磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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チョムスキー、アメリカを叱る

2010年11月20日 | 読書日記など
『チョムスキー、アメリカを叱る』
   ノーム・チョムスキー(著)/
     デヴィッド・バーサミアン(インタヴュー)/
       伊藤茂(訳)/NTT出版2008年

原書名 What we say goes



帯に書かれてあります。下「」引用。

「この国はどこへ
向かおうとしているのか?
中東危機、中南米政策、メディア問題、地球温暖化点。
〈世界の良心〉が大国アメリカの行方を占う。」

無法国家=アメリカと書けないNYタイムズ記者。下「」引用。

「トラウブもよく知っているように、アメリカは国際法にまったく拘束されない、卓越した無法国家であり、自ら公然とそう言い放っています。われわれの思い通りにことを運ぼうというわけです。事実、アメリカは、国連憲章に対する重大な侵害があるにもかかわらず、イラクに侵攻しました。
 トラウブはそのことを知っていて、なぜ記事にそう書かなかったのでしょうか?
 そのことを知っていても『ニューヨーク・タイムズ』には書かなかったでしょう。従わねばならない暗黙のルールがあるのです。高度に管理された社会では、自分の知っていることは口にせず、権力が求めることだけ口にするものなのです。」

NYタイムズは……。下「」引用。

「それは『ニューヨーク・タイムズ』が、アメリカが方の枠外にある国家であることを同意しており、これまでも同意してきたためです。-略-」

二人とも、「スカルボーンズ」の大統領候補。下「」引用。

「大統領候補が二人ともイェール大学の卒業生で、ともにこの大学の秘密結社「スカルボーンズ」に加わっている富裕層出身で、支援企業が同じなので政策も同じなどということが起こる-略-」

チャベスを悪く書くアメリカ・メディアと、ブッシュの闇……。下「」引用。

「ベネズエラについて書かれたどの記事を見ても、チャベス大統領を「三流の独裁者」と呼んでいます。何を基準にして、彼を独裁者と呼ぶのでしょうか。自由で公正と認められた選挙で、彼は繰り返して選出されているのです。ベネズエラのメディアは、アメリカでは想像もできないような言い回しで、彼を痛烈に批判しています。軍事クーデターが起きて、一時期、彼の政権は倒されましたが、これも主要マスメディアとブッシュ政権の後押しによるものでした。-略-」

チリ・クーデターもアメリカ。下「」引用。

「強行路線として軍事クーデターへと導き、柔軟路線としては、ニクソン元大統領がCIA長官、リチャード・ヘルムズに語ったように「経済を苦境に陥れる」方策をとりました。アメリカは、直接かつ広範にチリの富裕層と手を結んで、経済的なダメージを与えました。まさにチリのケースは、一九六○年代から七○年代にかけてアメリカが扇動し、支援し、直接関与した一連の企ての一つであり、一九八○年代に中央アフリカで始まったアメリカのテロ戦争の糸口になったのです。大陸全土に圧制がはびこっていました。」

NYタイムズ。下「」引用。

「『ニューヨーク・タイムズ』が力説するポイントの一つは、ピノチェトはあまり立派な男ではなかったにしても、シカゴ・ボーイズの指導で異常なまでの好景気を残したということです。『ニューヨーク・タイムズ』はわかっているのですが、事実は--注意深く読んだ人なら、その中に含まれる警句に気づくでしょう--シカゴ・ボーイズは、恐怖の下にある経済のかじ取りを行なっただけでなく、この国に史上最悪の不況をもたらしたのです。一九八二年には、民間経済を救うために国家が介入しなければなりませんでした。ピノチェト時代は完全に失敗でした。」

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大統領の父は殺害された……。下「」引用。

「自らも政治犯として国外追放され、父親をピノチェトによって殺害されたミチェル・バチェレが現在チリの大統領になっている-略-」

虐殺された場所……。下「」引用。

「それから、ルチアーノ・パヴァロティなどが鉱山所有者のために出演した小さなコンサート・ホールも見せてくれました。
 二○世紀初頭の頃にはそこで、幾度となくストライキや虐殺が起こりました。一九○七年のあるとき、鉱夫たちとその家族が一日数ペニーばかりを要求してストライキを起しました。-略-」

ヒトラーを非難しながら、投資していたイギリス。下「」引用。

「アメリカ、そしてそれ以上にイギリスの産業界はヒトラーをかなり支持していました。ヒトラーが権力を握った後にはドイツへの投資は急増しました。ところが今、その事実は完全に歴史から消されています。-略-一九三八年に米英がヒトラーの野望を阻止したいと思っていれば、おそらくできたでしょう。そうすれば戦争などなかったのですが、実際には両国ともとくにその意思がなかったのです。」

Index

CNN、BBC=チアリーダー。下「」引用。

「戦争が始まった時点のBBCやCNN報道を見ると、まるでチアリーダーのようで、その調子が続きました。しかし昔ほどでありません。変化はゆっくりですが、確実に訪れているのです。」

ハンチントンの『文明の衝突』について。下「」引用。

「歴史的に見ると、ばかげています。キリスト教世界の方が何世紀にもわたって、はるかに暴力的でした。実は、歴史上もっとも野蛮な文明の一つです。-略-
 カトリック教会について考えてみましょう。すでに議論したように、一九八○年代にアメリカが中米で起こした戦争は、その大半がカトリック教会を相手にしたものでした。だとすれば、文明の衝突はどこにあるのですか?
 しかし、ハンチントンが予言したことには真実もあります。文明の衝突を創り出そうと躍起になっている人々がいることです。首謀者はオサマ・ビン・ラディンとジョージ・ブッシュの二人です。ですから、衝突は起こるかもしれません。」

人権侵害とアメリカの援助国、イスラエルとエジプトを除く。下「」引用。

「その他の援助国を見ると、アメリカの援助が多いのは、大半が人権侵害の甚だしい国です。」

ウォール街のベトナム戦争反対。下「」引用。

「そう、一九六八年です。テト攻勢の後、実業界は、その戦争はまったく割に合わないと確信したのです。アメリカは基本的にはすでに戦争に勝利しており、続行するにはあまりにも犠牲が大きいことを彼らはよくわかっていました。」

勝利したのだろうか? そうは思えないが……。

ダルフールをジェノサイドとすぐに認めたわけ。下「」引用。

「コリン・パウエルは、それをジェノサイドと呼ぶことに、やや消極的な人間の一人です。しかし、ダルフールは現在、アメリカと西側諸国にとって大きな問題であると同時に、大変都合が良い問題でもあります。なにしろ、最大の残虐行為が公認の敵によって行われていることに疑いの余地はないのですから、暴虐はアラブ人のしわざ、それが完璧でするまさに、私たちのおあつらえむきの残虐行為なのです。当然ながら、それに対する真剣な対応策は一つもありません。「お前が何とかしたらどうだ?」というようなものばかりです。」

提案。下「」引用。

「国際刑事裁判所と国際司法裁判所の裁判権を認める。京都議定書に署名し、それを推進する。国際危機においては国連に主導権を与える。テロに立ち向かうに当たって軍事力よりも外向的、経済的手段に頼る。国連憲章の伝統的解釈から逸脱しない。安保理の拒否権を放棄する。
 付け加えてもいいですか? 正当防衛を除いては武力を行使しない。
 国連憲章五一条の規定によるものですね。-略-
 まだあります。軍事費を大幅に削減し、社会保障費を大幅に増額する。-略-」






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