『サンデー毎日 2011-4.3』
山田道子・編/毎日新聞社2011年
特集名 福島原発「消せない恐怖」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/2c/7fc7fc5865b19733e7766a4e7d6a29d5.jpg)
【グラビア】懸命に続く救援活動
はげしくふる雪の中……。
「福島原発「消せない不安」▼「炉心溶融」「再臨海」は回避できても…
▼フォトジャーナリスト広河隆一が見た半径4キロ地帯。 下「」引用。
「-略-“死の町”と形容されるチェルノブイリで計測する4マイクロシーベルトが、私の安全確保のための指標です。この値をはるかに超え、どれほどの放射線にさらされているのかも分らない。私は怖くなりました。-略-
屋内退避区域で妊娠中の女性、子どもに注意喚起をした形跡がなく、憤りを覚えました。川内村では小学生の男児を釣れた家族の車とも出会いましたよ。50キロ圏で針が振り切れるほどだから、妊娠や子どもがいれば、ヘリコプターに乗せてでも逃がさなきゃいけなかった。たとえ胸部エックス線撮影の何回程度分の線量でも、被曝が妊婦や子どもに与える影響を考えるととても不安になります。
30キロ圏どころか、50キロ圏でも退避すべきだったことは明らかです。原発事故が起きてからでは、住民は逃げることもできない。-略-」
「「過酷事故」は想定外 日本の原発を総点検せよ」
▼名誉教授から助教まで……原発専門家を解説。下「」引用。
「「特に国立大学の原子力工学系は企業よりで、政府の原子力安全委員会のメンバーがい。-略-大体、被曝量の比較にレントゲンの放射線量を持ち出すこと自体がおかしい。医療の一環としてのレントゲンは年数回程度で、積算量がまったく違う」
こう解説するのは、大阪市立大大学院の畑明朗特任教授(環境政策論)だ。自身は、京都大の工学系大学院から文系の大阪市立大大学院へ転じた。
「工学系大学院の教授は企業の顧問に就くことができるし、研究費ももらえる。学生の就職を企業に斡旋することができる。学生の就職を企業に斡旋もできる。私は京大で反企業的な公害研究に取り組んだため残れなかった。文系に転じたのは自由に研究できるからです」
原発の危険性を訴え続け、京都大工学部で長年助手だった電磁波環境研究所所長だった荻野晃也氏は言う。「国立大の工学系にはまじめに研究している人はいます。ただ、原発推進派の教授の言うことを聞かないと博士号が取れないことがある。ある反対派の教員は、学生を連れて原発見学しようとしたら、電力会社から断られました。『おたくの大学からは学生を採用しない』といった嫌がらせもある。だから大学にいられなくなってしまうんです」-略-」
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▼原発から35キロの身障者「避難所には戻れない」 下「」引用。
「「家族と暮らしていなかったら死んでいたかもしれない。車椅子の身が災害弱者であることをつくづく思い知らされました」
「激闘永田町「原子力政策」の転換論議 喉元過ぎればまた推進?」
--【佐藤栄佐久前福島県知事激白】以下佐藤前知事。下「」引用。
「東西冷戦下の1954年、当時の日本学術会議が結論を出す前に、国民や科学者らが関与せず、議論もないままで一部の政治家が主導して3億円の原子炉予算を組んだのが、不幸の始まりました……」」
「人災といっても……」 下「」引用。
「『人災』と言えば東電の責任論になりがちですが、これまでの原子力政策を実際にコントロールしてきたのは、国会議員ですらタッチできないような勢力、ネットワーク、あるいはシステムとでも呼ぶべきものでした。そのコントロール下で電力業界が動かされている状況の中で、今回の事故が起きたのです」」
東電の「3つの提言」 下「」引用。
「懐柔策だろうか、厳しい態度を貫く佐藤氏に、東電が「三つの提言」を示したことがあった。1. 日本サッカー最初のナショナルトレーニングセンターになった「Jビレッジ」(同県楢葉町)の設置 2. 同県中通りにサッカー場を設置 3. 会津地方に美術館を建設--の3点だったが、福島原発事故で自衛隊が拠点にしている「Jビレッジ」を除いては実現していないという。」
