磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

世界 2011-12

2012年03月21日 | 読書日記など
『世界 2011-12』
    岡本厚・編/岩波書店2011年

特集名 世界恐慌は回避できるか?



「電力会社が原発に固執するのは何故か 人質としての原子力発電」吉松祟(経済金融アナリスト)。
疑問を解く鍵。下「」引用。

「この疑問を解く鍵は電力自由化である。電力自由化の話は今からおよそ一五年前にさかのぼるが、電力会社は原発を維持・推進することで電力自由化を阻止してきたと私は考えている。地域独占を享受してき電力会社の競争力は決して高いとは言えないからだ。」

【一部・電力自由化】PPSとアメリカの4倍の託送料。下「」引用。

「電力料金に初めて競争原理が持ち込まれたのは二○○○年に導入されたPPS(Power Producer & supploer : 特定規模電気事業者である。PPSは自ら発電を行い、現存の電力会社の送電線を借りて最終需要家に電力を販売する。当初は自由化部門として二○○○kW以上の大口需要家に対する販売競争が認められた。大規模工場大規模ビル、百貨店などが該当し、最終需要の約三○%に競争が導入されたことになる。自由競争の範囲は二○○四年に五○○kW以上(約四○%)、二○○五年に五○kW以上(約六五%)と少しずつ拡がった。
 それではPPSの導入でどれほどの競争が生れたのか。
 二○○○年のPPS導入後、約五%のシェアがPPSに移ったと言われている。総需要の約一・五%である。二○○○kW以上の大口需要家マーケットの電力料金には競争が生れたので、既存の電力会社も当然値下げで対抗し、これ以上のシェアの下落を防いだ。PPSが最終需要家に電力を販売するためには、電力会社の送電網を使用するので託送料を電力会社に支払う必要がある。また、最終需要家が消費する量に見合う電力を送電網に送る必要がある。こうした取り決めの仕方により、新規参入の難易度が決まってくる。
 日本の託送料(kW当り三~五)は顧客料金の二○%にも相当し、極めて高いと言われている。たとえばアメリカでは約一○%である。アメリカは電力料金は日本のおよそ半分なので、日本の託送料はアメリカの四倍ということになる。」

国策・原発推進で人質……。下「」引用。

「国策が原子力の推進であれば、電力会社にとっても好都合である。原発は建設中の資産をレートベースに算入する総括原価方式を維持しない限り建設不可能であるので、原発建設の推進を人質を取ることが電力自由化を阻止できる。
 昨年六月に策定された「エネルギー基本計画」では、二○三○年までに原子力発電所をさらに一四基建設し、原子力発電のシェアを五三%にまで高めることを目標にしていた。電力会社にとって、これは「これ以上自由化を進めない」ことを意味していた。」

index








index

index

INDEX



エンタメ@BlogRanking




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。