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龍馬復活-自由民権家 坂本直寛の生涯-

2010年01月03日 | 読書日記など
『龍馬復活-自由民権家 坂本直寛の生涯-』
   吉田曠二・著/朝日新聞社1985年

龍馬が復活したわけではないとボクは思う……。
龍馬とでは、かなり異なるキャラクターでもあるとボクは思う……。



明治のベストセラー。下「」引用。

「坂本竜馬伝説小説に『汗血千里之駒』と題する古典がある。この伝記小説は司馬遼太郎のベストセラー『龍馬がゆく』の明治版ともいえる。作者は土佐の坂崎斌(さかん)(嗚々道人(おおどうじん)・紫瀾(しらん))で明治十六年(一八八三)の『土陽新聞』に連載した長編の人気小説である。新聞に連載後、直ちに単行本になり、ベストセラーになっている。
 坂崎が小説の題名とした「汗血」馬はとは、その昔、中国の漢の武帝が最も好んだ大苑(だいえん)(フェルガナ盆地)の名馬のことだ。シルクロードの大平原を一日千里も疾駆し、血の汗を流すといわれた名馬である。龍馬は三十三年の短い生涯のうち最後の五年間を大宛の汗血馬のように血の汗を流して疾駆した。
 自由への疾駆である。-略-」

三大雄弁家・坂本直寛。下「」引用。

「龍馬の甥坂本直寛は、本書の主人公となる人物で、明治十年(一八七七)以後、すぐれた自由民権家に成長する。土佐の自由民権家の中では、有名な植木枝盛(えもり)、馬場辰猪(たつい)と並び称せられる三大雄弁家でもある。この直寛が晩年に北海道で執筆した自叙伝の一冊がいま筆者の手元にある。『予が信仰之経歴』である。」

「北海道のいもほり」下「」引用。

「明治三十三年(一九○○)、晩年の直寛は裏臼の聖園農場で、家族と畑仕事をしながら、伊藤博文が創設した政友会に、旧自由党の同志らが変節して加入したニュースを耳にした。そのとき、直寛は立身出世の誘惑を退け、「サタンよ、余が後に退け」と叫んでいる。
 自叙伝にみるこの一節は、龍馬の復活を思い起こさせる。かつて龍馬は「土佐のいもほり(芋掘)」「どろの中のすゞめがい(蜆貝)」と自らを表現したが(文久三年、姉乙女宛手紙)、甥の直寛も「北海道のいもほり」として生涯を終りたいと宣言したのである。それからの直寛は旧約聖書の世界に生きて、モーゼやエリ等、旧約聖書の英雄を心の友人として活動した。」

にせ神官の話をしたのは、龍馬の甥直寛ら一族から坂崎斌が聞き出したものだという。

権兵衛とそりあわなかったお龍。下「」引用。

「しかし、そのお龍はその開放的な性格のために権平とそりが合わず、厄介視されたらしい。一説では、権平がお龍を「自分の妾」であると人に語ったので、お龍は居たたまれず、坂本家を去ったと伝えられている(「坂本竜馬の未亡人」-『報知新聞』明32・5・23付)。」

もくじ

イエスを聖人と評していた父……。下「」引用。

「幕末において父親の順蔵がイエスを聖人と評価していたことは、後の直寛の人生コースや思想上の発展を考えるうえで、不可欠な要因として記録に価する。-略-」

北海道開拓を考えた海援隊。下「」引用。

「この規約制定に前後して、海援隊は二度にわたり、浪人集団を率いて北海道を開発する計画を作成している。その第一次計画は元治元年(一八六四)に立案され、それは不運にも京都三条の池田屋騒動で隊士が倒され、水泡に帰したが、慶応三年(一八六七)三月にはさらに第二次計画が作成された。
 第二次計画案作成の前、慶応二年十月、龍馬は薩摩藩を口説いて洋型帆船を手に入れている。-略-」

坂本龍馬と北海道との関係とは? [歴史]

出馬しなかった直寛。そして……。下「」引用。

「幕末から二十余年を経た歴史の舞台は、様変わりしていた。自由党の板垣も改進党の大隈も、ともに西郷隆盛や桂小五郎の役を演じ切れなかったのである。」

洪水で救済運動をはじめた直寛。下「」引用。

「-略-直寛を救済委員に選出した。救済委員としてかれが出発したのは、九月十八日であった。
 東京では、内務大臣板垣退助に面談し、説得に当たった結果、板垣は英断をふるって八十万円の救済資金を支給することを約束した。先にも触れた通り、板垣は旧自由党総理で、明治二十二年の春には、出獄した直後の直寛を衆議院議員に推薦したこともあった。直寛の人柄をよく知る板垣は、今回も窮状をよく理解してくれたのである。
 翌明治三十二年の秋、治水会の活動を発展させるため、石狩川治水期成同盟会を組織した直寛は、十二月二日、総代として再度上京した。-略-」








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