磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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ロクの菜の花畑

2007年05月28日 | 読書日記など
『ロクの菜の花畑』
    竹田まゆみ・作/相沢るつ子・絵/汐文社1996年

この作品は心臓弁膜症の少年と、ロクという犬の物語です。この少年たちの戦時下の生活、そして原爆……。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「家の近くまでくると、ロクが、尾をふりながらうれしそうにかけてきた、
「ロクぼくは疎開には行かんぞ、ロクといっしょにおるぞ」
ぼくは、ロクの顔を手のひらでおもいきり押してやった。
ロクは、顔をゆすって、ぼくにくっつてくる。
もう、さびしがったりしないぞ。
ぼくは、ロクの顔を、もうひと押しすると、ぱっとかけだした。」

「お茶の間」
--そんな言葉が、ボクの子ども時代にはいわれていましたね。
この言葉もあまり使われなくなりましたね。

--何かを得るとき、何かを失う。
たしかに、この論理は現実にありえますね。
テレビゲームをえたことで、家族の団欒はなくなった……。
それだけでなく、残業、バイト……。
便利な生活を支える、庶民の生活……。
そこに光をあてる人は少ない気がします……。

--お茶の間……。
この物語のお茶の間には、昭和の家庭があります。
テレビもなく、コンビニもない生活。
だけど、こちらのほうが人間的では?

--原爆。
ヒロシマを壊滅……。
多くの悲しみ、苦しみ。
だけど、もう空襲はないと喜ぶ国民。

--平和。
原爆で儲けたアメリカの企業。
そして平和な時には原発に切り替えた……。

--原発
止められない発電。
夜中も発電。
余った電気は垂れ流し……。
深夜電力は安くなり、深夜にも働く人たち……。

戦争をする人たち、人を虫けらのように殺す人たち。
その人たちが生んだ原発。
そして、日本でも戦争をすすめた人たちが電力を握っている。

もちろん、この本には原発のことは書かれてありません。

戦争のことがしっかりと書かれてあります。下「」引用。

「一九四五年(昭和二十年)八月六日。内藤善治(ないとうよしはる)こと、ぼくは国民学校五年生だった夏のこの日。
 ぼくは、生涯、この日のことは忘れないだろう。このあと何年、生きたとしても、この日ほど悲しく、おそろしく、やりきれない長い一日は、決してないだろう。
 その日は、月曜日だった。戦地で戦っている兵隊さんたちだけでなく、ぼくたちも戦っているんだと、夏休みなんてものはなくなっていたから、登校日だった。」






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