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山田道子・編/毎日新聞社2011年
特集名 福島原発「消せない恐怖」
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【グラビア】懸命に続く救援活動
はげしくふる雪の中……。
「福島原発「消せない不安」▼「炉心溶融」「再臨海」は回避できても…
▼フォトジャーナリスト広河隆一が見た半径4キロ地帯。 下「」引用。
「-略-“死の町”と形容されるチェルノブイリで計測する4マイクロシーベルトが、私の安全確保のための指標です。この値をはるかに超え、どれほどの放射線にさらされているのかも分らない。私は怖くなりました。-略-
屋内退避区域で妊娠中の女性、子どもに注意喚起をした形跡がなく、憤りを覚えました。川内村では小学生の男児を釣れた家族の車とも出会いましたよ。50キロ圏で針が振り切れるほどだから、妊娠や子どもがいれば、ヘリコプターに乗せてでも逃がさなきゃいけなかった。たとえ胸部エックス線撮影の何回程度分の線量でも、被曝が妊婦や子どもに与える影響を考えるととても不安になります。
30キロ圏どころか、50キロ圏でも退避すべきだったことは明らかです。原発事故が起きてからでは、住民は逃げることもできない。-略-」
「「過酷事故」は想定外 日本の原発を総点検せよ」
▼名誉教授から助教まで……原発専門家を解説。下「」引用。
「「特に国立大学の原子力工学系は企業よりで、政府の原子力安全委員会のメンバーがい。-略-大体、被曝量の比較にレントゲンの放射線量を持ち出すこと自体がおかしい。医療の一環としてのレントゲンは年数回程度で、積算量がまったく違う」
こう解説するのは、大阪市立大大学院の畑明朗特任教授(環境政策論)だ。自身は、京都大の工学系大学院から文系の大阪市立大大学院へ転じた。
「工学系大学院の教授は企業の顧問に就くことができるし、研究費ももらえる。学生の就職を企業に斡旋することができる。学生の就職を企業に斡旋もできる。私は京大で反企業的な公害研究に取り組んだため残れなかった。文系に転じたのは自由に研究できるからです」
原発の危険性を訴え続け、京都大工学部で長年助手だった電磁波環境研究所所長だった荻野晃也氏は言う。「国立大の工学系にはまじめに研究している人はいます。ただ、原発推進派の教授の言うことを聞かないと博士号が取れないことがある。ある反対派の教員は、学生を連れて原発見学しようとしたら、電力会社から断られました。『おたくの大学からは学生を採用しない』といった嫌がらせもある。だから大学にいられなくなってしまうんです」-略-」
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▼原発から35キロの身障者「避難所には戻れない」 下「」引用。
「「家族と暮らしていなかったら死んでいたかもしれない。車椅子の身が災害弱者であることをつくづく思い知らされました」
「激闘永田町「原子力政策」の転換論議 喉元過ぎればまた推進?」
--【佐藤栄佐久前福島県知事激白】以下佐藤前知事。下「」引用。
「東西冷戦下の1954年、当時の日本学術会議が結論を出す前に、国民や科学者らが関与せず、議論もないままで一部の政治家が主導して3億円の原子炉予算を組んだのが、不幸の始まりました……」」
「人災といっても……」 下「」引用。
「『人災』と言えば東電の責任論になりがちですが、これまでの原子力政策を実際にコントロールしてきたのは、国会議員ですらタッチできないような勢力、ネットワーク、あるいはシステムとでも呼ぶべきものでした。そのコントロール下で電力業界が動かされている状況の中で、今回の事故が起きたのです」」
東電の「3つの提言」 下「」引用。
「懐柔策だろうか、厳しい態度を貫く佐藤氏に、東電が「三つの提言」を示したことがあった。1. 日本サッカー最初のナショナルトレーニングセンターになった「Jビレッジ」(同県楢葉町)の設置 2. 同県中通りにサッカー場を設置 3. 会津地方に美術館を建設--の3点だったが、福島原発事故で自衛隊が拠点にしている「Jビレッジ」を除いては実現していないという。」
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