磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

巣鴨の生と死-ある教誨師の記録- 中公文庫

2011年03月08日 | 読書日記など
『巣鴨の生と死-ある教誨師の記録- 中公文庫』
   花山信勝・著/中央公論社1995年

「平和の発見」(朝日新聞社 1949年刊)の改題。
東条首相など七人のA級戦犯を処刑場まで見送った著者。



アメリカ従軍教誨師・スコット中尉が導いてくれたという。

東条……。下「」引用。

「東条元大将は、終わりまで緊張して、身動き一つせず、もっとも熱心に聴いて下さった。-略-
 四月四日、数日前の某新聞に「大物ほど心乱れ--やせていない東条--」という見出しで、私の談として、巣鴨のことがでていた。当時は、拘置所のなかにも新聞が入っていたので、新聞記者の勝手な記事について、あやまった。」

自殺や精神異常……。下「」引用。

「ときには、自殺をくわだてる者もいたし、ときにはまた、強い精神異常をきたした者もあった。そのたびごとに、それらの人たちに個人面談して、生命の尊いこと、信仰に入ることが人生の一ばん大切なこと、などについて説いてきた。」

巣鴨の拘置所で、日本の仏教僧一人を政府に要求、著者がなったようだ。

牧師から仏像を許可されたという。

火葬のはじめ……。下「」引用。

「--日本では、仏教が伝わってからはじめて火葬がはじまった。文武、持統両天皇が、天皇としては、火葬のはじまりであるが、それは両天皇の遺言によったものだ。」

由利敬の葬式がはじめてであったという。文化差があるので、花などで、とまどっていたようだ。

--花とロウソク……。
花は慈愛、ローソクは人生の光、線香は清浄を象徴するという。

福原勲元大尉、自殺未遂……。そして、仏書をよむ……。

週に二度、入浴。

「スガモ新聞」 下「」引用。

「愉快なのは、所内の人々がその道のヴェテランをスタッフとして、スガモ新聞を発行していることで、これは事後検閲で、週に一回発行頒布される。日本の刑務所にも、アメリカと同様、受刑者の新聞を刑務協会で「人」と題して出しているが、ここの新聞は、ガリ版四ページの小粒ながら、なかなかのにぎやかさで、「人」の低調さとは比すべくもない。」

「愛国心」八月七日号の社説のテーマ。下「」引用。

「武器をもたなければ、愛国心を発揮ではないという観念は、もはや掲棄せらるべきである。
 われわれは日本の現状を憂うるがゆえに、国民の奮起と愛国心の昂揚を切にのぞむものである。」

INDEX

東条によって……。下「」引用。

「なお、この日、私はA級七戦犯の人たちに、十五冊の書物を差入れた。それまでは、書物の差入れを当局に申入れておいたのだが「紙一枚もやり取りしていかん」といった厳重な警戒のために、うまくいかなかったのだが、恐らく東条さんから「宗教関係の書物は、国際条約で規定されている」旨の申入れが所長あてに出されたために、考え直してくれたものと思う。」

INDEX

遺骸が家族の手に渡らない……。
ツメと髪をわたした広田弘毅。爪切りで髪を切ったという……。








index

INDEX



エンタメ@BlogRanking




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。