磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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写らなかった戦後 ヒロシマの嘘

2008年09月19日 | 読書日記など
『写らなかった戦後 ヒロシマの嘘』
    福島菊次郎・著/現代人文社2003年

表現するのに難しい本です。一理はあると思うことが、100%という感じで表現されているので、読んでいて、違和感を覚えますが、このような本を残してくださって、ありがとうとも思う本です。



この本について。下「」引用。

「一般的な通念から乖離した記述が多いと思うが、報道とは個人の視点を伝える営為で、国家の暴力や不正を監視、告発するのがジャーナリズムの使命である。この広島のドキュメントは、平和公園で売っている広島の絵葉書れの裏に隠された、戦争と戦後の行政の医学に殺された被爆者の三重苦の残忍な記録である。」

表紙の写真は生活保護をうけているために、犬が飼えないという。
もうじき、保健所から犬を捕獲しにくる。
犬を逃がそうとしても、馬鹿犬なので戻ってくるという。

布団をもって入院する時代があったようで、その布団が臭いと。娘は前借りして布団をつくったという。

この本の著者は、20歳も年下の気のきつい妻、知らぬ間に精神病院に入院するほどになっていたという。


マスコミの「やらせ」のことが書かれてありました。下「」引用。

「『ある匿名少女の記録』は、美代子ちゃんが匿名で人生遍歴を続け、ハンサムな板前さんにプロポーズされ、「お嬢さんと結婚させてください」と病床の中村さんを訪ね、ハッピーエンドで終わるというストーリーだが、それが牛山氏のヤラセだと聞いて驚いた。
 美代子ちゃんが撮影を嫌がるのを無理に旅館に軟禁し、屋根から飛び降りて逃げ出し警察沙汰になって撮影が中断した-略-」

バーバラ・レイノルズのことが書かれてありました。名誉市民になられた方ですが、彼女は広島市民にひどく傷つけられていたということが書かれてありました。

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文藝春秋特派員をしていた著者。その名刺を見せると、市長に料亭に招待され、かつ被爆者が申請しても被爆者手帳を取得できなかったのに、この著者が取り次ぐと、すぐに手帳はおりたという。

「聖地広島」という表現も気になりました。

また、「千羽鶴の塔」は放火たびたびという。

被爆者で入院患者となっている方に全国の方が千羽鶴を贈っていたという。
それを捨てることができず、埃がたまったという。
千羽鶴では病気はなおらない。
それゆえ、著者は千羽鶴をバックにした写真はとれなくなったという。

この著者は長崎の長所を指摘。下「」引用。

「長崎にも数年、取材に通った。安芸門徒である広島の被爆者が自分の不運をあきらめて生きているのに比べ、キリスト教の伝統を守って生きている長崎の被爆者は前向きに生きていた。長崎は被爆者同士の連帯感が強く、長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)は平和公園に被爆者の店を経営し、困窮被爆者の職場にして積極的に救援活動を続けた。全国の被爆者団体とも積極的に交信し、事務局長の葉山さんを中心に月刊『長崎の証言』を出版し続けていた。」

出あった人によって、その印象もかわることでしょうね……。

峠三吉の詩を誇りのように語る方がいますが、三吉の自殺の原因などを書く人は少ない。……この著者は書かれていました。

佐藤栄作首相が来広。下「」引用。

「この日、平和公園には初めて機動隊が導入された。関西、九州方面の右翼が広島に動員され、街宣車が軍艦マーチをがなり立てて平和公園周辺を走り回り、首相の慰霊碑参拝に抗議して平和公園周辺でデモをしている被爆二世集団に殴り込みをかけた。二世たちはそのうえ、「礼拝妨害罪」という初めて聞く罪名で全員機動隊に逮捕された。」

1960年代にも記者クラブとの癒着が指摘されていたとは知りませんでした。

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いろいろな問題について書かれてありました。

殺すな、殺されるな-福島菊次郎遺言集-







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