磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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角川文庫 世界原爆詩集

2008年04月28日 | 読書日記など
『角川文庫 世界原爆詩集』
   大原三八雄(みやお)・編/角川書店1974年

大きく世界と書かれてありますが、正田篠枝や栗原貞子の作品はありません。編者の心の世界と思えば理屈があうかと思います。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「収録詩全181編。広島・長崎はもとより、国内各地域の同人誌、新聞・雑誌、既刊雑誌など、-略-これに更に、20編にのべる、欧米、インド等の外国詩人による作品も加えて、国際的広がりを持つ内容とした。
 配列は年代順として、戦後史の流れの中で、原爆への関心と姿勢の推移を浮き彫りにすべく構成した。
 編者は、現・広島工大教授で、詩人。」

途中年代順になりますが、最初はちがいます。

「原爆を作る人々に--抄」福田須磨子・作。

関連記事

この記事より、福田須磨子の詩自体がいい。

「アメリカに落ちた原爆(抄)」ハーマン・ハゲドーン・作。
--アメリカが実際にやってきたことを真剣に見つめたら、こんな詩は書かないだろう。
もっと、真剣に見つめて欲しいと思いました。味噌も糞もいっしょにしてもらっては困る……。

「広島はきらい」といっても、もちろん全てではないでしょうね……。下「」引用。

「広島はきらい
        作者不詳

おじいちゃんとおかあちゃんが
げんばくで殺された広島

生きのこったおばあちゃんと私が
こじきのように暮らしている広島

つめたい眼でこんな私たちを見てるのは
広島の人たちだ

きらい きらい 大きらいよ
広島のまちも 広島の人たちも」

そんなのなら、東京であろうが、ニューヨークであろうが、みんな嫌いだと思う。

『花』という詩がある。
--「《シラベタカッタラ 自分ノ国ニオトセバ イイノニ》」
--ABCCを歌ったものである。気持ちはわかる……。

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……アトミック・ソルジャーがいて、南の国の人たちがいる。
差別主義によって投下された原爆。
平和のうちにも、差別はある……。
アメリカにも落とさせたくない。
その研究成果がいずれ、他国でも使われるだろう……。

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永井批判がこの本でも書かれてあります。下「」引用。

「尤もこれに永井隆(一九○八-五一)の「長崎の鐘」「ロザリオの鎖」「この子を残して」など“長崎もの”の影響を見遁すことはできない。しかし、このアンソロジーをお読みになってお気づきのように、長崎からの作品についていうならば、50年代は僅々二篇。60年以降初めて広島との差が縮まってきている。してみると長崎における宗教的感化の密度は広島の場合とは相当の距りがあったという推定もなり立つ。
 しかし偶然というか皮肉というか、40年代の劈頭が長崎作品の「創痍のあめつち」で、しかもアメリカの軍人によって発表されている。原爆詩の出発についていえば、長崎より広島よりも先輩格であろう。現在も70年を皮切りに「長崎の証言」と「長崎詩集」が刊行され、市民の原爆態勢が結集されているという印象をうける。」


目次

何度も書きましたが……。

イデオロギーの人たちは、文学をイデオロギーの道具にされるようだ……。

芸術はイデオロギーよりもっと大きなものとボクは思っている。









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