磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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“核”を求めた日本-被爆国の知られざる真実-

2012年03月22日 | 読書日記など
“核”を求めた日本-被爆国の知られざる真実-
  「NHKスペシャル」取材班・著/光文社2012年

表紙の裏に……。下「」引用。

「大反響の「NHKスペシャル“核”を求めたむ日本」を書籍化!
NHK番組スタッフは、当事者から引き出した証言と、入手した極秘文書から衝撃の真実に辿りついた!
元高官、技術者、学者、そして被爆者たちの多角的視点から、わが国の本当の姿に迫るドキュメンタリー。」



「ファクト=事実」 下「」引用。
 
「私たち報道の人間によって立つべきは、理屈や抽象論ではなく「ファクト=事実」である。今回の番組に向けて私たちが挑戦したのは、「核」をめぐる新事実をとにかくかき集めることだった。幸いなことに、いや、国民にとって本当に不幸なことだが、取材過程で、これまで全く明らかにされたことのない驚くべき「特ダネ」が数多く集まり、番組に盛り込むこととなった。-略-」

ドイツとの秘密協議。下「」引用。

「まずは、1969年、日本政府が西ドイツ政府と行った秘密協議だ。会場は都内某所や箱根旅館。そこで日本の外務省幹部は、同じ敗戦国である西ドイツの外交官に対し、「日本と西ドイツはアメリカからもっと自立する道を探るべきだ」などと主張して、核保有を模索していることを示唆したのである。故・村田良平元外務事務次官(2010年3月18日死去)の死を前にした「遺言」とも言える証言と、ドイツ政界の重鎮エゴン・バール氏の証言、そしてドイツ国内で発掘した機密資料から、初めて明らかになった事実である。」

佐藤栄作、ノーベル平和賞。下「」引用。

「さらに、1974年、佐藤元首相のノーベル平和賞の受賞スピーチが、「核の傘」の提供者であるアメリカへの配慮としか考えられない理由で、当初案よりトーンダウンした事実も突き止めた。佐藤元首相のブーンたちは元々、非核三原則を世界に向けてPRし、核開発競争を繰り広げる米ソ両国にもいずれこれにならうよう呼びかけることを画策していた。しかし、スピーチ案が第一稿、二稿と改稿されるうちに、その文言が消えていく。こうした事実を裏づけたのは、やはり独自に入手した資料だった。」

【国連決議】日本の賛成率。下「」引用。

「また、国連で戦後行われている核軍縮決議について、日本の賛成率が平均して55%程度にとどまっていることも明らかになった。国連に所蔵されている1961年から2009年までの562件に上る資料を分析した結果、浮かび上がってきた「統計スクープ」である。これも、日本に「核の傘」を提供し続けている同盟国、アメリカへの“配慮”がうかがえる行動だった。
 こうした事実を掘り下げていくと同時に、記者やディレクターは、一貫して「核廃絶」を訴え続けてきた広島・長崎の被爆者たちの思いを取材した。新事実がわかるたび、繰り返し彼らを訪ねたのである。そして、国民に明らかにされてこなかった数々の事実を、どう受け止めているのか尋ね続けた。被爆者たちの証言は、番組全体の通奏低音になっている。-略-」

外務省の「核兵器保有論」 下「」引用。

「外務省はその後、日独両国の資料を調査し、関係者から聞き取りを行った。結果は、『「“核”を求めた日本」報道において取り上げられた文書等に関する外務省調査報告書』としてまとめられ、およそ2カ月後の11月29日に公表された。報告書は別紙も含めておよそ20ページ。一つの報道に対する政府の反応としては、異例のことである。」

メインのディレクター。下「」引用。

「メインのディレクターを務めた西脇は、原発事故後ずっと福島県飯舘村の取材を続けている。事故の理不尽さと、突然降り注いだ放射能に翻弄される人々の声を伝えるためである。その「中間報告」的な番組として、7月23日にNHKスペシャル「飯舘村~人間と放射能の記録~」を放送した。」

「決議は“外交カード”」 下「」引用。

「被爆国である日本がなぜ全ての決議に賛成できないのか。河辺教授は日本の投票行動が核軍縮と逆行する理由について「決議に医する投票は外務省の利権であり、対米取引に利用される“外交カード”に過ぎないものだからではないか」と指摘する。国連の核軍縮決議の賛成は、「絶対に譲れない事項」とはほど遠く、その時々の外交情勢に応じて「どうにでも態度を変えられる」という程度の位置づけでしかなかった、というのだ。」

「アメリカに歯向かえない現実」 下「」引用。

「「アメリカの『核の傘』に守ってもらっている以上、日本はアメリカの意に反する投票を行うくことはできません。ですから、グラフがこのようになるのは決して不思議なことではないんです」」

場合によっては投票しているのに? 歯向かえない現実ですか……。御都合主義のように思えないですか?

谷口稜曄のことが書かれてあった。

ノーベル賞と被団協。下「」引用。

「谷口さんが最高幹部を務める日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)も、毎年ノーベル平和賞の候補に挙げられている。
 オバマ大統領が受賞者に選ばれたとき、私は東京・渋谷にあるNHKのニュースセンターで、ノーベル賞選考委員会の会見の生中継を見ながら「警戒」にあたっていた。というのも、日本被団協が受賞した場合には全国ニュースで速報スーパーを出し、これまで運動に携わってた各界の関係者のインタビューなど、さまざまな関連原稿を出さなくてはならないからだ。そのために多くの記者やカメラマンらがスタンバイし、私も日本被団協はノルウェー語ではどう呼ばれるのかといった下調べを済ませた上で、そのときを迎えた。
 ところが、受賞者に選ばれたのは意外な人物だった。就任間もない、まだ何の実績も残してない、世界で最も核兵器を持つ国の為政者。それでも被爆者たちはオバマ大統領の受賞をわがことのように喜んでいた。核のない世界に向けた、若き大統領の行動力に期待したからだった。
 しかし、核廃絶へ向けた具体的な動きは遅々として進まず、期待はやがて失望に変わってくる。こうした中、2010年5月にはニューヨークの国連本部でNPT=核拡散防止条約の再検討会議が開かれ、多くの被爆者が参加各国に核廃絶を訴えるため現地を訪れた。平均年齢が80歳に近づき一層高齢化が進む中、「今回が最後の訪問になるだろう」と、この会議への決意を口にする被爆者も多かった。
 谷口さんもその一人だ。谷口さんは、会議の期間中、国連本部で行われた原爆展で「赤い背中」の写真を見せながら、被爆者を代表して演説するなど精力的に活動した。」

あれは、日本の原子力安全委員会のようなものですね。
内容にあわせたら、日本のそれは、原子力危険委員会。
ノーベル平和賞も、ノーベル戦争賞でしょうね。キッシンジャーや佐藤栄作、そしてオバマ。ぴったりだけど……。被団協は平和賞ですね。ノーベル平和賞に名実ともになられることを祈ってます。そうしたら、被団協が受賞しますね。

投下後も掃射「谷口稜曄」。下「」引用。

「周りに居る人たちは、家族に伝えてほしいと自分の名前と住所を言い、「水を、水を」と、水を求めながら死んでいきました。
 夜になると米軍の飛行機が機銃掃射してきました。その流れ弾が私の横の岩に当たって、草むらに落ちました。-略-」









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