磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原子力王国の黄昏

2008年08月11日 | 読書日記など
『原子力王国の黄昏』
   伊原辰郎・著/日本評論社1984年

日本人はかたよった原発情報しか手に入らないのではないか?
--そう思うことがよくあるが、このことから考えると、他国から見れば、今も増殖炉なんてものを唯一すすめている日本というのは気持ちが悪い国だろうと思う……。
--核兵器以外にその真の目的はないというのだから……。



帯に書かれてあります。下「」引用。

「破綻する核燃料サイクル構想
下北半島・六カ所村に建設が予定されている第2再処理工場は、はたして実現可能なのか。原子力専門紙の前編集長がその非現実性を鋭く衝く。」

フランスは核兵器システムを維持するために……。下「」引用。

「「フランスがなぜあれほど原子力開発に積極的かといえば、自国に核兵器システムをつくってしまったからだ。その核産業を維持するためには、原子力発電を大々的に進めるのがいちばんよい」」

フランスの体制。下「」引用。

「ジスカールデスタン大統領の時代のフランスは、原子力開発に異常なまでのとりくみをみせた。
 西側諸国では特異な強い中央集権体制をとり、歴史・文化の誇りを背景に対外政策でも他の自由主義諸国とは一線を画してきたフランスは、核開発でも一九六○年に初の確実験を成功し、世界四番目の核保有国になった。」

そして、電気事業も国営。下「」引用。

「フランスの電気事業は日本やアメリカと異なり、国営の電力会社EDFが独占管理している。超エリートの支配する同国中央集権機構のなかでも代表的な官僚組織--それがEDFである。このEDFは一九七一年、国民に向けて「すべてを電気で! すべてを原子力で!」というスローガンを叫びはじめた。」

ムダな電力がきっとあることだろう……。

index


イギリスが先行していたという。下「」引用。

「アメリカが原子力潜水艦動力炉の開発に熱中していたころ、イギリスは独自に原子力発電研究を進め、一九五三年にコールダーホール炉建設計画を発表した。原子力発電所分野でイギリスに世界の市場を先取りされるの嫌ったアメリカは、原子力潜水艦用動力炉の技術などを発電用に切りかえ、世界市場に乗り出していった。軍需のために注ぎ込んだ投資を民需拡大で回収しようという意図もそこにあったにちがいない。アメリカの原子力産業は、こうして一九六○年代から七○年代前半に黄金時代を迎えるのである。」


土光会長は原発推進企業家……。下「」引用。

「スリーマイル島原発事故から十日あまり経った一九七九年四月十二日、経団連会長・土光敏夫は大平首相・金子岩三科学技術庁長官と個別に会い、強い調子でこう説いた。「アメリカの原発技術には問題があり、こんごは自主技術開発を急ぐべきだ」。土光の主張には、このときの日本の原子力開発史上の重要な意味あいが集約されていた。
 土光は東芝、石川島播磨重工という、日本の原子力産業界では三菱、日立両雄と並び使用される企業群のトップの座を歴任した人物である。-略-」

伊藤忠、三菱商事、三菱金属、三井物産、三井金属鉱業、古川鉱業、同和鉱業、住友商事……などが、ウラン・メジャーとなろうとしたが、夢は消えたという……。

「急騰したウラン価格」、「金食い虫の原子力」、「期待されたレーガン政権だが」、「名乗りを挙げた三菱」、「クリーンな発電システム」という小タイトルの文もありました。

クリーンなものとしては、太陽光発電が取り上げられていました。









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