磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原発危機の経済学-社会科学者として考えたこと-

2011年12月13日 | 読書日記など
『原発危機の経済学-社会科学者として考えたこと-』
   斉藤誠・著/日本評論社2011年

投資家も敬遠……。下「」引用。

「また、反原発運動が激しくなって、原発事業そのものをタブー視する雰囲気が社会全体に醸成されれば、優れた人材も、資金力のある投資家も、原発事業を敬遠することになるであろう。」



危機の真只中→徹底プロジェクト。下「」引用。

「危機の真只中にある福島第一原発は、すべての処理が終わるのに一○年単位、一説には一○○年以上の時間を要し、天文学的な費用がかかるといわれている。たとえ正常に運転を終了した原子炉であっても、おそらく一○年を超える年月を費やして、原子炉や建屋が注意深く解体されていく。一方、長年、蓄積されてきた使用済み核燃料は、再処理するにしても莫大な費用がかかり、最終的な貯蔵には千年、いや、万年を超える気の遠くなるような時間を必要とする可能性がある。
 要するに、たとえ全原子炉の運転を終了させても、すなわち、原発事業を、いっさい収益を生み出さない状態にしたとしても、とてつもない費用と時間のかかる撤退プロジェクトが依然として控えているのである。-略-」

プルトニウム。下「」引用。

「私は、濃縮ウランを燃料とする原子炉(軽水炉)でウラン235の核分裂だけでなく、プルトニウム239の核分裂が起きていることを、長い間知らなかった。もちろん、中性子一個を取り込んだウラン238が二度のベーター崩壊でプルトニウム239に転換することは知っていたが、そうして生成したプルトニウム239は少量であって、わずかに使用済み核燃料に残存しているだけであると勝手に思い込んでいた。
 しかし、たとえばウィキペディア日本語版の「プルサーマル」の項には、

 ウラン238が中性子を吸収し二度のβ-崩壊を経てプルトニウム239が生成され、そのプルトニウム239自体も核分裂する。その結果、発電量全体に占めるプルトニウムによる発電量は平均約30%となる(プルサーマル発電〔引用者注 : ウランとともにプルトニウムを含む燃料を用いる発電〕を行わない場合でも、運転中の軽水炉の中にはプルトニウムが存在している)-略-」

高木仁三郎と柴田俊一のことが取り上げられていた。
かつての高速増殖炉「もんじゅ」の事故原因。下「」引用。

「高木よると、さやの取り付けを請け負った町工場の職工は、「これはR(アール)が取っていないけれども、いいんですか」と設計図の不備を指摘したのに、責任者は、「いや、原子力はふつうとは違うのだから、これでいいのだろう」ということで、設計図のままにした。-略-
 柴田のほうは、ある意味でもっと皮肉に推測をしている(前掲書、二五○頁)。すなわち、設計者が、製図の際に面倒がって細かな部分にRの指示を付け忘れたと憶測しているのである。柴田によると、いったんRの支持が付け忘れられた部分は、加工検査の際には、より深く切り込んだ段付けでないと、合格しないそうである。そのことが、さやの接合部分をいっそう折れやすいくしたというのが、柴田の見立てである。」

もくじ

もくじ

KiKK研究】「子どもたちに対する低線量被曝リスクについて」 下「」引用。

「「原発近隣の子供たちの癌に関する研究」を意味するドイツ語の頭文字をとってKiKK研究と呼ばれている。
 KiKK研究は、ドイツ小児癌登録制度(German Childhood Cancer Registry : GCCRと略されている)のデータを活用している。小児腫瘍血液病学会によって運営されているGCCRは、ドイツ全土における白血病を含めた小児癌の臨床事例の約九五%を登録しているデータベースである。-略-」

「KiKK研究に対する批判」も書かれてありましたが、ピンときません……。

「結局」科学的な知見は充分に知見されていないという著者。
--原発が安全だという知見は蓄積されていないのに、動かしていいのか?
予防原則を知らない著者。因果関係不明なら、逃れることができるなんて、無茶苦茶な論理だ。
除染すると、図書館の費用が減るという著者……。
どういう比較か、さっぱり理解できない……。



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