磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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角川文庫 さ41-7 だまされることの責任

2009年10月10日 | 読書日記など
『角川文庫 さ41-7 だまされることの責任』
   佐高信、魚住昭・著/角川書店2008年

自民党総裁であった石橋湛山が「靖国神社廃止の議」というものを書いていたとは知らなかった……。



伊丹万作・映画監督。下「」引用。

「敗勢直後に、日本人のほとんどが「だまされて」戦争に突入したと言い、自分の責任を溶解させようと思っていたころ、伊丹は「だまされたものは正しいとは、古来いかなる辞書にも決して書かれてはない」と断定し、「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」と主張した。
 そして、「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今度も何度でもだまされるだろう、と喝破したのである。-略-」

戦中の民間の組織は、自発的にだまされてたそうです……。下「」引用。

「このことは、戦争中の末端行政の現われ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオのばかばかしさや、さては、町会、隣組、警防団、婦人会といったような民間の組織がいかに熱心にかつ自発的にだます側に協力していたかを思い出してみれば直ぐにわかることである。」

大手新聞などは、さらに売上げをあげたという……。


佐高は中坊との本を二冊も出しているという。
サラ金などにしても、諸悪の根源は銀行にあるというので、共闘をくんだという。
当時の川柳、「国民を無理やり連帯保証人」
RCCで中坊は化けの皮がはがれる。

朝日新聞の記者たち……。下「」引用。

「朝日の記者たちは庶民から見たら大変な高給をもらっているのに、意識の上では相変わらず「自分たちは庶民の味方だ」と思っている。意識と彼らの特権的な生活実態がかけ離れてしまっているんですが、それに気づいていない。自分たちと庶民の間に大きな溝があることがわかっていないんです。-略-」

キャパとはずいぶん異なる……。

新自由主義とナベツネ、竹中。下「」引用。

「-略-彼が憲法改正を唱えているのも、結局のところ日本国憲法の平等思想に我慢がならないからだと思うんです。この憲法の平等思想は戦後六○年近くたって、ナベツネさんらが主導する新自由主義によって吹っ飛ばされてしまった。新自由主義の威力というのは凄まじいものだなあと最近つくづく思います。
佐高 新自由主義という名前がよくないんです。私は新特権主義、新利権主義だと思う。竹中平蔵(元金融・経済財政担当相)に代表されるように、彼らは自分が持ったものは失わない、自分がもっと特権を得られるようにしようということですよね。」

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小泉純一郎と小林よしのり。下「」引用。

「「だまされることが悪なのだ」と言われた時に、「だまされてはいなかったんだ」とか「だまされていたなんて卑屈になる必要はない」という「居直りナショナリズム」に、小林は火をつけた。さらに進んで、小泉の思考停止状態--「そんな複雑なことはわからない」「俺はこれでいいんだ」という風潮に同調した方が楽ですからね。戦争責任だの戦後責任だのとあれこれ言われることが苦痛だったのが、小林や小泉のおかげでその苦痛から解放されたわけです。」

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でも、麻薬では苦痛は解放されないだろう。麻薬と異なり、相手国はさらに怒り、国際的な問題にもなり、さらに日本は孤立感を深めたのではないか?……。

石橋湛山と靖国神社……。下「」引用。

「小泉の大先輩の、自民党第二総裁で首相になった石橋湛山は、戦後すぐに靖国神社の廃止を主張していました。ちなみに湛山は太平洋戦争で次男を亡くしています。ちよっと長いですが、湛山が『東洋経済新報』一九四五年一○月一三日号の「社論」に書いた「靖国神社廃止の議」を引いておきます。-略-」

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飯島秘書官が小泉のメディア戦略をしていたという。

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「新しい『ペン部隊』」、辺見。下「」引用。

「これは一九九九年問題について論じたものなんですが、その巻末に辺見さんが書いた「新しい『ペン部隊』について」という短い文書があったんです。-略-今のマスコミもこのペン部隊と同じではないかと指摘したわけでするで、その文章の一番最後に--
 ペン部隊はもっと厳しく指弾されていい。私たちは私たちの心の内と外にいるペン部隊的なものをこそ攻撃すべきである。だが、新しいペン部隊には、司令部も顔も人格も場所的中心もない。鵺(ぬえ)のようなものなのだ。撃つべき急所というものがない。じつにうまくできているのだ。ならば、成員に内部からの反乱を呼びかけるしかない。おおかたの成員はペン部隊成員である自覚もないから、いにかも心許ないけれど、部隊からの脱走ないし反乱を、「私性」をまだ完全には摩滅させていない少数の部隊員に呼びかけるべきである。-略-」







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