磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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【小説】巨人 岩崎弥太郎 下

2010年02月01日 | 読書日記など
『巨人 岩崎弥太郎 下』
   邦光史郎・著/にっかん書房1980年

巨人というより、阪神? 阪神というより近鉄という感じですね。
……何のこっちゃ? といわれそうですが、野球にたとえると……。
もう近鉄はないですね。ボクは近鉄のファンでした。土臭さがありましたね……。
弥太郎にも、どこか、そんな感じがあります……。



上流家庭の証拠? 下「」引用。

「妻妾同居というと、今ではとても正気の沙汰と考えられなくなっているが、明治の日本ではむしろ上流家庭の証拠とされていた。-略-」

龍馬の姉・乙女はこれがイヤで飛び出したそうです。
30年前の小説ですが、この文に続く女性蔑視には驚きます……。

三井の手……。下「」引用。

「むろんこれは、すでに担保増しの情報を、顧問格の井上馨や渋沢から耳打ちされて、ちゃんと準備していたためで、口さがない連中は、
「なァに、あれは初めから三井の描いた筋書で、小野と島田をブッ潰すために担保増しを政府に吹き込んだのに違いありませんや」
 と、ライバルを倒すためなら、法律も変更させる三井の強引なやり口を強調していた。
 こうして三井はライバルを倒したけれど、そのために実をいうと有力なライバルを育て上げることになった。-略-」

東京丸……。下「」引用。

「二月三日、横浜の桟橋を、今しも出帆しようとしている三菱商会の持ち船東京丸は、新設された上海航路の第一号船だった。
 弥太郎は、母の美和に、この壮挙を見てもらいたいと思って長男の久弥ともども埠頭へやってきた。
 十一歳の久弥は、木製の外輪をもつ旧式船だが、二千百十七トンの巨体を浮べている東京丸をじっとみつめて、寒風に頬を赤くしている。
「母上、この船はこれで三百五十馬力、元の名はニューヨーク丸といって、アメリカ製ですぞ」
 これだけの船を持っているのだと、弥太郎は母に自慢したかった。」

日本人は日本の会社を選択。下「」引用。

「三菱商会が上海航路を開くと、パシフィック・メイル社は、三菱に合わせて運賃の値下げを断行した。
 ところが、日本人は、外国船に乗っても、風俗風習がちがうので戸惑うことが多く、さてボーイに用事をいいつけようと思っても、英語が分からず、それに相手は、何をこの東洋人めがと、見下しているから、どうも感情的に面白くないことが多かった。
 その点気の張らない日本船に乗って、味噌汁に沢庵をポリポリとやっている方が気楽でいいというので、新設された三菱の上海航路に人気が集中した。
 しかも、この船は横浜を出帆して、神戸、長崎と寄港するので、国内旅行にも便利である。」

最近は、英語のできる人は、日航なんて使わないという人がいましたね……。







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