子ども平和図書館1 パパママバイバイ

『子ども平和図書館1　パパママバイバイ』
　　　早乙女勝・原作/門倉さとし・詩/
　　　　　鈴木たくま・画/日本図書センター2001年

ファントム墜落事件をもとにした字のたくさんある絵本です。
草の根出版会　1987年刊の再刊。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「この本をまとめようと思い立ったのは、一九七七年九月の米軍機墜落事件で炎に焼かれたユー君とヤス君の、幼い二人の死を、どうしても、忘れることができなかったからです。
　日米共同による戦争準備が、「有事立法」という名で、国会に登場しだしたのも、墜落事件一年目を間近にした夏のさかりのことでした。戦争中に少年時代を送った私は、なんだか、不安でたまらなくなってきました。これ以上、幼い命を奪われてたまるものか！　－略－「児童は、人として尊ばれ、社会の一員として重んじられ、よい環境の中で育てられる」という児童憲章の精神を大切にしたかったからです。」

広島型原爆の4～5倍。下「」引用。
「ミッドウェーは、全長三百五メートル、排水量五万一千トン、約四千五百名の乗員をもつ“鉄の城”のような航空母艦です。七十五機もの攻撃機、戦闘機をかかえこんでいます。広島型原爆四～五倍もの核爆弾をつむことができる飛行機がほとんどです。そしてミッドウェーは、横須賀を“母港”にしています。－略－」

神奈川県……。下「」引用。
「神奈川県には、この厚木航空基地や、ミッドウェーのやってくる横須賀をふくめて、アメリカの軍事基地が二十四カ所もあり、東京には、横田空軍基地をはじめ、情報基地など三十七カ所あります。日本全国ですと、合計百二十五カ所です。－略－」

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「さいごにひとこと」　下「」引用。
「この本をまとめようと思い立ったのは、ほかでもありません。私は、ユー君とヤス君と、幼い二人の死を、どうしても、忘れることができなかったからです。
　しかも、そのおかあさんは、わが子のなくなったことさえ知らずに、今も重傷の床で、苦しんでいるという……。
　私に、なにか、できることはないか。子を持つ父親として、折にふれて考えるようになりましたが、特別なにもできることはありません。たった一つ、ものを書くこと以外は。－略－
　　一九七九年一月」

そして、再刊……。

「悲しい報せ」　下「」引用。
「この一月末のこと、新聞・テレビを通じて、突然に悲しいニュースが伝えられました。和枝さんが、ユー君、ヤス君のママが、死んだというのです。－略－あのいまわしい米軍機墜落の事件から五年、重傷の若いおかあさんを救おうと、日本中から千人を越える人たちが私の皮膚をと名乗り出て、六十回以上もの皮膚移植手術が成功して四年、そこまでのいきさつを書いた『パパ　ママ　バイバイ』が世に出て三年……。和枝さんはめきめきと元気になり、－略－
　　一九八二年五月」


「パパ　ママ　バイバイ」ノート







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