磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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証言 長崎が消えた

2010年06月15日 | 読書日記など
『証言 長崎が消えた』
   長崎の証言の会・編/長崎の証言の会2006年

受賞記念に刊行された、「編集後記」より。下「」引用。

「「西日本文化賞社会文化部門受賞から二年が経過した。この受賞をさらに意義あるものとするために受賞記念誌を作ることを昨年十二月の総会で決め、編集を開始した。
 当初は、今年の七月には発行できるのではないかと軽く考えていたがそうはいかなった。理由はいくつかあるが、三十七年間に発行した六十数冊を読み直して再録する証言を選び出すのに相当の時間を要した。さらに証言者一覧表を作るのにも予想以上に時間を要したからである。」



年表・長崎の証言運動p231~256
被爆体験証言者一覧(「証言」誌掲載)p259~301

小泉純一郎のお題目。下「」引用。

「核兵器廃絶、恒久世界平和は、私たちの究極の目標である。しかし、このことばがお題目のように唱えられてるだけではどうにもならない。二○○六年八月九日、長崎の平和祈念式典で、金子知事も小泉首相も同じような発言をされた。-略-
 小泉純一郎内閣総理大臣=「わが国は、戦後六十一年の間、不戦の誓いを実行してきました。」「今後とも憲法の平和条項を順守し、非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立ち続けることをあらためてお誓い申し上げます。」
 これらがお題目でないのであれば、二十一世紀の展望は明るいはずである。しかし、日本の政府は日米安保条約の下で核の傘に頼る政策を取っている。これは米国の核兵器を容認していることであり、明かな矛盾である。」

【一部のみ】

そして、政権はかわっても、同様である……。
イメージ改革は成功しても、地球はかわない、日本はかわらない……。

お骨拾いの泣き笑い、秋月辰一郎。下「」引用。

「七万の死者の内、三万九千、約半数の遺骨が判っているというが、果してそんなものだろうか。山里町や坂本町の破壊のあと、家族の骨を集めた人が、泣き笑いのように話していた。
「小さい骨が沢山あったので、子供の骨かと思ったら犬の骨ばい。」「これは太か、牛の骨たい、そんげんとば拾うな。」
 ある人は、変な骨だ誰のかと思ったら麻雀牌でした、と語っていた。私が憶えているだけでも、ずいぶん沢山の屍が川の水際にあった。それは家族が識別することはできるはずはなかった。豪雨で流されてしまった。風化しかけた屍体もブルドーザーやローラーでつぶされて土になってしまった。」

「皆この方に逃げて来た」というが……。それだけ凄まじい被害だった。下「」引用。

「「皆この方に逃げて来た」と言う。またそう考える。負傷者は四方八方に自分の躰が少しでも爆心から遠くに、あるいはわが家に、無我夢中で逃げた。一つの道ではない。しかし、そこにいた人は、「皆こちらに逃げて来た」と考えるほど無慮幾万ものだった。」

起きていてもらいたくない思想は「一億国民艘懺悔」から? 下「」引用。

「広島の原爆碑に「あやまちはくり返しません、やすらかにねむってください」と刻まれてあります。眠ることも、親の顔も知らないまま母の体内で殺された胎児、生き残った被爆者が三十三年すぎた今でも苦しんでいるのに、何で死んだ人たちだけが「やすから」に眠れましょうか、「あやまち」は誰もがおかしたのでしょうか、あやまちをおかした者は、その償いをすべきであり、私達はその償いを要求してたたかっています。」

もくじ

放影研が伝えてくれたという。
日本の戸籍が消えていた深堀フジヱ。アメリカから帰国。下「」引用。

「広島の放影研の人から電話があった時、私は「フジヱは広島で見つかったんですか」と言ったら、「アメリカです。診察でここに来ています。本人が待っているから電話してください。」と言われて電話しました。-略-」

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永井隆の手術を受けた谷川島雄。第14集60ページ。下「」引用。

「谷川さんは、三菱兵器大橋工場にいて被爆し、けがをした。すぐ工場を出て三ツ山の自分の家へ帰った。けがは、左腕の内側から通ったボルトが外側へ出るという大変な状態だった。八月十二日、永井隆博士が三ツ山で救護班を開設された。谷川さんはそこで永井博士から手術をしてもらった。傷跡は今もはっきり残っている。見せてといただいたが、五十五年たっても消えない原爆の残虐な爪跡である。
 谷川さんがフジヱさんを日本に帰すために尽くされた意志の強さと行動力はただただ敬服するばかりである。-略-」

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