磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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アウシュビッツと私

2009年05月01日 | 読書日記など
『アウシュビッツと私』
    早乙女勝元・著/草土文化1980年

アウシュビッツ訪問されて書かれたものです。



清水幾太郎は……。下「」引用。

「「アウシュビッツを見ずして、ファシズムは語れない」
 といったのは、まだよき時代の清水幾太郎氏でしたが、そういう方さえも当時とはからりと一変して、おなじ誤謬を繰り返されたということが、どんなに至難のわざかを思い知らされるのです。しかし、まずなによりも今は知ることが大事なのでしょう。知ることによって超えることも可能かもしれない、と考えるならば……。-略-」

『血で書かれた言葉』……。下「」引用。

「ナチスに捕らわれた人びとの、死を目前に書き残した遺稿集というべき『血で書かれた言葉』に収録されている一篇は、ポーランドの農民の子、一四歳の少年カイムの最後の手紙です。カイム少年がなんの理由もなく、他のユダヤ人とともに送りこまれた収容所はアウシュビッツではありませんが、鉄条網越しに投げられ、道に落ちて拾われた紙片には、囚人たちの悲痛な心情が、少年のみずみずしい感覚でにじんでいます。やがてカイムは虐殺され、「ぼくはもう涙がでて……」の後、永遠に空白のままの手紙は、まわりまわって両親のもとに届けられました。
 カイム少年の走り書きは、短い文面ながら、実にたくさんのことを語っています。林の中の収容所と、早朝からの森の作業、それも素足で、食物らしいものはほとんど与えられず、夜は地べたにごろ寝で、寝ているゆとりもなくなぐられたり蹴られたり。逃亡者が出れば、見せしめにつぎつぎと殺される。その選択も、おそろしく気まぐれなものだから、死はほんの紙一重の差で、いつ自分の前にやってくるかわからず、したがって少年は「口惜しくて」と歯をくいしばりながらも、絶望的な運命から逃れるすべのないことを自覚せざるを得ないのです。-略-」

各国の旗があるが、日本のはないという……。下「」引用。

「アウシュビッツが、巨大な胃袋の中に呑みこんだそれらの人びとの詳細は、SSによってほとんど完璧なまでに焼却され、消滅されてしまったのですが、わずかに残された書類や資料によって世界二九カ国からのの囚人たちが“通り過ぎていった”ことが判明、それが最初の建物に入ってすぐの「国際ホール」に、死者たちに捧げる各国の国旗の数で示されています。
 ABCの順にならべますと、アメリカ、オーストリア、-略-ドイツ、-略-書き出したらきりがないほどで、ナチスが侵略した国と、それらの国に関係したありとあらゆる人びとが、おそろしく遠方から、何日もかかって護送されてきたことになります。
「ないのは、日本の旗ぐらいですね」」

しかし、ドイツという国にも被害者がいることも忘れないでほしい……。被害者はいない方がいい……。

チクロンBについて。下「」引用。

「チクロンBは「ドイツ害虫駆除協会」の製品ですが、青酸塩の水化物をもとにした破壊的な効果を持つ毒ガスで、最初のうちは配給元の「テイシュ・ウント・スタベナウ商会」の係員だけが消毒係として出張し、管理と使用にあたっていましたが、そのうち、SSの衛生兵がガス使用の前面に立つことになったのでした。」

気味悪いナチス……。下「」引用。

「……ドアの覗き穴から観察していると、投入孔のすぐそばに立っている者がたちまち死んで倒れるのが見える。三分の一は即死する、といってもいいだろう。残る者は、よろめき、叫び、空気を求めてあがき始める。しかし、叫びはほどなく喉の鳴る音にかわり、数分のうちに全員が倒れる。おそらくも、二○分後には、もう一人として身動きする者もない。
 アウシュビッツ強制収容所の第一代司令官だったルドルフ・ヘスが、その告白遺録『アウシュビッツ収容所』の中に書きとめた壮絶な情景は、囚人として一度入ったら最後生きて出ることのできなかったガス室内の人びとの姿を、まことにリアルにとらえています。というのは、ドアの「覗き穴」から断末魔の光景を刻々と知ることができたわけで、それを平然と見ていられた神経にも驚きますが、しかしヘスが記述した中に、他の文献と比較すると若干のくいちがいが見られるのです。二○分後には、一人も身動きする者がなかったというのですが、オルガ・レンゲルの『アウシュビッツの五本の煙突』によれば、破滅的効果を持つといわれるチクロンBも、SSが薬の使用を節約することがあったがために、「しばしば生き残る者がいた」が、「まだ息をしている死にそこないの犠牲者を火葬場に運び、炉の中に投げこんでしまう」場合があったとのこと。-略-」

収容所の場所などの記載されていた……。










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