磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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検閲1945-1949 禁じられた原爆報道

2006年09月12日 | 読書日記など
『検閲1945-1949 禁じられた原爆報道』
  モニカ・ブラウ(著)/立花誠逸(訳)/
      株式会社時事通信社1988年

占領されていたとき、上辺は報道の自由を与え、
実際は検閲をしていたという。
原爆の問題も原爆だけでは終われない……。



この著者は環境先進国というわれるスウェーデンの
マスコミの方であるという。

日本映画社の方がフィルムのコピーを隠したのは、
有名な話ですね。もし逮捕されたら、沖縄で
強制労働だったらしい。

進駐軍はピストルで脅して、フィルムを
奪いとろうとしたこともあったという。

八月二十五日にはまだ、広島の報道は検閲をうけていないので、
死者が二倍になったということも伝えられていたという。


検閲で天皇との会見報道も禁止していたという。

検閲はラジオ放送に当然あったようで、
違反すれば業務停止だったそうだ。下「」引用。

「放送は、当面、ニュース、音楽、娯楽の番組を流すことだけが許された。東京放送局は、ニュース、解説および広報の放送を許される唯一の放送局とされた。これらの指針に違反するいかなる報道機関も、業務を停止させらるものとされた。」

検閲そのものの存在も知らせることを禁止されていた。


「雅子斃れず」発禁された。
ここをクリックされたら、動画があります。


永井博士の『長崎の鐘』も出版することは危険だったという。
日本軍の残虐行為とともに出版された。

永井博士は医療のために借金をしていた。
その借金返済のためにも、印税が欲しかったという。

検閲の判断というのが実にご都合主義であったそうだ。同。

「検閲の所見や決定なしに発表された資料の事例をみると、その資料が発禁された資料とどのような点で違うのか、見分けがたいことがある。しかし、広島と長崎における原子力爆弾の生存者が健康を回復しているという、都合のよい(そして事実ではない)報道は発表されたのである。」

スウェーデンの記者からみた意見をかかれている。同。

「奇妙なことに、広島と長崎の原子爆弾の影響を書きしるした日本の科学者と医師の原稿は、原子力研究との関連では検討されていなかった。」

原爆を検閲した理由は、
1.国防機密
2.残酷で野蛮である兵器であるから
3.アメリカへの憎悪を増やす危険を避ける

アメリカ軍の方針は、
1.残虐行為は日本のみ(それは赤ん坊まで含まれる)
2.アメリカ軍は正しい

一般の日本人は検閲があることさえ知らなかったという。

第五福竜丸まで論議も起こらなかったし、
強力な平和運動もなかったという。
これが検閲の効果だったという。


新聞の検閲のフローチャート
↑クリックで拡大。


プレスコードは、学問の世界にも及び、研究もできなかったという。





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