磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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岩波現代叢書 私はかく信ずる

2009年01月10日 | 読書日記など
『岩波現代叢書 私はかく信ずる』
   D.E.リリエンソール(著)/川島芳郎(訳)/岩波書店1951年

「原子力帝国」については理解されていなかったようです。
--灯台下暗しというのも、古今東西でよくあることだろうと思います……。

「これは民主主義信念に関する本である。」
--それはクラップにおうところが大きいという。

リリエンソールはTVAの理事長になり、クラップは総支配人になる。
リリエンソールは、初代原子力委員長。

訳者は書く。下「」引用。

「おそらくリリエンソールは積極的な肯定的な民主主義の信念のない状態こそ「真空状態」と呼んだだろうが」

原子力の平和利用もまた、民主主義の信念のないものだったが……。

--共産主義のことを「イエス」か「ノー」かでは答えられないとリリエンソール。

そりゃ、TVAという混合経済を導入した事業の理事長をやっていたのだから、当然、そういう答えがでるだろう……。

日本の読者へ。下「」引用。

「-略-日米両国民が元通り民主主義に沿ってともに暮らし行くために共同の努力をする日を、わすがでも早める上に役立つことをのぞんでみません。
   一九五○年十一月九日
     アメリカ合衆国 ワシントン
       ディヴィッド・E・リリエンソール」


民主主義とは……。下「」引用。

「民主主義は共産主義と異なり、政治的ないし官僚的な階級組織からすべての答が与えられるような独断主義ではない。民主主義の主成文は、教義ではなく叡知であり、権威ではなくて理性であり、冷笑ではなくて人間の信頼、神への信頼である。われわれの強味は、自由な人間の心をもった、怖れず屈せず真理を追究することにある。私はかく信ずる。」

この定義でも、ブッシュも小泉も民主主義ではなかった……。

「第2章 われわれの力の泉は倫理的であり精神である」
--こちらの方が当然、原子力よりリリエンソールなら重んじるのではないか?

そして、核戦争についてはこう書く。下「」引用。

「原子力戦争のある限り、われわれは望む世界はあり得ない。両者は矛盾する。共存することはできない。」

だが、古い本である……。
「第十二章 原子力は民主主義を強め得る」というタイトルもある……。下「」引用。

「広島の爆発の衝撃と興奮とによって、一種の原子神経症、収縮性の恐怖とヒステリーが生じ、それを長びき昴ずるままに放っておけば原子力発展の真の範囲と意味とを曲解もさせかねない証拠が時折みられる。」

これはリリエンソールが間違っているとボクは思える……。

原発もまだTMIやチェルノブイリの事故が起きていない時代でもある……。

目 次

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だが、初期においても、原子爆弾にしろ原子力発電にしろ、民主主義とはとうてい思えない。

あくまでも、原発はファシズムあってのものだろう……。

もちろん、彼らは民主主義と偽装しているが……。

--「私はかく信ずる」……。







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