『ヒロシマの歌 授業のための教師のよみ』
春日辰夫・著/えみーる書房1992年
今西祐行さんは教科書・作家と呼ばれてもおられた方ですね。その人の作品を授業にとりいれた方の本といっていいのかもしれません。
今西さんは「ひとつの花」で有名だと思います。
今も好きな作家の一人です。
--バブルの時に今西さんの講演を聞きました。
「ひとつの花」でいいではないか?
その方がつつましやかでいいではないか?
--その時の今西さんは、農村に住み、農業をされていました。
印税で食べられる作家が趣味でやっているという人もいました……。
--都会で住むしかないボクらには、憧れの生活でもありました……。
ボクはこの本を読んで、受けた教育が違うと思いました。
このように一人の人の価値観を植え付けられるような教育は受けていません。
--むしろ、多くの人の意見をたいせつにする授業をうけました。
いろいろな意見があっていい!
一人一人ちがう意見であって、当たり前……。
--それぞれが「ひとつの花」。
そのかわりやってはいけないことをすると厳しかったです。
講演では、今西さんは志賀直哉をお手本にしていたと語られていました。
--美文について話されていたのを聞いて、文章に酔う趣味はないので、つまらないとボクは思いました。
この本の最初に「水兵」と名乗っているのはなぜだろうとある……。
--この本では書かれてありませんが……。
海軍は徴兵制ではなく、自らの希望で兵隊になった方だそうです……。
--陸軍と違い待遇がよかったそうです。
主人公は赤ん坊を助けます。
--そしてその赤ん坊は大人になられて、主人公は原爆のかさの刺繍の手作りワイシャツをプレゼントされてます。
「原爆切手」が大きな問題になりましたね……。
--黒人は差別用語を使ってもいいが、白人は使ってはならないと似ていると思いました……。意味あいとしては、それでよいともボクは思いますが……。でも、ボクなら刺繍には他のものを選んだと思います……。
著者は被爆体験をこう書かれています。下「」引用。
「作者の今西祐行氏が「私のいた救援部隊は正味四日間しか広島にいなかったのですが、その間に体験したことは今もつぎからつぎへとリアルに思いうかびます。しかしそれを客観的に大きくつかみとることができないでいます。一生かかってもできないことかもしれません。ヒロシマはやはり私の生涯のいちばん大きな出来ごとであったような気がします。それを書ききれないはがゆさが残るばかりです。」(『今西祐行全集6巻』あとがき)と書いている。この思いが授業で少しでも伝えられたらと思う。」
そして、「理想」として著者は書いています。下「」引用。
「ヒロシマは二度繰り返してはならない。どんな状況の中でも人間的な姿は美しく、それはどんなものにも負けない力をもっている。」
今西さんがかかれていることよりも、大きくなっていて、理想をこえて、まるで偶像のようではないでしょうか?
私はそのようなものになりたい……という宮沢賢治的なものなら、理解できますが……。
理想ですから……。そういう感じなのでしょうか?
今西さんの講演のときに、作家というものは音楽でいえば作曲家。
演奏をして観賞するのは読者といわれていたと思います。
--そういうもんなのだろうか? それでいいのだろうか?
ボクは悩んだものです……。
この著者の理想と愛国美談との違いはどこにある?
作品を読んで考えてもらいたい気もしました……。
ひとつの花(はな)
index
春日辰夫・著/えみーる書房1992年
今西祐行さんは教科書・作家と呼ばれてもおられた方ですね。その人の作品を授業にとりいれた方の本といっていいのかもしれません。
今西さんは「ひとつの花」で有名だと思います。
今も好きな作家の一人です。
--バブルの時に今西さんの講演を聞きました。
「ひとつの花」でいいではないか?
その方がつつましやかでいいではないか?
--その時の今西さんは、農村に住み、農業をされていました。
印税で食べられる作家が趣味でやっているという人もいました……。
--都会で住むしかないボクらには、憧れの生活でもありました……。
ボクはこの本を読んで、受けた教育が違うと思いました。
このように一人の人の価値観を植え付けられるような教育は受けていません。
--むしろ、多くの人の意見をたいせつにする授業をうけました。
いろいろな意見があっていい!
一人一人ちがう意見であって、当たり前……。
--それぞれが「ひとつの花」。
そのかわりやってはいけないことをすると厳しかったです。
講演では、今西さんは志賀直哉をお手本にしていたと語られていました。
--美文について話されていたのを聞いて、文章に酔う趣味はないので、つまらないとボクは思いました。
この本の最初に「水兵」と名乗っているのはなぜだろうとある……。
--この本では書かれてありませんが……。
海軍は徴兵制ではなく、自らの希望で兵隊になった方だそうです……。
--陸軍と違い待遇がよかったそうです。
主人公は赤ん坊を助けます。
--そしてその赤ん坊は大人になられて、主人公は原爆のかさの刺繍の手作りワイシャツをプレゼントされてます。
「原爆切手」が大きな問題になりましたね……。
--黒人は差別用語を使ってもいいが、白人は使ってはならないと似ていると思いました……。意味あいとしては、それでよいともボクは思いますが……。でも、ボクなら刺繍には他のものを選んだと思います……。
著者は被爆体験をこう書かれています。下「」引用。
「作者の今西祐行氏が「私のいた救援部隊は正味四日間しか広島にいなかったのですが、その間に体験したことは今もつぎからつぎへとリアルに思いうかびます。しかしそれを客観的に大きくつかみとることができないでいます。一生かかってもできないことかもしれません。ヒロシマはやはり私の生涯のいちばん大きな出来ごとであったような気がします。それを書ききれないはがゆさが残るばかりです。」(『今西祐行全集6巻』あとがき)と書いている。この思いが授業で少しでも伝えられたらと思う。」
そして、「理想」として著者は書いています。下「」引用。
「ヒロシマは二度繰り返してはならない。どんな状況の中でも人間的な姿は美しく、それはどんなものにも負けない力をもっている。」
今西さんがかかれていることよりも、大きくなっていて、理想をこえて、まるで偶像のようではないでしょうか?
私はそのようなものになりたい……という宮沢賢治的なものなら、理解できますが……。
理想ですから……。そういう感じなのでしょうか?
今西さんの講演のときに、作家というものは音楽でいえば作曲家。
演奏をして観賞するのは読者といわれていたと思います。
--そういうもんなのだろうか? それでいいのだろうか?
ボクは悩んだものです……。
この著者の理想と愛国美談との違いはどこにある?
作品を読んで考えてもらいたい気もしました……。
ひとつの花(はな)
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