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証言記録 従軍慰安婦・看護婦-戦場に生きた女の慟哭-

2010年08月13日 | 読書日記など
『証言記録 従軍慰安婦・看護婦-戦場に生きた女の慟哭-』
   広田和子・著/新人物往来社1993年

前半は主に士官用従軍慰安婦、後半は従軍看護婦。

全く違ったという……。下「」引用。

「ここに従軍慰安婦と従軍看護婦を“戦場における女性”ということで一冊にまとめたが、それぞれの原稿をまとめて見て、まったく共通項がないのに気がついた。同じ戦場で弱い女の身を置いていたのであるが、兵隊から見た慰安婦と看護婦はまったく違った存在であった。」



士官用慰安婦・芸者 菊丸。

『週刊アサヒ芸能』 下「」引用。

「太平洋戦争研究会が『週刊アサヒ芸能』誌上に連載していた“ドキュメント太平洋戦争”で従軍慰安婦に関する記事を読んだ菊丸さんが、自ら慰安婦であったことを名乗り出たときから行き来があったのである。」

「置屋の借金を肩代わりして慰安婦を募った日本軍」
それで、菊丸も従軍慰安婦になったという。

「3 「女子愛国奉仕隊」の名のもとに狩り出された朝鮮人慰安婦」

トラック島での菊丸。下待遇とパイン泥棒。下「」引用。

「士官用の部屋は三三室あったかしら。東京芝にある三三軒堂と言い笑った。ベッドにかや、テーブル、グラス其の他は軍の物。鏡台だけは内地より持参した。日用品は一ヵ月一度配給、チリ紙、便せん、封筒、はんかち、石鹸、脱脂綿。煙草は士官連中が持ってきてくれる、「光」を。一ヵ月の働きが六百円か七百円、陸上の士官が一ヵ月分先払いする。又ある中将は来てお茶を立てる。少々窮屈であった。昼ごろ来て夜半に帰る。ヤレヤレと気持が楽になり、それからパインどろ棒に行くこともある。」

菊丸(船)と間違われたことをユーモアとして語る。

エリートだった菊丸たち。下「」引用。

「故郷を遠く離れた兵士たちは寂しかったし、文化の遅れた島民たちは“支配者”のつれてきた女たちの憧憬のまなざしを向けていた。なかでも「士官用」の慰安婦だつた菊丸さんたちは、いってみれば“エリート”だったのだ。」

鈴本もトラック島の慰安婦だったが……。下「」引用。

「鈴本さんがトラック島に渡ったのは昭和十七年三月。偶然にも菊丸さんと同じ船だった。帰国が十八年十二月末で、これも菊丸さんと同じだったのだが、二人はまったく面識がない。菊丸さんは士官用、鈴本さんは一般兵隊用ということで、狭い“日本人社会”の中だというのにつきあいがなかったのである。
 鈴本さんもまた前借金にしばられた芸者であり、トラック島に行ったキッカケは、軍が前借金の肩代わりをしてくれたからであった。」

慶応の学生と若いころの菊丸。下「」引用。

「客の一人だった慶応の学生にその辛さを訴えると、学生は“廃娼運動”をつづけていた救世軍の存在を教えてくれた。菊丸さんはさっそくそこに駆けこんだ。」

しかし、借金を返すのが大変で、また芸者に……。

--終戦「国家売春(RAA)」の時代へ。下「」引用。

「菊丸さんと五十鈴ちゃんは東京・尾久の生活を切りあげ、東京・品川のダンスホールにダンサーとして働きはじめた。横浜と東京の中継地点にあたる品川駅付近は、進駐軍相手のキャバレー、ダンスホール、ホテル、旅館が立ち並び、国際色豊かな町であった。
「わたしたちの行ったところも進駐軍相手だったんです。六十いくつかの学習院を出たおばあちゃんが通訳でね。胸の菊の花をつけていました。五十嵐さんといってたわ。三十分早く行って、その人から英語を習うのよ。『ウエルカム・サー』と『リクレーション・アンド・アミューズメント・アソシェイション』とかね、いまでも覚えているのはそれだけ。それからチケットとかお金の計算の仕方とかを教わったわ。-略-」

その店での黒人のピストル発砲などが、おもしろおかしく書かれてあった。

パンパン屋を綱島ではじめた菊丸、管理者と兼務、22歳。

パンパン屋を失敗して、闇マーケットで働く。

大映のニューフェースに合格した菊丸。

故買事件」で逮捕されて断念……。

そして、自殺した菊丸。

もくじ

--「フィリピンに配属された従軍看護婦の証言」
「戦犯狩り」、「戦犯密告」などがあったという。下「」引用。

「憲兵だったことがハッキリした日本兵は、事務所に呼ばれてそのまま銃殺だったそうです。タイピストなんかにチョコレートを与えては、誰が憲兵だったか聞き出したようです。捕虜の中にはタイピストや慰安婦がかなりおったですしね。掃除にきた兵隊さんが、看護婦さんたちは、そんなことないだろうけどといって、米兵にはなにもしゃべらんでくれとくれぐれも頼んでいきました」









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