 17
丹波霧 59
お百度詣り 81
蛇の目傘 101
市松人形 123
かぼちゃの少女 141
金気の水 183
名残り 205
追い書き 241」
お百度詣りのことが書かれてあります。下「」引用。
「なぜお百度詣りするのか、それをすれば、どんな効能があるのか、また、どうして、深夜に行わなければならないのか、等々について、母に教えたにちがいない。」
石切神社ではお昼から大勢の人がお百度をふんでおられます。
「かぼちゃの少女」は原爆投下時の広島が舞台になっています。
人間襤褸ということが書かれてありました。下「」引用。
「戦後、“人間襤褸(ぼろ)”と呼んだ作家があったが、肉体が襤褸布(ぼろぎれ)同然であったことを指していたはずである。それが、人を見てそうだと思うだけでなく、我が身自体が同様のとき、もはや驚きとか恐怖よりも、精神の容器としての肉体の崩壊に、目眩む戸惑いを感じてしまうものであった。はて、どうしたらとも思わない。この崩壊した自分の肉体が、既に異物化して見えてくる。そのくせ、まだ、その襤褸布の中にいる自分を見出して、あきれたり、うろたえたりしていた。」
目の見えない子が「蝶々」という。
そして涙する主人公、しかし、本当に白い蝶々が飛んでいたという。
軍医が品定めしているので、主人公は死ぬかと思う。
しかし、軍医は助かる可能性のある者を拾い出していたという。
「金気の水」も原爆に関する作品でした。
『原爆の子』の映画は健康な人が演じているので、嫌悪感をもったという。
丸木夫妻の“原爆の図”は、事実よりも、その事実に遭遇した人々の怨念だと『追いがき』で書かれている……。
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